C3プルリエルに搭載されるエンジンは1.6LのDOHC。80kW/147N・mのパワー&トルクを発生し、シトロエン独自のセミATであるセンソドライブと組み合わされる。基本的にはコンパクトなクルマだが、オープンボディするために重量が増加したこともあって、1.6Lエンジンも特に余裕があるという感じではない。ボディに見合った実力というところだ。
組み合わされるセンソドライブはフルATとして乗ることもできるし、積極的にレバーを前後させてマニュアル車感覚の走りを楽しむことも可能。ATモードにしたときの変速時に一瞬トルクが抜ける感じになるのは、このタイプのセミATに共通の弱点だが、変速ショックは徐々に小さくなっている。
ステアリングホイールの裏側にはパドルシフトも設けられ、シフトレバーを使わなくてもステアリングホイールから手を離すことなく変速操作をすることができる。カブリオレやスパイダーの状態にしてワインディングなどを走るとき、パドルによるシフト操作は特に楽しいものになるが、通常の運転をするときでも操作のしやすさは魅力だ。
大きく開くドアによって後席への乗り降りにも優れているが、前席のシートの調整がしにくいのはヨーロッパのコンパクトカーに共通の難点。現実にはドアを開けた状態で操作するような形になる。
●お勧めグレード
C3プルリエルは単一グレードなのでグレードを選択する余地はない。パノラミックサルーンやキャンバストップ仕様などが自在に選べるオープンカーと思えばいい。279万円の価格は標準のC3の価格が199万円から240万円弱であることを考えるとかなり高い印象だが、+αの魅力を持つオープンカーの差額として考えると納得モノ。ほかにはない個性的なクルマを選びたい人向けで、ビートルのカブリオレなどと比較して選ぶことになるのではないか。