青いスタンドとアロンソ
F1第6戦スペインGPは地元アロンソがポールtoウィン!

 2006年のF1も3分の1が経過しようとしており、今期の各チームの競争力が明確になってきた。今年のF1勢力図は下馬評通り、ルノーとフェラーリがトップクラスであり、次いでマクラーレン・メルセデス、ホンダ、トヨタと続く。序盤ルノーが3連勝し強さが際立ったが、サンマリノとヨーロッパ(ドイツ)でフェラーリが2連勝し勢いを取り戻している。
 第5戦の予選終了後のインタビューで、ポールポジションを獲得したルノーのフェルナンド・アロンソは「ポイントを取ることが大切」と言っていた。その言葉通りなのかアロンソは決勝で2位となり、優勝はフェラーリのミハエル・シューマッハが母国優勝を遂げた。第6戦が行われるスペインは昨年の王者ルノーのフェルナンド・アロンソの故郷である。ミハエル同様、ここでは優勝を狙うコメントが聞かれた。
 ちなみに母国優勝は誰にとっても価値のあるもので、故アイルトン・セナも母国(ブラジル)優勝が悲願であったが、それを達成するまでF1挑戦から8年の歳月を要した(ブラジル戦2勝)。優勝したときセナは涙した。それほどドライバーにとって価値の高い勝利なのだ。

予選はルノーの1−2

 3つのピリオドに分かれる今年の予選では、アロンソが驚異的なタイムをマークしそれにチーム名とのジャンカルロ・フィジケラが続く。ミハエルは及ばず3番手スタートだが、「決勝レースに焦点を合わせた」ことを強調し、3番手でも自身満々の様子。同僚のフェリペ・マッサもこれに続き、ルノーが1−2位でフェラーリが3−4位と1列目と2列目を分け合った。
 また、日本勢ではホンダのバリチェロが5位、バトンが8位、トヨタがラルフ6位、トゥルーリ7位とホンダの2代に割り込む形となり、優勝争いは難しくとも面白い展開が期待できる。

レースはアロンソの完璧な勝利

レースはアロンソの完璧な勝利

 5月14日、迎えた決勝レースはポールポジションからスタートしたアロンソがトップを快走。2番手スタートの同僚フィジケラが3位ミハエルを押さえ込む形で1位アロンソと2位フィジケラの差がどんどん広がる展開。ミハエルはアロンソを追いかけることが出来ない。
 アロンソが17週目、フィジケラが18週目に1回目のピット作業を行う間にミハエルがトップにたち1回目のピットインに備えてペースアップを図る。23週目にミハエルが1回目のピット作業を終え、何とかフィジケラの前に出ることが出来た。さあ、ミハエルの追走劇がここから始まる。と、ミハエルの予選終了後のコメントから周囲は期待した。
 しかし、差は縮まらない。ミハエルが追えばアロンソが逃げる。そんな展開がゴールまで続き、結局ミハエルは差を縮めることが出来ず、アロンソの母国初優勝となった。アロンソは昨年チャンピオンを獲得したとき以上の喜びだ。今回のアロンソの勝利は予選2番手の同僚フィジケラの序盤での走りも大きかった。また、レース後のミハエルのコメントで、「決勝では突然ルノーより1秒も遅くなった」とのコメントもあり、ミシュランタイヤを履くルノーとブリヂストンタイヤを履くフェラーリの差が出てしまったようだ。
 ルノーのフィジケラは結局3位、フェラーリのマッサは4位と、ルノーとフェラーリが別次元のレース展開と、今年のF1はこの2チームの争いとなりそうである。

ホンダは6位と7位

ホンダは6位と7位

 上位2チームに続く予選順位を獲得したホンダとトヨタの2チームだが、15週目に8番手走行中のトゥルーリに9番手のラルフが接触。ラルフはフロントウィングを壊し緊急ピットイン。レースに復帰はするものの電気系のトラブルでリタイア。トゥルーリもペースが上がらず結局10完走と、接触以外の見せ場がなかった。
 ホンダも決勝レースではバトンが6位、バリチェロが7位とダブル入賞を果たしているが、これといった見せ場もなく終了。予選9位だったマクラーレン・メルセデスのキミライコネンに5位の座を譲っている。ホンダのスタート時のグリップ不足の問題はまだ解決していないようだ。
 また、5戦からモンタニーを起用しているスーパー・アグリは、エースドライバーの佐藤琢磨が気を吐き、予選前のフリー走行ではミッドランドのアルバースやモンテイロをしのぐ速さを見せ、予選でも上位との差はわずかだった。スーパー・アグリのマシンSA05の改良は進み、4年落ちの中古車ながらライバルと渡り合えるレベルに近付いてきたようだ。とは言いながらも、決勝レースはトップから4周遅れで佐藤琢磨が完走17位、モンタニーはリタイアとなっている。ホンダのサポートがあるとはいえ、12名と限られたバックアップでは、入賞までの道のりは遠いようだ。

次戦は伝統のモナコGP

 F1第7戦はいよいよ伝統のモナコGPだ。多くのF1ドライバーがあこがれ、ドライブ中は呼吸するタイミングもないほど過酷な公道コースで有名だ。
5月28日決勝レースが行われる。