たった6台の決勝戦にブーイング、笑顔のない表彰台。
アメリカGP予選ではヤルノ・トゥルーリがトヨタに参戦以来初となるポールポジションをもたらし、トヨタの好調さを再び証明する結果となった。
予選翌日の決勝レース、グリッドには20台フルに並び、スタート前のフォーメーションラップが行われる。
フォーメーションラップ後、再びスターティンググリッドに付きレースがスタートされるスタイルだ。
しかし、ここで異変が起こった。
ポールポジションを獲得したトゥルーリ以下、ミシュランタイヤを履くマシン全てがピットインし、なんとガレージにマシンを入れてしまった。
なぜ・・・
そのままレースをスタートすることなく、20台中14台がリタイアしてしまった。
決勝レースはブリヂストンタイヤを履くフェラーリ、ジョーダン・トヨタ、ミナルディ・コスワースのたった6台で行われる事となったのだ。
結果は、昨年まで5年連続チャンピオンを獲得し続けたフェラーリのミハエル・シューマッハが今期やっと初優勝。
しかし表彰台に立つミハエルの表情は険しかった。
ライバル不在のレースで勝っても王者としては嬉しくないだろう。
なぜこんなことに?
ミシュランの選択、トヨタの悪夢。
アメリカGPのコースは、伝統のインディ500マイルレースが行われる超高速のオーバル(陸上競技場のような楕円)コースと、F1の為に作られたテクニカルなインフィールドコースがミックスされている。
最高速度は340km/hを超える高速サーキットだけに、タイヤにかかる負担も大きい。そこで事件は起きた。
好調トヨタのラフル・シューマッハが高速コーナーで大クラッシュ。その際にミシュランタイヤの欠陥が見つかったのだ。
なんと、このコースでは10週以上タイヤの耐久性が保障できないという。
しかし今年のレギュレーションは、予選から決勝レースまで1セットのタイヤで走りきらねばならず、結局ミシュランタイヤは決勝レースをボイコットする形を取らざるを得なかった。
このアメリカGPが前半戦の締めくくりとなるレースだけに、トップ争いをするアロンソ、ライコネンはもちろん、初ポールを獲得したトゥルーリやトヨタ陣営も実際にはレースを走りたかっただろう。
しかし、それにはあまりにもリスクが高すぎたのだ。
注目のコンストラクターズ決戦
そして、今日14日から今期最終戦となる中国GPが上海インターナショナルサーキットで開催される。
2ポイントリードするルノーがマクラーレン・メルセデスを抑え、ドライバーズ&コンストラクターズ共にチャンピオンとなれるか。
日曜の決勝レースの結果が全てである。
また、このサーキットは、昨年出来たばかりの最新のコースで、コース幅も広くオーバーテイクが可能なコース。鈴鹿のような見ごたえのあるレースが期待できる。
依然として来期の動向がはっきりしていない佐藤琢磨にとっても正念場のレースとなるだろう。
鈴鹿の結果でファンを裏切る結果となり、その汚名を返上せねばなるまい。
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