コルトプラスの追加と同時にベースのコルトもマイナーチェンジを受けているが、その両方に搭載されたのが新開発のアルミブロック製の1500ccエンジンだ。これはダイムラー・クライスラー参加のスマートのフォーフォーに搭載されたのと同じエンジンで、三菱を中心にダイムラー・クライスラーと共同開発されたもの。
三菱では長く鋳鉄製のエンジンを搭載してきたが、やっとアルミ製のエンジンをラインナップできるようになった。三菱単独ではアルミエンジンの生産ラインに投資できないため、ダイムラー・クライスラーとヨーロッパで共同生産したエンジンを日本に輸入して搭載している。
新設計の軽量エンジンということもあって回転の上昇はスムーズだし、中低速トルクの盛り上がり、高回転域でのパワーの出方など、どれをとっても大きく向上した印象がある。国産の競合車に比べるとパワー&トルクの数字は必ずしも上回ってはいないが、扱いやすさや軽快さという点では格段に魅力的なエンジンといえる。全車にINVECS-?のCVTが組み合わされ、上級モデルは6速マニュアルモード付きとなる。走りの滑らかさは上々のレベルにある。
ラリーアートに搭載されるインタークーラー付きターボ仕様の1500DOHCエンジンは、従来からのエンジンにターボを装着したものだが、108kw/180N・mという圧倒的なパワー&トルクを発生する。こちらも6速スポーツモード付きのCVTとの組み合わせで、滑らかで力強い走りを実現する。
コルトプラスはコルトに対して5万円ほどの価格アップに収まっており、これなら電動テールゲートだけでも十分に見合う金額だ。ただ標準のコルトは1300ccの安いモデルが売れているのに対し、コルトプラスは1500cc車だけの設定。実際の購入価格で見ると30万円くらいの違いになり、簡単にはコルトプラスに手を出しにくい側面もある。本体価格が150万円ちょうど、税込みで157.5万円の価格が設定されたエレガンス-Xが、充実した装備などからお勧めだが、コルトとどう選ぶかはかなり悩ましい。