搭載エンジンは1.3Lと1.5Lで、いずれもスマートオリジナルのもの。今回試乗したのは1.5Lエンジンの搭載車で、80kw/148N・mの平均的な実力のパワー&トルクを発生する。数字的には大した実力ではないが、スマートのボディは極めて軽いのが特徴。トリディオンセルなどにより高い剛性と安全性を確保しながらも、車両重量は1tそこそこ。パワーウエイトレシオは10kg/psを切るのだから、走りはけっこう元気の良いのもになる。スマートのボディには十分すぎる実力といってもいいくらいである。
マニュアル・オートマと呼ばれる6速ATは、確かにシーケンシャル方式のマニュアル操作が可能だが、従来からフォーツーに採用されるのと同様に、ATモードでの変速時にトルクが抜けてラグが生じるのが気になる。今回のモデルではモーターを2個装着することによってラグをグンと短くしたというが、かなり小さくなったものの違和感は残っている。またわずかにクリープを発生するようになったので、車庫入れなどが楽になった。
足回りは柔らかめの印象で乗り心地を重視したものといえるが、操縦安定性のレベルもまずまず。コーナーで姿勢が乱れるなど、イザというときにはESPが介入して安定性を確保してくれる。
価格は1.3で184.8万円、1.5では228.9万円と、国産車に比べたらかなり高めの設定。ただ、安全装備を標準で備えることなどを含めて判断すると割高な印象はかなり薄まる。買うなら価格の安い1.3で十分。10.5万円をプラスしてコンフォートパッケージを装着すればいい。