自然吸気エンジンを搭載したGの走りはごく平凡といった感じ。4バルブのSOHCエンジンで50ps(37kW)/6.3kg-m(62N・m)のパワー&トルクは数値的にもごく平凡なもので、同じエンジンを搭載するeKワゴンと比べても背が高くなった分だけボディもやや重くなっているだけに、走りの活発さでは劣る感じになる。といっても重量の違いはわずかなので、はっきりと体感できるような差ではないのだが、自然吸気エンジン搭載車の走りは特に元気の良いものではない。
乗り心地についても、可もなく不可もなくといった印象。柔らかめの乗り味は軽自動車の平均レベルのもので、特に優れた感じではない。全高が高い分だけロール感は大きめに出るが、かつてのトッポBJが大きく揺らいだ感じになったのに比べると、eKワゴンをベースにした今回のトッポは重心高も低くなっていて、コーナーでの安定感は高まっている。eKワゴンとあまり変わらない印象のロール感だ。
ターボ仕様のエンジンを搭載するローデストTは64ps(47kW)/9.5kg-m(93N・m)のパワー&トルク。パワーについては軽自動車の上限に達しているのでどのほかの車種と同じレベルだが、ほかのメーカーではDOHCターボを採用しているのに対してトッポはSOHCターボを搭載する。
このため吹き上がりのフィールもこのクラスにライバル車に比べて特に良いものではなく、もう少しスムーズさが欲しいところ。また最近は軽自動車でもCVTが主流になりつつあるのに、4速とはいえAT車だけの設定というのは物足りなさも感じる。自然吸気エンジンの搭載車も含めて室内の騒音レベルが高めなのも不満な点で、加速時のエンジン音だけでなくクルージング時のロードノイズなどももっと抑えて欲しい。
トッポの魅力は、コンポーネンツや部品の共用化を図ることで低価格に仕上げたことにあるが、逆に言うとトッポならではの魅力に欠けるのは残念なところ。トッポだけに限ったことではないが、ABSをオプション設定にするグレードが残っているのも大いに不満な点。iでは全車に標準装備していたのだからトッポも同じ設定にすべきだ。