ボルボ S80
ボルボ S80 4.4リッターV8エンジン

S80に搭載されるエンジンは3.2リッタ-直6と4.4リッターV8(写真)の2種類。クラッシャブルゾーンを十分に取るため、どちらのエンジンも横置きに搭載される。

ボルボ S80 アルミホイール

V8AWDに装着される18インチアルミホイール。3.2リッタ-モデルはグレードにより16インチまたは17インチが装備される。

ボルボ S80 走り

Sパッケージに装着される16インチアルミホイール。その他のグレードは15インチのタイヤとスチールホイール&樹脂キャップが装着される。

ボルボ S80 走り

ボルボ S80 走り

ボルボ S80 走り

ボルボ S80 走り

スタイル インテリア 走り&メカニズム

パワートレーンを一新して走りの質がアップ

 S80には直列6気筒3.2リッターとV型8気筒4.4リッターの2機種のエンジンが搭載されている。今回試乗したのはV型8気筒4.4リッターエンジンを搭載したボルボS80 V8 AWDで、V型8気筒エンジンの搭載車はいずれもプレチャージ式フルタイム4WDのAWDとなる。
 4.4リッターのV型8気筒エンジンはフォードから供給を受けるもので、すでにXC90などにも搭載されている。232kW(315ps)のパワーと440N・mのトルクを発生しており、排気量に見合った十分な動力性能を持つエンジンといえる。これにボルボがギアトロニックと呼ぶマニュアル操作が可能な6速ATが組み合わされ、パワートレーン系は完全に新しいものになった。
 V型8気筒エンジンはともかく、直列6気筒エンジンまで横置きに搭載するのはボルボならではで、これによって十分なクラッシャブルゾーンを確保している。インフレータブルカーテンなど、エアバッグも充実した仕様が設定されている。

最新デバイスの採用でダイナミックな走りを実現した

 4.4リッターエンジンの走りは相当に力強いものとなる。大柄なボディの4WD車なので、V型8気筒エンジンの搭載車は車両重量が1800kgを超えるものの、その重さを全く感じさせない走りが可能。発進からアクセルを踏み込めば、エンジンはストレスなく吹き上がり、気持ち良く加速が伸びていく。クルージングに入れば排気量の余裕を生かして低回転での静かで滑らかな走りが可能である。
 4WDシステムはハルデックスカップリングを使った電子制御のプレチャージ式4WDなので、通常はFFに近い燃費の良い走りが得られるが、発進時などには自動的に4WDになって安定した走りを実現する。
 足回りはFOUR-Cと呼ぶ電子制御式のサスペンションが設定されている通常はコンフォートを選んで快適なドライブを楽しめば良いが、山道などでコーナーでのロールを抑えたいときにはスポーツを選んで硬めの乗り味を選択し、状況によってはアドバンスドによってレーシングカーのようなタイヤグリップを得ることもできる。この味付けはなかなかメリハリの効いたものだった。

●お勧めグレード

 ボルボS80はフラッグシップサルーンにふさわしい機能や性能、品質を備えたモデルに仕上がっている。特にV型8気筒エンジンの搭載車は高級車らしさにあふれた印象だ。ただ、価格設定も十分に高く、V8 AWDの価格は840万円で、簡単に手の届くクルマではない。普通のユーザーが買うときには、3.2リッター車が主な対象になり、500万円台で買えるS80または600万円台で買えるS80 3.2を選択することになると思う。

代表グレード
S80 3.2 AWD
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高)
4850×1860×1495mm
車両重量[kg]
1790kg
総排気量[cc]
3192cc
最高出力[ps(kw)/rpm]
238ps(175kw)/6200rpm
最大トルク[kg-m(N・m)/rpm]
32.6kg・m(320N・m)/3200rpm
ミッション
6速AT
10・15モード燃焼[km/l]
7.5km/l
定員[人]
5人
税込価格[万円]
680.0万円
発売日
2006/11/4
レポート
松下 宏
写真
佐藤 靖彦
スタイル インテリア 走り&メカニズム