フロントシートメインに使うならリヤシートの居住性も気にならない
内装の変更点は、メーターパネルのデザインとシート表皮程度。メーターまわりの質が少し高まった印象は受けるが、大きな違いではない。
これはもともとイストや内装をていねいに造り込んでいたからだろう。インパネを見ると中央にメーターを装着し、その下側には柱状に2本のバーをとおしている。外観と同様、骨太な印象を与えるデザインだ。
フロントシートは、コンパクトカーではサイズを十分に確保し、座面が少し沈んだ部分で体をしっかりと支えるタイプ。バックレストの下側はやや硬めで、長時間ドライブに備えている。コンパクトカーにはホールド性の甘いシートも見られるが、イストは違う。ややオーバーにいえばドイツ車風の座り心地だ。
一方、リヤシートは足元空間が少々狭い。プラットフォーム(車台)は先代ヴィッツと共通で、ホイールベース(前輪と後輪の間隔)も2370mmと短くなっているからだ。身長170cmの大人4名が乗車した状態で、リヤシートに座る同乗者の膝先空間は握りコブシ1つ分。新型ヴィッツに比べると60%程度の寸法だ。
しかし、それでも窮屈な感じはしない。床から座面までの寸法を十分に取り、足が前へ投げ出されないためだ。ホイールベースが短い割には、巧みにスペース効率を高めている。リヤシートを頻繁に使うユーザーには適さないが、1時間程度の乗車であれば何ら不満は生じないだろう。