レクサス 新型 HS250h エクステリア

レクサス初のハイブリッド専用モデル

レクサス 新型 HS250h エンブレム

 不況を受けて、レクサスもダウンサイジングか……、などと一部メディアで紹介されていたのが、オールニューモデルのレクサス HS250hだ。売れないから小さく&安くしましたというような、そんな単純なことをトヨタがするわけもなく、目指すところは、プレミアムセダンの新提案という点にある。以前、トヨタはこのコンセプトをプログレで具現化しており、直接的なつながりはないようだが、"一連の流れ"という点では無関係ではあるまい。
 ただ、今やレクサスとても、単に装備を高級化しました、ハイ高級車の完成ですでは生き残っていけない時代でもある。そこで、車名を見てもわかるように、ハイブリッド化することでプレミアム感を演出している。車名のHSからして「Harmonious Sedan」。ハーモニウスとは「調和の取れた」という意味でことで、地球や人とだけでなく、上質との調和というのもコンセプトのひとつだ。
 とはいえ、気になるのはやはりダウンサイジングということ。単純比較はできないが、ISよりも考えようによってはラインナップ的には下にくるわけで、先の報道のように「レクサスも小さいクルマ出したか……」と取られることも十分に感じられる。その点について主査の古場博之氏は「そう見られるユーザーもいるかもしれません」と前置きしながらも「レクサスのもつ上質感。そこにハイブリッドによる環境性能の高さがプラスされることで、次世代の新しいプレミアムを作り上げると考えています」という。具体的なターゲットとしては、環境などの価値観に重きを置く"先進富裕層"とのことだ。

レクサス 新型 HS250h フロント
個性的なフロントマスクを始め、大胆なデザインを取り入れたエクステリア。レクサスらしい質感の高さも備えている。
レクサス 新型 HS250h リヤ
立体的でボリューム感のあるリヤビュー。比較的小さめのボディサイズながら、存在感を出そうと工夫されている。
レクサス 新型 HS250h 走り
プリウスなどで定評のあるハイブリッドシステムを採用。コンパクトカー並のカタログ燃費(23.0km/L)には驚かされる。
レクサス 新型 HS250h フロントマスク
ハイブリッドカーらしい未来感と、レクサスらしいプレミアムな雰囲気を両立させたフロントマスクがとても印象的だ。
レクサス 新型 HS250h リヤコンビランプ
クリアタイプのLED式リヤコンビランプを採用する。レクサス初のハイブリッド専用車ということで個性的な雰囲気を重視した。
レクサス 新型 HS250h 18インチタイヤ&アルミホイール
上級仕様には18インチのタイヤ&アルミホイールが装着される。タイヤはもちろん燃費の良さを重視したものを履いている。
レクサス 新型 HS250h リヤ

質感が高くハイブリッドらしいインテリア

レクサス 新型 HS250h インテリア

 実車を目にすると、まず室内の質感は高い。車格からすると、プリウスをベースにしているように思えるが、そんなに単純なものではなく、シャーシそのものは使いながらも独自アレンジを施し、余裕たっぷりの後席など、サルーン的なエッセンスもしっかりと確保。またセンターコンソールはプリウスに似ていなくもないが、大胆に盛り上がっており、RXで初採用されたコントローラー、リモートタッチも装着されている。またモニターには各種作動状況が表示されたり、メータークラスター内には大きなエコインジケーターが装備されるなど、"ハイブリッドに乗っている感"はとても高く、満足度も得られる。この満足度がプレミアムなのだろう。
 そして肝心のハイブリッドシステムは、FFということもあり、プリウスのものを流用しているかに思えるが、そもそもエンジンは2.4リッターと出力が違うこともあり、アトキンソンサイクルなどの基本仕様部分は同じにしながらも、一から煮詰め直しているという。そして気になる燃費は、カタログ値で23.0km/Lと、軽自動車並み。コンパクトカーでもフィットあたりが実現しているのみだ。この車格における従来の基準からすると、2.5倍ぐらい燃費がよくなっている、開発陣も胸を張るのもうなずけよう。確かに高級装備に燃費をプラスしてプレミアム感を見出すのは間違ってはいないだろう。

