V型8気筒4.4Lと、V型6気筒4.0Lが用意されている。残念なことに4リッターエンジンは4,009ccとわずか9ccの為に自動車税は1クラス上となる。

トラクションを伝えるミッションは、ZF製6HP26型6速ATを搭載。ギヤボックスケースは、オフロード走行用に頑丈なものになっているという。

走りの性能の高さはレンジローバー譲り。トランスファは電子式で走行中でも切り替えが可能。

スタイル インテリア 走り&メカニズム

テレインレスポンスで自在な走りを実現

 新しいディスカバリーで注目されるのはテレインレスポンスと呼ぶシステム。これには5種類のモードが用意され、運転席のスイッチでそれを選ぶことによって、路面状態に合わせた走りが自動的に選択されるというもの。オンロード、草や雪などの滑りやすい路面、泥/轍、砂地、岩場の5つのモードがそれで、ほとんどすべての走行シーンがこれによってカバーされるという。

 ボディはインテグレイテッドボディフレーム構造を採用する。最近のSUVではフレーム付きのモノコックボディを採用する例が多いが、これもその一種。フレームとモノコックの利点を生かしたものとなった。

 足回りは前後とも独立懸架式で、電子制御のエアサスペンションが全車に採用される。十分なストロークによって悪路走破性を高めたほか、乗用車のようなハンドリングとオンロードでの乗り心地を確保したのが特徴だ。

 搭載エンジンはジャガーのV型8気筒4.2Lをベースにした4.4Lエンジンと、V型6気筒の4.0Lの2機種。試乗したのは4.4Lエンジンを搭載したHSE。余裕の走りと豪華装備のグレードである。

 4.4Lエンジンのパワーは220kWに達しており、425N・mのトルクと合わせて2.5tを超える重量ボディに対しても十分な余裕を発揮する。というか、オンロードではボディの重さを感じさせない走りが可能なのだ。静粛性の高さや6速ATのスムーズさなども含めて、トータルでプレミアムSUVにふさわしい走りを実現する。

 今回の試乗では特設のオフロードコースが用意されていたが、ここでの走りも秀逸なもの。少々の悪路やオフロードはもちろんのこと、大きな凹みがあって片輪が浮くようなシーンでももう片方のタイヤにしっかりとトラクションがかかって走り抜けていくことができた。

 またHDC(ヒル・デセント・コントロール)が標準装備され、急な傾斜を下るときにも余分な操作をすることなく、安定した姿勢で走破できた。これは先のディスカバリーから採用が始まったランドローバー独自のメカニズムである。

●お勧めグレード

 走りに余裕があるとはいえ、V8エンジン搭載車は価格も759万円と相当に高い。現実的な選択としてはV型6気筒エンジンを搭載したSEやSになるだろう。それぞれ600万円台と500万円台の価格だからV6エンジンの搭載車も決して安くはないが、買うなら本革シートが用意されるなどして装備の充実度が高いSEがリーズナブルなグレードといえそうだ。

代表グレード
SE
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高)
4,850×1,920×1,890
車両重量[kg]
2,500
総排気量[cc]
4,009
最高出力[ps(kw)/rpm]
215(160)/4,500
最大トルク[kg-m(N・m)/rpm]
36.7(360 )/3,000
ミッション
6速AT
10・15モード燃焼[km/l]
6.2
定員[人]
税込価格[万円]
648.0
発売日
2005年3月1日
レポート
松下 宏
写真
オートアクセル
スタイル インテリア 走り&メカニズム