東京オートサロン2007 会場風景

未来を担う若きカスタムビルダーが製作!

2007年1月12日〜14日の期間、幕張メッセにて注目のイベント「東京オートサロン2007」が開催された。新年明けて最初のビッグイベントなので各メーカー・ブランド共に気合の入った内容の展示が多く、その中でも特に気になった車をご覧いただこう。毎年ユニークな作品を多数発表するNATS(日本自動車大学校)のブースには、15台もの車輌を展示されていた。自動車業界を担う若い世代の独創的な感性は驚かされるばかりだ。発想だけでなく実現させる技術も年々レベルが高くなっている。

NATS・リバース
ナッツ・リバースは往年の名車をイメージして製作された1台。ベースのトヨタマーク�は4ドアであるが、フロントマスクとリヤスポイラーによりランチアラリー037を思わせるスタイルの実現した。実際にウインカーなどは旧車(日産ローレルC130系)のを使用するなど細部にこだわった仕上がりになっている。
NATS・ソアラGT
ナッツ・ソアラGTはスペシャリティーカーである車がもしも「スーパーGTレース」に参戦したら、こんなシルエットになるであろうというイメージを再現した1台。メーカー純正制作のような自然なシルエットボディは綺麗なラインを描いており、上品にまとまっている。スポンサーのカラーリングなどがあればよりかっこ良くなりそうな1台。
NATS・Mellow(メロウ)
ナッツ・mellow(メロウ)はレストア(再現作業)と共にカスタマイジングされた1台。ボディはストレッチされて更にハイルーフ化されている。真夏のビーチの雰囲気にあうように仕上げられている。mellow(メロウ)な雰囲気で癒してくれる車という意味から命名されている。ベースはVWタイプ�レイトバス。
NATS・クルージン
たて目のヘッドライトが凛々しいフロントマスクの車がナッツ・クルージンだ。オシャレなツートンカラーがアメリカンな雰囲気を演出する。ベース車のトヨタセンチュリーもアメ車っぽくコラムATを選んでいる。さながら60年代のポンティアックにも連想させる。
TOYBOX・アリゲータ�
おもちゃ箱からでてきた車をコンセプトに製作されたのがTOYBOXアリゲーター�。この外観からベース車を判別することは難しい。白岩モーター商会による製作でTOYBOXシリーズの第3弾になる。驚きの6輪仕様のコンプリートモデル。
TOYBOX・アリゲータ�
クラシックカーを思わせる優雅なスタイルはリヤから見ても変わらない。ベース車に使用されたのは日産マーチ3ドアだ。ルーフ形状により微かになごりを感じさせるくらいで細部まで行き届いた仕上がりは製作者の熱意が伝わってくる。
ブロー・ CHIVY(チビー)
80年代のメッキ輝くシェビーバンのマスクでお化粧するのは有限会社ブローの製作したCHIVY(チビー)だ。軽自動車をベースにアメ車の雰囲気を楽しむというコンセプトで過去にもダッジバンをイメージしたデモカーを出展している。本物とスタイルも似ているので仕上がりは上々だ。
NATS・MiniSX
カスタムの定番であるレプリカモデル、同じサイズの車を再現するよりもサイズの異なる車で製作するのは非常に高度なテクニックとセンスが必要とされる。そんな難しい条件にあえて挑んだ1台がNAT・Mini SX。ミニNSXをイメージして製作されており、ベースも同じミッドシップレイアウトのホンダビートだ。
静岡工科自動車大学校・B−starry7
こちらは静岡工科自動車大学校の学生による作品。ベースはトヨタデリボーイだがフロントマスクがシボレーブレイザーのような2段のライトにカスタムされている。ロードサービスをコンセプトとしているので側面の収納スペースには工具が納まるようになっている。
ツンドラコルサ・縦置きFR仕様
ベースのトヨタコルサは本来FF・4WDレイアウトしか存在しないが、昭和の名車KP61型スターレットを連想させるFRコンパクトスポーツに仕上げられた1台。エンジンも日産製CA18DETなどに換装すると同時にFR化されている。おとなしい外観に似合わない高性能エンジンを秘めるあたりは羊の革を被った狼と呼ぶにふさわしい内容。
大助商店・日産グロリア Y30型?
一見、パトカー風の塗装に見えるが良く見るとラメ入りの派手な塗装である。それだけでも目立つ存在なのが大助商店製作の日産グロリアY30型。フロントから見た姿でも十分に迫力があるのだが、この車にはもうひとつ大きな仕掛けがある。屋根の上のキャリアは散光式赤色灯に見えるような塗り分けがされている。後ろにまわると・・・?

大助商店・日産グロリア Y30型・トヨタクラウンMS105?
後部にはトヨタクラウンMS105型のフロントマスクが自然な感じで収まっている。車輌の前半分をつなげたのではなくベースのグロリアの後部に埋め込み成形されている。後部座席にもダミーでステアリングまで装備されており細かく演出されている。クラウンのヘッドライトにはブレーキランプが装備されており赤く点灯するようになっている。

製作者のこだわりが細部までの作り込みからよく伝わってくる。学生作品に負けじとショップも次々と新作を投入してきており、お互いのレベルアップにもいい影響を与えている。最近ではパーツメーカー協賛のもとで学生が製作するカスタムカーなども多く発表されており、更なる展開にも期待したい。

written by ダーワ教授