新車より、中古車ほどジックリと検討しないと痛い目に・・・。

 中古車の商談中「中古車は【一物一価】なんで、これ以上のクルマはありませんよ」なんて意味の違う熟語を駆使して、購入の即決を求める営業マンがいる。彼の言う【一物一価】とは、中古車は一台一台コンディションが違い同じクルマは存在しない。そのため、価格もそれぞれ違うという意味で使っている。本当の言葉の意味は、同質の商品はひとつの価格しか成立しないという意味で使うから、まったく異なった解釈といえる。
 この言葉を使われた瞬間にガクッと来るのだが、言葉の意味はさておき、とにかくいろんなリクツを言いながら即決を求める営業マンには注意が必要。確かに営業マンのいう通り、中古車に同じ車種・グレード・色・コンディションの同じクルマは厳密にはない。とはいえ、よほどの希少車などを除けば、似たようなクルマはそこそこ存在するもの。即決を迫るには、さっさと売りたい理由があるのだ。それは長期在庫だったり、相場より高値だったりなどお店によってマチマチだ。
 しかし、同じようなクルマがあるとはいえ、同じコンディションではないのも事実。そういう意味でも、似たようなクルマを何台か比べてみてみないと「何が良くて、何が悪いのか」の基準がもてないので即決のリスクは大きい。だからこそ、ジックリと新車以上に比較検討する必要がある。

吟味して納得の中古車を買おう!

 クルマの購入は、とても大きな買い物。ウキウキドキドキしてしまうもの。そんな精神状態に付け込んで営業マンは、なるべく利益の出るクルマをなるばく早く売ってしまおうと考える。「ちょっといいかも」、なんて態度を見せれば、セールストークを駆使して即決させようと攻めて来る。ココは、ガッチリの冷静にならないと、即決した帰り道の中古車屋で同じようなクルマが随分安く売っていた・・・、なんてことにもなりかねない。クルマは一度購入すれば、何年もそのクルマと付き合うことになる。焦って決めた、なんかイマイチと思って数年を過ごすより、ジックリ最高の1台を納得して選びたい。だから「即決」はなるべく避けるべきなのだ。
 そこで、営業マンが即決を迫るお決まりのトークへの商談テクを伝授しよう。

お決まりセールストーク対応術

「これ以上のクルマありませんよ。今決めないと損しますよ」

「色々見て回って決めます。これ以上のクルマだってあるかもしれませんよね。これ以上のクルマはないというなら、その根拠を教えてください」。色々、根拠を言ってきたら、「その根拠を元に色々比較検討する時間をください」。即決を迫る根拠こそクルマのセールスポイントでもある。他のクルマと比較する材料になるので、メモっておくとよい。ここでセールスポイントの数が少ないということは、何かしら裏があると読むのもいいだろう。

「他にも商談している方がいらっしゃいます。今なら私がなんとかします。今決めてください」

「高い買い物なので、ジックリ他とも比べて購入しようと思っているので今は決められません。早い者順という御社のルールなら仕方がありません。そういうことであれば、私も他店で違うクルマの商談をします」。他のお客さんをダシに即決を迫るとなると、なかなか強硬。そういう態度には、他にも中古車屋やクルマはたくさんあるという趣を伝える。

「今日決めてくれるのなら、特別の条件を出します」

「特別の条件はうれしいですね。ただ、今決めなくちゃいけない理由はなぜですか? ノルマですか? 御社の都合なら、50%オフくらいにしてもらえたら考えますよ」。値引き後の価格を他店のクルマや相場と比較して参考にすると良い。相場より明らかに低いのであれば「なにかある?」と注意しよう。

次回の商談の掟 パート2は「消耗部品をチェックしろ!」編です。

注:商談の回答例はあくまで参考としてください。