スマート フォーツー

"スマート フォーツー" とは?

スマート フォーツー

 腕時計のスウォッチとメルセデス・ベンツの提携によって発足したスマートが最初に開発したモデルがフォーツー。デビューした当初は単にスマートとだけ呼ばれていたが、後に4ドア車のフォーフォーが投入されるのに対応してフォーツーの名前が与えられた。その名前が示すように、2ドア/2シーターのシティコミューターだ。

独特のエクステリアデザインが個性的

 個性的なデザインが与えられたクーペボディの外観は、2.5mほどの短い全長と高めの全高を持つ独特のパッケージングを端的に表現したもの。

スマート フォーツー
街中でも目立つこと間違いなしのスタイリング。絶対的なサイズも珍しいし、デザインも魅力的だ。
スマート フォーツー
色分けされたリアフェンダーなどが強烈な個性をアピールする。小さくても存在感は抜群!
スマート フォーツー
メルセデスの影響か、似たイメージのヘッドランプを装備。とても可愛らしいイメージだ。
スマート フォーツー
視認性とデザイン性をうめく両立されたリアコンビネーションランプ。リアスタイルのアクセントになっている。
スマート フォーツー
このボディサイズで15インチのタイアを装着しているので、踏ん張り感の効いたコミカルなイメージを醸し出している。

エクステリアにひけをとらないインテリア

 インテリア回りにも丸をモチーフにした個性的なデザインが採用されており、ほかのどのクルマにも似ていないのが良い。全長が短いだけにさすがに室内空間は狭いのだが、一人当たりの空間で考えるとそこそこの広さが確保されている。

スマート フォーツー
エクステリアで受けたイメージを裏切らないインテリア。びっくりするほど個性的だが、実用性もよく考えられている。
スマート フォーツー
大型サイズで見やすいスピードメーターは実にシンプル。町乗りのクルマとして最適な設計だ。
スマート フォーツー
センターにも可愛い計器類が装備される。遊び心の効いていて嬉しいが、意外に見やすいのもポイント。
スマート フォーツー
"for two" というだけあって、2人乗りに特化した設計。その割り切りがうまく作用し、広々とした快適な空間を実現している。シートもヨーロッパ車らしく、サポート性に優れた上等なものだ。
スマート フォーツー
シートを畳んだりして、自在に使い倒すことも出来る。遊び心が表れているのは決して外見だけでなく、こんなところにも現れている。

1グレードに集約され、エンジンもワンタイプ

スマート フォーツー

 スマートクーペにはかつて日本の軽自動車規格に収まる排気量と全幅のモデルも設定されていたが、今では直列3気筒700ccのインタークーラー付きターボエンジンを搭載するモデルだけに絞られている。ボディはクーペのほかにカブリオの設定もある。

 45kW/95N・mの動力性能は日本の軽自動車に比べるとやや劣るが、700kg台の軽量ボディに対しては十分すぎるともいえる実力。組み合わされる6速マニュアルモード付きのATは、ATモードで走らせたときの変速時に一瞬トルクが抜ける感じになるのが難点。このクルマを滑らかに走らせるにはアクセルワークに慣れが必要だ。

シティコミューターに特化した走行性能

 足回りはちょっと硬めのチューニングで、短いホイールベースによって跳ねるような感じになりがち。高速道路などではピッチングが大きくて疲れるが、そもそも高速道路走るためのクルマではない。市街地を中心に走るための手頃なコミューターといえる。

スマート フォーツー
スマート フォーツー
スマート フォーツー

●まとめ

 買った後の維持費の安い軽自動車仕様のモデルがなくなったのが残念だが、際立つデザインとアイデアのクルマとして評価できる。

代表グレード
for two
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高)
2540×1515×1550mm
車両重量[kg]
770kg
総排気量[cc]
698cc
最高出力[ps(kw)/rpm]
61ps(44.87kw)/5250rpm
最大トルク[kg-m(N・m)/rpm]
9.7kg・m(95.12N・m)/2000rpm
ミッション
6速セミAT
10・15モード燃焼[km/l]
19.2km/l
定員[人]
2人
税込価格[万円]
154.3万円
レポート
松下 宏
写真
佐藤 靖彦