「車の画像をあしらったジャケットにハズレなし!」——これ、私が音源購入の際心がけている座右の銘です。他にも、ヌードジャケやら子供ジャケやら、当たりの多いジャケット・アートワークはいろいろとあるのですが、とにかく車モノは、ジャンル問わずかなりの高打率をマークしています。論より証拠、さっそく実例を挙げてみましょう。私が長年愛して止まない、車ジャケ名盤を紹介させていただきます。まずは60年代、70年代のアメリカものから。

1枚目は、キャロル・キングやダニー・クーチマー、チャールズ・ラーキーというアメリカン・ポップスの立役者が在籍したことで知られる伝説のグループ、ザ・シティの『Now That Everything's Been Said』(68年)。草木生い茂る原っぱ、スクラップ同然のポンコツ車、車をバックに佇むメンバー3人・・・それらのかもし出す雰囲気はどこかノスタルジックで寂しげ。ジャケだけで名盤の匂いがぷんぷん。これだけでどんぶり飯3杯はいけちゃいますね。もちろん音ももの凄く素晴らしい仕上がり。適度にイナたく、適度に洗練された、古き良きアメリカン・ポップスのエッセンスが詰まった大傑作です。

イート・ア・ピーチ
オールマン・ブラザーズ・バンド
ユニバーサルインターナショナル (2005/02/23)

お次は、サザン・ロックの雄、オールマン・ブラザーズ・バンの大ヒット・アルバム『Eat A Peach』(72年)。何ともアメリカ的でコミカルなジャケットだが、同作は、メンバー2人を交通事故で相次いで亡くすという悲劇を乗り越えて制作された、渾身の一枚。究極のどん底の状態でありながらも、常にポジティヴであろうするメンバーの気合が一音一音にあふれています。個人的にも、名盤揃いのオールマンの中でも特に好みのアルバム。全体から漂う、レイドバック感や開放感が心に大きな安らぎを与えてくれます。

ナウ・アンド・ゼン
カーペンターズ
ユニバーサルインターナショナル (2005/09/21)

あと、カーペンターズの『Now & Then』(73年)も忘れてはなりませんね。赤い車に青い空・・・何ともチープな絵柄が印象的。消費財としてもポップ・ミュージックを意識してのことでしょうか。ただし、クオリティは群を抜いています。全曲がシングルカットOK!なほどのキャッチーぶり。今までベストしか聴いたことなかった人にこそにお勧めしたい逸品です。
他にもいっぱいあります。さっきラックを漁ってたら、出るわ出るわ…。とにもかくにも、車ものは“即買い”ということで。