三菱デリカD:5

 

<5ナンバーミニバンより、ひと回り大きなデリカD:5の方が安い!?特別仕様車M-Limited(エムリミテッド)>

三菱デリカD:5三菱デリカD:5は、2007年1月に三菱の期待を背負ってデビューしたミニバンだ。デビュー当時、ミニバンブームもひと段落してきたとはいえ、三菱にとって久しぶりの新型車。その上、人気カテゴリーであるミニバンに参入ということもデビュー前から話題になった。

それも、他社のミニバンとはひと味違い、先代で大ヒットとなったデリカのオフローダー的なスタイリングと高い4WD機能を継承したのだから、注目されるのも当然だ。もったユニークな存在だ。デビュー当初こそ、2.4L+4WDの組み合わせのみだと、かなり強気なラインアップだったが、要望の多い2.0LのFF車もその後登場。また、デリカD:5に最も相応しいともいえる2.3Lクリーンディーゼルも追加されている。

また、ボディ構造もユニークだ。環状骨格構造「リブボーンフレーム」と呼ばれるボディ構造を採用。ボディ剛性、耐久性の向上と、高い安全性を確保した。

しかし、デリカD:5は、他社のミニバンと同じようには売れなかった。5,000台を超えるような販売台数は1回程度で、発売直後も月販2,000台程度という販売台数が続く。衰退してしまった三菱の販売網では、このあたりの数字が限界値だったのかもしれない。

そして、デビューから7年が経過した。こまめにエンジンラインアップの追加や、改良・特別仕様車を加えるなどした結果、デリカD:5はベストセラー車となる。すでに7年を経過したモデルでありながら、平均1,000台/月以上を販売しているのはさすがだ。

そんなデリカD:5 に特別仕様車「M-Limited(エムリミテッド)」が設定され発売が開始された。この特別仕様車は、質感や装備アップさせながら価格アップを抑えたモデル。いわゆる、お買い得特別仕様車だ。

ベースモデルは、ガソリンエンジン搭載のベーシックグレード「M」(2.4L 4WD、2.0L 2WD)。このMグレードは、ベーシックグレードのため、装備はシンプル。これでは、あまりに味気ないので、本革巻ステアリングホイール、本革巻シフトレバー、各種木目調パネルを採用し、上質感あるインテリアとしている。

エクステリアでは、スチールホイールから力強い5本スポークタイプのアルミホイールへと変更。装備面類では、約40~100km/hの範囲内でドライバーが設定した車速を維持するクルーズコントロールが追加装備されている。

この特別仕様車Mリミテッドの2.0L FF車の価格は2,488,320円。ベース車Mグレードより、約9万円のアップとなっている。装備面アップ分を考えると、それなりにお買い得感のある特別仕様車となっている。

デリカD:5内で比較すると、それなりにお買い得という評価になるのだが、5ナンバーミニバンと比べるとお買い得感は金出地向上する。約250万円という価格では、他社の5ナンバーミニバンはエントリーグレードしか買えない。装備類を比べると、ややデリカD:5が上回っている状況なのだ。また、デリカD:5は、こうした5ナンバーミニバンよりも、ひとクラス上のボディサイズをもつ。トヨタで言えば、ヴェルファイアとヴォクシーの中間くらいのサイズだ。そう考えると、より大きく装備の良いデリカD:5のお買い得感は際立ってくる。

この特別仕様車には、2.4Lの4WDも設定されているが、こちらは少々微妙な感じ。価格が300万円弱と高価なので、4WDが前提の顧客向けで、2.4Lクラスのエンジンが必要というのなら買い得感があるが、2.0Lで十分ということなら、5ナンバーミニバンの4WDとそれほど変わらない。そんなこともあり、お勧めは2.0LのFF車ということになる。
・Mリミテッド 2.0L FF 2,488,320円
・Mリミテッド 2.4L 4WD 2,943,000円