搭載エンジンは直列4気筒2.0Lの直噴エンジンで、150psの自然吸気仕様と200psのターボ仕様の2機種が用意されている。ともにゴルフに搭載されているのと同じエンジンだ。
試乗したのはターボ仕様のエンジンを搭載した2.0Tだが、これが極めて気持ちの良い走りを実現する。余裕十分の圧倒的な動力性能と、それ発生するのに至る加速フィールが最高に気持ち良いからだ。
まずはエンジンの吹き上がりだが、これが素晴らしいターボエンジンとは思えないくらいにタコメーターの針が跳ね上がり、レッドゾーンに飛び込んで7000回転の手前くらいまで一直線に回る。それに合わせてターボパワーが豪快な盛り上がりを見せ、気持ちの良い加速フィールを味わわせてくれる。ターボ車にありがちな段付きのある加速ではなく、滑らかに加速が伸びていくのが良い。
トランスミッションは2ペダルのマニュアル車ともいえるDSG。6速のギアによって加速が伸びていくので、とても気持ち良く走れるのだ。シフトレバーによってマニュアル操作が可能なほか、ステアリングの裏側に設けられたパドルによってハンドルから手を離すことなく操作できるのも良い。そのレスポンスも実に俊敏なものだ。現時点では最も進んだトランスミッションといえる。
強いて言えば、左足ハンドルを許容しない設定になっているのが難点だが、全体的な走りの気持ち良さを考えたら、これも大した問題ではないように思えてくる。
さらにコーナーでのロールを抑えた安定感の高いサスペンションやしっかりしたボディによる安心感、手応え十分のステアリングフィールなどなど、ジェッタの走りの気持ち良さはとても書き切れないくらいだ。
ジェッタは価格設定も大きな魅力である。2.0Tの価格が359万円に設定されており、ほぼ同時期にデビューしたB200ターボと比べても40万円くらい安い。ジェッタが独立したトランクを持つセダンであることを含めて考えると、ますます割安な印象になる。もちろんCクラスや3シリーズ、A4などと比べても相当に割安なのはいうまでもない。走りの気持ち良さと合わせて、極めて魅力的なクルマといえる。