トヨタ、燃料電池ハイブリッド乗用車「トヨタFCHV」一部改良で国内初の形式認証を取得!

新たに自社開発した高圧水素タンクを搭載し、7月1日より、リース販売開始。

 トヨタは6月17日、燃料電池ハイブリッド乗用車「トヨタFCHV」を一部改良し、国土交通省が2005年3月 31日に改正・公布した道路運送車両法の保安基準に適合した燃料電池車として国内で初めて型式認証を取得し、7月1日より、リース販売(限定)を開始すると発表した。

 燃料電池車の販売に際しては、これまでは車両1台ごとに認定を受ける大臣認定であったが、今回、国土交通省は、圧縮水素ガスを燃料とする燃料電池車を対象とした、安全・環境に係わる基準を整備するため、道路運送車両の保安基準を改正・公布した。この基準整備によって燃料電池車も一般車両と同様に型式認証の取得が可能となった。

 トヨタは、燃料電池車の開発において、これまで心臓部となるFCスタックをはじめ燃料電池システムの主要部品を自社開発し、日米で限定販売を開始して以降、国内で11台、米国で5台リース販売している。また、燃料電池バスについても、東京都営バスの営業路線での実証試験(2003年8月〜2004年12月)を踏まえ、現在開催中の「愛・地球博」では改良された8台の燃料電池ハイブリッドバス「FCHV−BUS」で長久手と瀬戸の両会場間の観客輸送を担っている。新「トヨタFCHV」は、こうした様々な使用実態から得られたデータを開発に反映させ、燃料電池システムの信頼性・耐久性を向上させている。

 新型「トヨタFCHV」の主な特長は、新たに自社開発した35Mpaの高圧水素タンクを搭載したこと。従来型のタンクに比べ、水素貯蔵量を約 10%増加させた新構造とし、航続距離を300kmから330kmへ延長させた(10・15モード<社内測定値>)。また、タンクに装着する高圧バルブもトヨタグループ内で新たに開発し、電磁遮断弁をタンク内に配置した新構造のインタンク式高圧バルブを採用。タンクの使用認可は、2005年3月に高圧水素の安全基準として新たに制定された「圧縮水素自動車燃料装置用容器の技術基準」に適合し、これまでの3年から15年に延長された。その他、モーターの出力を80kWから90kWに高め加速性能を向上。ボディーカラーは、新たにライトブルーメタリック加え、シルバーメタリックとあわせ2色が設定された。

 新型「トヨタFCHV」は、政府関係の他、地方自治体、エネルギー関連企業などに販売を行なう計画とのこと。