ライター紹介

自動車評論家

松下 宏 氏

中古車の業界誌から自動車誌の編集者を経て、自動車評論家に。 誰でも買える価格帯であり、小さくて軽く、そして燃費がよいということを信念として評論。

かなり柔らかめの乗り心地と高い静粛性が魅力だ

ベリーサがほかのマツダ車とは大きく異なるクルマであることは、走り出すとすぐにわかる。マツダのクルマといえば、硬めの乗り心地でスポーティな走りを実現するというのが一般的なイメージだが、ベリーサの走りはそれとははっきり異なるものだかだ。
 まず乗り心地に関していえば、かなり柔らかめの印象だ。少々荒れた路面でも突き上げなどを感じさせることなく、滑らかな走りを実現する。逆にいえばワインディングなどではロールが大きめに出るのだが、ベリーサはそもそも山道を元気よく走るタイプのクルマではなく、むしろ市街地での乗り心地の良さや使い勝手の良さを追求したクルマだ。クルマの性格にマッチした足回りといえる。
 ベリーサならではの特徴としてもうひとつ感じるのは高い静粛性だ。これも上質なクルマを追求した結果だが、静かで滑らかな走りは完全にクラスの水準を超えたものといえる。ある意味で、マツダ車しからぬクルマがベリーサだが、スポーツ志向のユーザーばかりがいるわけではない。こんな選択肢があっても良いだろう。
 ベリーサの価格はベースグレードでちょうど150万円前後。デミオのスポーツグレードと同等の水準だ。高い質感を備えたクルマがこの価格なら、十分に納得モノの価格といえるだろう。

代表グレード 1.5FF
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) 3975×1695×1530
車両重量[kg] 1100
総排気量[cc] 1498
最高出力[ps(kw)/rpm] 113(83)/6000
最大トルク[kg-m(N・m)/rpm] 14.3(140)/4000
ミッション 4AT
10・15モード燃焼[km/l] 16.8
定員[人] 5
税込価格[万円] 153.3
発売日 2004年6月
レポート 松下宏/オートアクセル
写真 T.P.U./オートアクセル

搭載されるエンジンは、最高出力113馬力を発揮する1.5リッターの直4DOHCのみ。

マツダのクルマにしては、カーブでのロールは案外大きめの印象だ。

通常はフルホイールキャップが装着されるが、オプションで15インチアルミホイールが用意される。

走りのフィールはシャープというよりもジェントルな感じだ。