ラフェスタに搭載されるエンジンは直列4気筒2000ccのMR20DE型。今後、日産とルノーの主力ともなる新開発の自然吸気のDOHCエンジンだ。パワー&トルクは101kW/200N・mだから、パワーの数字はかなり控えめというか1800cc並みともいえる水準。逆にトルクは200N・mとこのクラスの水準を超える数字をしっかり確保している。つまり中低速域のトルク特性を重視した実用性能の高いエンジンチューニングといえる。
低回転域のトルクは2000回転の時点ですでに最大トルクの90%を発生することでも実証されているが、実際に街中を走らせた印象でも、ストレスのないスムーズな走りを実現できる。これは変速比を大きくとったエクストロニックCVTが組み合わされることも理由だろう。そのトルクの厚さが貢献して、アクセルを踏み込んだときの加速フィールは想像以上にスポーティだ。
足回りもミニバンにふさわしい乗り心地の良さが確保されるとともに、操縦安定性ともうまくバランスされており、この点でもストレスのない走りが味わえる。
ラフェスタの大きな特徴は価格設定の安さ。装備の充実度から判断して、主力グレードとなると思われるベースの20Sが税込みで180万円台中盤の設定。ウィッシュの1800ccやストリームの1700cc車並みの価格をラフェスタの2000cc車が実現している。ざっと20万〜30万円くらいは割安な印象になる。後出しの有利さがあると同時に、先行車は値引きも拡大しているから慎重な比較が必要だが、ラフェスタの割安感は大きな魅力である。
グレードはほかにスポーティな仕様を備えた20Mやアウトドアユースを意識したPLAYFULの設定があるが、買い得感の高さで選んだら断然20Sだ。