ルノーとマクラーレン・メルセデス

キミ・ライコネンとフェルナンド・アロンソの追い上げと、佐藤琢磨の失格処分が印象的だった日本グランプリが終了し、F1グランプリも残すところ中国グランプリのみとなった。

今期はドライバーズチャンピオンがルノーのアロンソに確定しているが、ルノーとマクラーレン・メルセデスが争うコンストラクターズチャンピオンが確定していない。また、来期のシートが確定していないドライバーにとっても、最終戦でいい結果を出しまだシートの確定していないチームとの契約を狙う最後のチャンスとなる。

最終戦を予想するためにも、今期を一度振り返ってみよう。

F1に限らず、スポーツ全般ではシーズンが始まる前にテスト期間と言うものが存在する。
F1のレギュレーションは毎年何かしら変更されるので、シーズン前に新しいレギュレーションにあわせたマシンを製作し、サーキットで実装テストを行う。
1チームだけがサーキットを借り切る場合もあれば、複数のチームが参加する合同テストもある。いわばシーズン前のオープン戦のようなものである。

今年のシーズン前テストでは、ルノーチームが速さを見せつけトップタイムを連発。丁度2004年のB・A・Rホンダのようだ。フェラーリは単独でのテストが多く、合同テストでは冴えないタイムでも、F1で最もお金を使っているチームだけに、トップ争いはしてくるだろうとの大方の予想だった。

ルノーの快進撃

シーズン開幕はオーストラリア・メルボルンの市街地コース。
シーズン前テストは燃料の搭載量や数多くのテストパーツを取り付けていることもあり、実際にどのマシンが速いか判断するのは難しい。すなわち、このメルボルンの地で初めてどのチームのマシンが速いかが判明する。

レースは予選でポールポジションを獲得したルノーのジャンカルロ・フィジケラが優勝した。アロンソも後方から追い上げ3位表彰台を獲得。
ここからルノーの快進撃が始まったのだ。

続くマレーシア・バーレーン・サンマリノとルノーのアロンソが優勝。
スピードはあるもののマシントラブルに泣かされるなど不運続きのマクラーレンのライコネンも、第5戦のスペインGPで優勝、続く伝統のモナコGPも優勝を遂げる。

また、昨年までは下位へと沈んでいたトヨタが表彰台を獲得するなど、今年の活躍が期待される結果だった。

それとは対象的に、昨年好調だったB・A・Rホンダはマシンのレギュレーション違反で、ジェンソン・バトンと佐藤琢磨共に失格&スペイン・モナコの2戦出場停止となるなど、ここまでノーポイント。
昨年の好調さとは正反対で信頼性・チーム力・マシンスピード共に本来の性能を発揮できていない。

その後は、ヨーロッパGP・カナダGPとアロンソとライコネンが優勝。そして問題のアメリカGPへと舞台は移った。 (次ページにつづく)

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