【三菱ギャラン・フォルティス試乗レポート】ギャランフォルティス エクステリア

ギャラン・フォルティスの立ち位置とは?

 ギャラン・フォルティス最大のセールスポイントは価格設定だと思う。ほとんどフル装備の2リッターモデルが、178万5千円で買えてしまうのだから驚く。同じような装備内容を持つ1,8リッターのトヨタ・プレミオは190万5千円。大雑把なイメージで、20万円程度安い価格設定である。

 こう書くと「ギャランといっても海外じゃカローラと同じクラスに属すランサーとして売られている。安くて当然なのでは?」みたいな意見も出るだろう。実際、少し遅れてデビューするスポーツモデルの『ランサー・エボリューションX』も、ギャラン・フォルティスのボディをそのまま使う。

 けれど私は正真正銘ギャランだと考える。というのもギャラン・フォルティスのシャシ、2.4リッターエンジンを搭載するアウトランダーや、ミニバンのデリカD:5と共通だからだ。海外では一回り小さいシャシを開発するコストを削減するためランサーというネーミングにしただけかと。

【三菱ギャラン・フォルティス試乗レポート】ギャランフォルティス エクステリア
かつての三菱4ドアセダンの特徴だった、逆スラントノーズと台形グリルが復活し、往年の三菱車らしさを感じさせる
【三菱ギャラン・フォルティス試乗レポート】ギャランフォルティス エクステリア
リアから見たフォルムは全長の割りに引き締まっており、好ましく感じる方も多いのではないだろうか
【三菱ギャラン・フォルティス試乗レポート】ギャランフォルティス エクステリア
エクシード系はエアロパーツがなく大人しくまとめられている こちらのスタイリングもなかなか好印象だ

走りは新世代の三菱車らしく正統派

【三菱ギャラン・フォルティス試乗レポート】ギャランフォルティス インテリア

 前置きはこのあたりにして試乗と行こう。エクステリアもインテリアも質感上々! 最近の三菱、クルマ作りが明らかに変わった。運転席に座っても安っぽさ無し。シートもユッタリしたサイズを確保してあるし、ダッシュボードの仕上げだってトヨタ車や日産車に負けていない。

 Dレンジをセレクトして走り出すと、予想していたより好印象。まず新開発されたエンジンが良い。このエンジン、三菱自動車とダイムラークライスラー、現代自動車の3社で共同開発されたもの(といっても実質的に三菱自動車主体)。

【三菱ギャラン・フォルティス試乗レポート】ギャランフォルティス エンジンルーム

 低い回転域から太いトルクを出しており、全回転域でパワフル。高回転まで引っ張っても振動は気にならない。さすがに新世代のエンジンだと感心する。僅かに「何かが回っている音」(軸受け類かと)が聞こえるものの、不快な音ではない。無段変速CVT仕様の他、今や珍しい5速マニュアル仕様もラインナップされており、どちらを選んでも動力性能の不満は無し。

 足回りはどうか? 18インチ仕様になるとドタバタ感が出てしまう。しかし16インチ仕様であれば、このクラスの国産車を凌ぐ快適性を確保出来ている。日産Xトレイルのように良質のダンパー(ショックアブソーバー)を使い、サスペンションの取り付け部分の補強など行えば、相当レベルの高いクルマになるだろう。少し惜しい。

【三菱ギャラン・フォルティス試乗レポート】ギャランフォルティス 走り

       コーナリング性能は文句なし、もう少ししなやかさが出ればパーフェクト!

お勧めグレードはコンフォート系!

ギャラン・フォルティス EXCEED/EXCEEDはほぼフル装備で178万8500円!

 グレード展開は18インチタイヤを標準で履く『スポーツ』と、16インチの『エクシード』の2タイプ(10月から豪華装備のスーパーエクシードを追加)。急いで買うなら優れたコストパフォーマンスを持つエクシードを推奨しておく。御予算に余裕あり、急がない人は10月に追加される『スーパーエクシード・ナビゲーションパッケージ』(212万1千円)を。

ギャラン・フォルティス SUPER EXCEED/212万1千円で、カーナビまで付く!

 このグレード、アルミホイールからナビ、クルーズコントロールまで欲しい装備は全て標準で付いている。いずれにしろ1.5リッターから2リッター級の4ドアセダンを考えているなら、ぜひ試乗することをすすめたい。予想していたよりずっと正統派のクルマに仕上がっていた。

written by 国沢光宏