なんと、5人乗りも追加!
5ナンバーサイズのミニバンとして、抜群の人気を誇っている「ノア&ヴォクシー」がマイナーチェンジを行なった。最大の変更点は、ミッションが通常のATからCVT(自動無段変速機)に変更されたことだ。CVTは走行状況に合わせて、最適な変速比に瞬時に変速。シフトショックのない滑らかな走りがウリのミッションだ。とくに、多くの同乗者を乗せることが多いクルマだけに、快適さは重要な要素。さらに、乗員増により重くなったボディも、エンジンの出力トルクの一番おいしいところを効率的に使えるので、走りにも余裕がでるはずだ。
さらに、G−BOOK対応のDVDボイスナビ搭載車には、道路状態を3次元的に判断し、勾配に合わせ自動的に変速する先進のNAVI・AIシフトを採用。急な下り坂などでは、クルマが自動的にローギアを選択してくれると優れものだ。
さて、通常マイナーチェンジでは売れないグレードなどを整理する傾向にある。ところが、今回のマイナーチェンジでは、あえて新グレードを追加してきたのだ。その新グレードとはノアが「YY」、ヴォクシーが「TRANS−X」と呼ばれるもの。なんと、ある意味ミニバン系のアイデンティティともいえる3列目シートを取り外し、ラゲッジルームとしてしまったのだ。一瞬、暴挙? とも思えるこの新グレードもカタログなどを見ると、なるほど納得のグレードといえる。ノア&ヴォクシーは8人乗りとはいえ、いつでも6人以上の多人数乗車をしているわけではない。多くのオーナーが広い3列目シートを潰しラゲッジルームとして活用しているという。ならば、最初から3列目シートを外し遊びのツールとして便利なラゲッジ機能をつけてしまえ! というの考え方のようだ。
そこで、大活躍するのがデッキボードと呼ばれるモノ。2列目移行のスペースを縦に横に水平にと分割し、色々なシチュエーションに対応する。例えば、2列目をフラットにした後、デッキボードを水平にセットするとベッドモードに。箱状に囲めば荷物が積みやすいボックスモードにと、瞬時に変化する。サーフィンや釣り、スキーにスノボなどなどアクティブ派には注目のグレードだ。価格も199.5万円(税込)と、グレード中もっともリーズナブルな設定がされている。
スタイルはノア&ヴォクシーとも、グリルやフロントバンパー、ヘッドランプ、リヤコンビネーションランプなどの軽いデザイン変更程度。テール&ストップランプには、省電力で視認性の高いLEDが採用された。インテリは、センターメーターとコントロールパネルのデザイン変更、インパネのアッパートレイにLED照明を採用した。また、シート表皮は上質で深みのあるトリコット、スポーティな幾何学模様のジャージなどが追加された。
ノア&ヴォクシーの環境性能は、トヨタ車としては遅れ気味ではあったが「平成17年基準排出ガス50%低減レベル」および「平成22年度燃費基準+5%」を達成した。
価格はスポーティなノアS&ヴォクシーZが237.3万円(税込)、豪華装備バージョンのノアX・Gセレクション&ヴォクシーX・Vエディションが252.0万円(税込)。新バージョンの追加に環境性能のUP、そして最新CVTの搭載と魅力を大幅に増したノア&ヴォクシー。そのラインアップに、もう死角はない?!