新しく搭載された3MZ-FE型のV型6気筒3.3Lエンジンは、ハイブリッドカーらしく効率の良いエンジンに仕上げられており、吹き上がり、パワーフィールとも申し分がない。パワーフィールに関しては電気モーターとの合算になるために、相当にパワフルな実力を感じさせる。
システムの軽量化が進められたとはいえ、ハイブリッドカーではエンジンのほかに電気モーターや電池などのシステムを搭載することが必要になる。このために車両重量は2t近いものになるが、その重量を全く苦にしない加速フィールを見せる。発進時にパワーが直線的に立ち上がって重量ボディをグイグイ押し出していく感じは、ガソリンエンジンだけでは得られないフィールだ。
SUVらしく乗り心地や操縦安定性などはやや大味なフィールを感じさせる部分もあるが、より乗用車に近くモデルが新しいハリアーでは優れた乗り心地を示し、クルーガーVに比べて好印象が感じられた。電動式パワーステアリングのフィールは違和感のないものだし、プリウスと同様にスピンしそうなときにはカウンターステアを当てる制御も入っている。
操縦安定性に関しては、エスティマにも採用されたVDIM(ビークル・ダイナミクス・インテグレーテッド・マネジメント)が高い効果を発揮する。これには前述のカウンターステアなどもその一部として含まれるが、ABSやVSC、TRCなどを総合的に制御して車両の挙動を安定させるもので、従来のVSCが危険な状態に入りそうなときに効き出したの対し、VDIMはクルマの挙動を常時監視していて、早めに穏やかに介入する仕組みだ。
●まとめ
最新のハイブリッドシステムを採用したことで、価格的には大幅に高くなったのがハリアーとクルーガーVのハイブリッドで、特に仕様が充実しているハリアーの価格が高めになっている。ただ、高度なシステムを採用したことの魅力や、ハイブリッドカーの購入に対して与えられる補助金などを考えたら、実質的な割高感は薄まると思う。オプションを含めると価格は500万円前後に達するが、充実度の高いハリアーのほうがお勧め。クルーガーVはひとモデル古いので積極的には選びにくい部分がある。