走りを意識したルックス
2006年秋にワールドワイドでの発表が予定されているフラッグシップモデル「レクサスLS460」の概要が徐々にだが明らかになってきた。
新型レクサスLS460は、新開発となるV8の4.6リッターエンジンを搭載。なんと約279kWのパワーと、500Nmのトルクを世界初となる8速ATを経由して後輪に伝えるという。
ボディサイズ(欧州仕様)は、全長が5メートル超の5,030ミリ、全幅は1,870ミリ、少し低めの全高は1,465ミリになるという。この新型レクサスLS460と直接のライバルになるメルセデス・ベンツS500と比べると、レクサスLS460が全長で45ミリ短く、全幅で5ミリワイド、全高で20ミリ低い。数字だけ見ると、Sクラスに比べるとレクサスLS460方がワイド&ローに見えるはず。装着されるホイールもレクサスLS460は19インチ、Sクラスは18インチとなっていることから、スタイリングや走行性能に関してもかなり力が入っていると思われる。
ちなみにレクサスLS460のパフォーマンスは、最高速度250km/h、0-400m加速が13.8秒、0-100km/h加速が5.7秒となかなかの俊足ぶりを発揮。そのパワーを支えるサスペンションは、メルセデス・ベンツにも影響を与えたというエアサスを装備する。
前後のカメラ&ミリ波レーダーで世界トップレベルの安全性を確保
もちろん、新型レクサスLS460の魅力はそれだけではない。フラッグシップモデルらしく、最新の安全装備もテンコ盛りだ。進化したプリクラッシュセーフティシステムは、カメラとミリ波レーダーの改良により、なんと歩行者まで検知するほどまでに進化した。衝突の危険性のある場合は、まずは警報。それでも制動操作がなければプリクラッシュブレーキをかけ、衝突速度を軽減する。
さらに、世界初となる装備で後突プリクラッシュセーフティシステムなるものも装備される。なんと、ミリ波レーダーをリヤバンパー内に装着し、後方車両との距離や相対速度、方向などを総合的に判断。追突される可能性が高まると運転席&助手席のヘッドレストの位置を前方に移動。追突されたときの鞭打ち障害を軽減するというもの。前後のミリ波レーダーにより、近づくものすべてをチェックし歩行者やドライバーなどの安全を確保する。まあ、こういった高級車を買う人はあまり関係ないかもしれないが、一般庶民としては軽くバンパーぶつけてミリ波レーダー破損! なんてことになれば、いったい修理代はいくらかかるんだろう? と、無用な心配をしてしまうほどだ。
ヒューマンエラーを徹底的に排除。自動運転化も近い?!
レーダーやカメラのチェックの目は、外に向いているだけではない。新型レクサスGS450h(ハイブリッド)に、先に装着される予定だがドライバーモニター付プリクラッシュセーフティシステムも装備される。前出のセーフティシステムは、基本的にレーダーやカメラはクルマの外を向いていた。しかし、このシステムのカメラはドライバーを常にチェックしている。ステアリングコラムに設置されたカメラは、常にドライバー顔の向きを検知。画像処理技術で、ドライバーが正面を見ていない状態(寝ている、よそ見)などを検知し、さらに全車との距離や障害物、対向車などに衝突する可能性がある場合、警報を発する。それでもドライバーの制動操作が無い場合、プリクラッシュブレーキをかけ衝突速度を軽減するというものだ。もはや、完全にクルマがヒューマンエラーによる事故を徹底的に潰しにかかっている。これらの装備にレーンキーピングアシスト(ステアリング操作で車線維持を支援)などが組み合わされているので、もはや新型レクサスLS460は自動運転が可能なほど安全装備が進化している。こうなると、人間が運転するより自動運転のほうがはるかに安全なような気がしてくるほどだ。
最先端の安全装備と走行性能を誇る新型レクサスLS460。その登場は2006年秋。限られた人しか手に入れることの出来ないクルマではあるが、これからのクルマの行き先が垣間見ることができる。早くも2006年4月のニューヨークオートショーにレクサスLSのハイブリッドモデルも発表されるという。
*写真は北米仕様車です。