今日、どこかに決める! という意思表示をしよう。

 本命車種のディーラーには、最後に行く。夕方がよい。当然、その前にはライバル車種も買ってもいいと思える値引き額を出させてからが基本だ。そこそこ商談したらライバル車の見積もりをもらったことを伝える。この後ライバル車の商談があることも伝えよう。

 さらに「今日、どこかに決める」という意思表示を明確にする。相手の営業マンに「ココで逃がしたら、もう戻ってこない」という危機感を与えるためだ。商談開始!

 猶予はない。自分の値引き目標に達しているか? いないのか? が、ポイントだ。あと10万円程度の値引きなら「これで金額OKなら今、契約する」という手法もアリ。無理ですと即答するものなら「実印、住民票、印鑑証明も用意してあるのに(机の上に出す)・・・」と最後のアクション。そして「提示した金額でOKなら、この後のライバル車の商談をキャンセルする」と伝える。こういうパターンの多くの場合は「店長に聞いてきます」と言って席を外すもの。たいてい戻ってきて「この金額なら(提示した金額より安い)」といってくるので、最後の手を使う場合は少々多めの金額を提示しとくのがよい。

ライバル車種の営業マンから、商談中に電話が入るよう手配する。

 荒技だが、ライバル車種の営業マンに本命車種の商談時間を狙って電話するように仕向けるのも手だ。双方の営業マンが、商談が終わりに向かっていることを察知させれば、こちら側に有利となる。

 もう、これでダメなら「また今度、あるかどうかは分からないけど」と伝え席を立とう。ライバル車でも良いと考えるなら、ライバル車の商談へ向かおう。もし、もう1日時間が取れるというのなら、その夜、本命車種の営業マンから後追い電話がかかってくることにすべてをかけよう。そこで、少しでも条件がよくなっている可能性もある。

 また、よくある付属品のカットや納車費用のカットなどという要求をするべきという話もあるが、これらのカットはディーラーにもよるが、値引きの対象と社内処理される場合がある。その場合、あまり必要以上に迫り全体の値引き額に影響が出そうなら、あまりしつこく要求しないほうが賢い。

しっかり値引きを要求しないと大損だ!

 子供がいる家族持ちならお分かりだろうが、数週に及ぶ土日に商談なんて基本的になかなかありえないこと。普段の週末もココへ、あそこへと忙しいのだから、商談はなるべく効率よく行ないたい。

 残念なことにクルマの商談は「良い人ほど値引きが少なく」「しつこいほど値引きが多い」。それも、人によっては数十万円も同じクルマで支払い金額が変わってくる恐ろしい商習慣だ。その差が10万円あれば、家族持ちでもちょっとした旅行だって楽しめる。つまり、値引き交渉はしっかりやらないと、あきらかに損なのだ。

written by 大岡 智彦
職業:コリズム編集長