レクサス 新型 HS250h インパネ
インテリアのデザインはプリウスにも通じる雰囲気がある。本革や本木目などの自然素材は厳選されたものを使用している。
レクサス 新型 HS250h フロントシート
フロントシートはサイズも大きめでゆったりとくつろげるもの。横方向のサポートもしっかりしており、疲れにくい形状だ。
レクサス 新型 HS250h リヤシート
リヤシートは足元、頭上ともに余裕は十分以上。人数分の3点式シートベルトやヘッドレストは標準で安全面も文句なし。
レクサス 新型 HS250h メーター
モーターアシストや回生ブレーキの状態などを表示するメーターを装備する。先進的なデザインで、視認性も良好だ。
レクサス 新型 HS250h リモートタッチ
RXで初めて採用されたリモートタッチを装備する。走行中でもナビなどの操作がしやすく、安全性も考慮されている。
レクサス 新型 HS250h トランク
ハイブリッド専用車ということでバッテリーなどの張り出しもなく、トランクスペースは十分な広さが確保されている。

大胆だが甘さも感じるエクステリアデザイン

レクサス 新型 HS250h フロントマスク

 ただ、残念な点を言わせてもらえれば、デザインが"甘い"。そもそもセダンをコンパクト化することは、貧弱になりがち。大きいのがエライとは言わないが、小さいボディで存在感を演出するのは至難の業だ。実際にHSにはカムリ的な雰囲気も感じられたりする。その解消策としてウエッジシェイプや大胆なボディラインを取り入れたりするのだが、HSに関してはその点が今ひとつ。ホイールハウスまわりのクリアランスの大きさも甘さを感じてしまい、とても残念である。
 グレード体系は、ハイブリッドだけのモノグレード。枝としてバージョンL/I/Sが設定され、実質計4グレードとなっている。標準車やベースグレードを選んでも、高級車だけに安全装備を含めて十分なのはHSでも変わらず。バイヤーズ的には標準グレードで不満はないだろう。あとは差異部分をしっかり把握して、自分に必要だと思ったら、アップグレードすればいい。価格は395.0万円(HS250h)〜535.0万円(HS250h バージョンL)となっている。

レクサス 新型 HS250h 2.4リッターエンジン
ハイブリッドシステムはプリウスなどで得たノウハウを元に、2.4リッターエンジンを搭載するなど専用のものとなっている。
レクサス 新型 HS250h シフトレバー
シフトレバーはプリウスと同じようなデザインの小さなレバー式のものを採用する。Pレンジは下にあるスイッチを押すタイプ。
レクサス 新型 HS250h エネルギーモニター
ナビ画面にはエネルギーモニターや燃費などのさまざまな情報を表示可能。オーディオはマークレビンソンも用意されている。
レクサス 新型 HS250h 毎分燃費計
レクサス 新型 HS250h マークレビンソンオーディオ
レクサス 新型 HS250h ステアリングスイッチ
レクサス 新型 HS250h エクステリア
代表グレード
レクサス HS250h
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高)
4700×1785×1505mm
車両重量[kg]
1640kg
総排気量[cc]
2362cc
エンジン最高出力[ps(kw)/rpm]
150ps(110kw)/6000rpm
エンジン最大トルク[kg-m(N・m)/rpm]
19.1kg-m(187N・m)/4400rpm
モーター最高出力[ps(kw)]
143ps(105kw)
モーター最大トルク[kg-m(N・m)]
27.5kg-m(270N・m)
ミッション
電気式無段変速機
10・15モード燃焼[km/l]
23.0km/l
定員[人]
5人
税込価格[万円]
395.0万円
発売日
2009/7/14
レポート
近藤暁史
写真
近藤暁史

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