楽しい気分になれる空間作り
室内からの開放感はグランセニックの大きなセールスポイント。これは、広く取られたグラスエリアやベージュのインテリアカラーのおかげだ。さらに、上級グレード「2.0グラスルーフ」にはパノラミック電動ガラスサンルーフまでつくのだから、全方位に向けて視界が開けていることになる。家族や仲間を乗せ、景色の良いところをドライブしたら楽しいだろうな・・・そんなことを思わせるクルマだ。
さて、「バカンスの国」フランスのミニバンだなあと感じさせるのは、なんと言っても室内および荷室空間の設計だ。シートレイアウトは、前席から2、3、2の7人乗り。ただし3列目についてはあくまでエマージェンシー用。床下へ完全に収納できるタイプだから、通常は5人乗りとして使うのが正しい。またその場合、荷室も非常に大きなスペースが確保出来る。
1席毎に独立したシートとなっているのは、日本車ではあまり見られないスタイル。しかも、日本車みたいにフルフラットシートにすることなんか考えていない分、どの席もゆったりタップリした容量で乗員を包み込んでくれるのがウレシイところ。また、個別に倒すことが出来たりと、多彩かつ容易にシートアレンジを加えることが出来るのが特長だ。カタログを賑やかすためのものではなく、あくまで実用本位なアレンジというワケ。その結果、2人乗り状態で最大1920リッターと、下手な商用車顔負けの荷室空間もスゴイ。長期のバカンスにも耐えうるキャパシティは半端なモノではないのだ。
インパネは、先進イメージのセンターメーターを採用。ATのシフトもインパネに組み込まれているので、助手席とのウォークスルーも可能になる。シフトの位置自体運転席の手元近くに配置されており操作しやすい。これは、日本には入ってきていないMT仕様が販売の中心だからだろう。
全体に、乗っていて楽しい気分になれる空間作りがされているあたり、いかにもフランス車らしいところと言っていいだろう。