日産スウェイ

<観音開きのドアをもつ超個性派コンパクトカー>

日産は、ジュネーブショーでコンセプトカー「日産スウェイ」(Sway)を世界初公開した。

日産スウェイ今回世界初公開となった日産スウェイ(Sway)は、コンパクトハッチバックセグメントに投入を想定したモデルだ。全長 は4,010mmということなので、欧州でも激戦のBセグメントカーということになる。すでに、ジュネーブショーでは同じ日本メーカーであるスズキも、このBセグメントに2台のコンセプトカーを世界初公開した。日産は、このスウェイで競争が激しいを欧州ハッチバック市場に新たな方向性を提案した。

スウェイのエクステリアデザインは、日産Vモーションをモチーフとするなど、最新の日産デザインの特徴的な要素を取り入れたコンセプトカーになっている。フロントのブーメラン型ヘッドランプには、ランプの形状自体にVラインの要素を取り入れることで、鋭い目のような印象を作り上げている。全体的にコンパクトカーのもつ小さなボディサイズから感じる可愛らしさというよりも、シャープなスポーツカー的デザイン要素を多く取り入れられている。また、ヘッドライトまわりの滑らかな形状から、ボディサイドのシャープなキャラクターラインへと流れる一連のデザインは、スポーティセダンであるインフィニティQ50やQ70にも似たテイストを持っていて、日産車としての共通なデザインイメージが感じ取れる。

そんな個性的なデザインをもつスウェイは、なんとドアが観音開きとなっている。乗降性の高い観音開きドアだが、Bピラーがボディに接合されていないため、ボディ剛性を上げるためには多くの工夫と補強が必要だ。補強が必要ということは、車重が増すため、あまり用いられないドア形状なのだ。そのため、こうしたコンパクトカーで観音開きをもつモデルは少なく、市販されているモデルではBMWの電気自動車であるi3があるくらいだ。

日産スウェイスウェイのインテリアは、2013年東京モーターショーで登場した「IDx」で採用した、洗練されたシンプルさが特徴の「グライディングウィング」形状のダッシュボードを進化バージョンが使われている。ドアノブは、アルミ構造材の一部としてデザインし、ステアリングホイールにはアルミを採用。センターコンソールは、SUVなのかと思えるほど太く力強いデザインとなった。実際の量販車に求められる居住性というよりは、デザインのコンセプトをより具現化した感じだ。

日産は、欧州や日本でジュークがヒットした。当時、あまりに個性的なデザインなので、好き嫌いが明確になり幅広い層に売れるクルマではないと予想していたようだ。その予想に反して、人気モデルとなったジュークのデザインに自信をもったようで、スウェイがジュークのように、日産デザインのイメージリーダーとする狙いもあるのだろう。

このスウェイが、単なるデザインスタディモデルなのか、それとも市販化を意識したものなのかは不明だが、こうした個性派コンパクトカーがマーケットに投入されることへの期待値は高い。市販化に期待したいモデルである。

■日産スウェイボディサイズ
全長 4,010mm
全幅 1,780mm
全高 1,385mm
ホイールベース 2,570mm