ミニバンとワゴンのクロスオーバー型?
ステーションワゴンなのに、なぜかミニバンちっくなルックスをもつコンパクトワゴン「エアウェイブ」がホンダから発表された。
なぜミニバンちっくに見えるのだろうと思い、エアウェイブをジックリと観察。すると、グーンと前方に伸びたAピラー、フェンダーからボンネットにかけて一度絞り込んだタテ見切りのプレスラインなどなど、ミニバンによく見られるデザイン手法が随所に盛り込まれていた。そのためか、ライバルとなるカローラ・フィールダーやウイングロードなどに比べるとひと回り大きく立派に見えてくる。
さらに、ワイドでシャープなフロントグリル、そしてフェンダーのサイド回り込んだツリ目のヘッドライトなどが、押し出し感のある大きな顔を作り出している。ヘッドライトの造形もこのクラスとしては、かなり高級感がある。ヘッドランプ上部には、BMW風の眉毛のようになったウインカーがセットされているのがポイントだ。リヤビューはというと、ボディサイドにまとめられたコンパクトなコンビネーションランプがセットされる。メッキ処理されたリヤガーニッシュがアクセントとなり、スッキリとした高級感を表現している。
ガラスルーフだけでなく、パッケージングにも優れたコンパクトワゴン!
スタイリング上でのトピックスは、やはり前後1100ミリ、左右770ミリという大きな大きなスカイルーフといわれるガラスルーフだ。日産ラフェスタと同様に、ルーフをガラスにすることで今までにないような開放感を手に入れようというのが狙いだ。ワゴンボディというユーティリティも十分に確保しながら、開放感という付加価値を与え、ライバルとの差別化を図っている。
コンパクトワゴンとしてのパッケージングも、最新もモデルということもありライバルを上回る高効率なものとなっている。基本となるプラットフォームは、フィットの流れを汲むセンタータンクレイアウトをもつ低床のグローバル・スモールプラットフォームを採用。約30%をフィットと共通ながら、ほぼ新開発というものだ。この新プラットフォームの採用により、とくにリヤシートの空間にゆとりができた。全長はカローラ・フィールダーやウイングロードに比べ60ミリも短いが、荷室や後席のスペースもライバルを上回るスペックをもつという。
また、荷室に関しては、いずれエアウェイブと車体を共通化した商用車が用意されているという情報もあり、そのスペースは広大で使い勝手が非常に高い。低床のプラットフォームの恩恵で、とにかく低い位置にフロアがある。そのため、テールゲートはとにかく大きくそしてワイドに開くのだ。このスペースは、スカイルーフの影にに隠れているがエアウェイブの最大の武器といえるものだ。とくに、アウトドアなどで荷室をガンガンと使用するユーザーに高い支持をうけそうだ。
搭載されるエンジンは、1.5リッターの直4SOHCエンジンのみ。110馬力のパワーと14.6kg-mのトルクをアウトプット。ミッションはCVTのみで、Lグレードには7速のマニュアルシフトモードが装着される。また、全グレードに4WDが設定されている。
多彩なシートアレンジや、広大なラゲッジルームをもつエアウェイブ。CMなどでは、大きなスカイルーフばかりがクローズアップされている。クルマとは、やはりパッケージングを含んだ基本性能がメインとなるべきだと思うのだが、付加価値的要素ばかりアピールしているように思えてならない。エアウェイブがもつ、クルマとしてマジメで高性能な部分にスポットライトが当らないのが少々残念な部分。開放感だけでなく、ワゴンとしてのパッケージングにもぜひ注目だ!