輸入車市場の最も熱いところへ参戦!
フランス・プジョー社の日本法人、プジョージャポンは、同社ミディアムクラス「406」シリーズの後継モデルとなる「407」と、そのステーションワゴン版である「407SW」を発表した。
近年、日本で急速に販売台数を伸ばしてきているプジョー。その原動力となったのは、主に200〜300万円前後の価格帯で売られるコンパクトハッチ、206シリーズと307シリーズである。今後、さらなるシェア拡大と利益率の向上を狙うべく、より高級な407シリーズを投入したというワケだ。
プジョーの説明によれば、日本の輸入車市場全体の中で、実に約34パーセントのクルマが400万円以上の高級車なのだという。景気の回復を実感する傾向だが、その中でも特に活況を呈しているのがM2セグメントと呼ばれるカテゴリなのだ。現在のところ、この豊かなマーケットを占拠しているのはBMW3シリーズ、メルセデスCクラス、アウディA4などの主にドイツ勢である。今回、新型のプジョー407及び407SWの投入で、プジョーもこの戦列に加わりたいとしている。
イメージは「猫科の野獣」
写真を見て頂いて分かるように、何と言っても目をひくのがその大胆なスタイリングにあるだろう。
「猫科の野獣(Feline)」をイメージしたというツリ目のヘッドランプと大きく広げられたフロントバンパー開口部で構成される、アグレッシブなフロントマスクの迫力にはとにかく圧倒させられる。先代406シリーズが非常にエレガントな印象なのに比べると、随分と違って見えるものだ。
違って見えることの原因は、他に車体寸法の拡大にも因るところがあるだろう。実際、先代406シリーズに比べ、全体に一回り大きいボディサイズになった。例えばセダン同士で比べると車幅で60mm、全高で30mm、全長では85mmもの延長が図られているのだ。そのおかげで、室内空間の余裕も随分と向上したほか、荷室空間の改善も実現している。
ワイドバリエーションでライバルに立ち向かう
さて、プジョー407シリーズの大きな特長は、バリエーションの豊富さにも現れている。
セダン、ワゴン各4つのモデルバリエーション、2.2リッター 4速ATとV6 3リッター 6速ATの2つから成るエンジンバリエーション、そして全11色のボディカラーに全4色から選べるインテリアカラーと、非常に多種多彩な展開となっている。高級車にとってこういったコダワリはとても重要なことだ。さすがに一部は受注生産モデルとなるようだが、せっかくの高い買い物だからここはぜひじっくりこだわって、自分だけの組み合わせを選んでみて欲しいところだ。
また、ライバルに比べ非常に意欲的な装備設定にしたところも注目したい。ステアリングコラムエアバッグをはじめとする、実に9つのエアバッグを全車種に標準装備としたほか、何と、日本車でも装着車がまだまだ少ないHDD(ハードディスクタイプ)ナビゲーションシステムを全車標準装備としたのだ。しかも、そのモニタを日本専用設計としたインパネの上部に配置して、使い勝手をより向上させているところも、407への強いコダワリを感じさせる。その他、高級車として欲しい装備はほとんど揃っていると思ってよい。それでいてベーシックな2.2STで360万円からと、随分戦略的な価格設定としているあたり、我々にとってはうれしい限りだ。
発売は6月11日から。プジョージャポンでは05年の間にこの407シリーズを日本市場で約2000台売リたいとしている。一味違った高級車を探しているのなら、検討リストに加えてみてはいかがだろう。