そこそこロールはするものの安定感は高い。

ボディが1,000?を切っているということもあり、軽快感ある走りが楽しめる。

1.2リッターで60psを発揮するエンジン。5,000回転がレヴリミットということからも分かる通り実用性重視。

ATモード付の5速マニュアルミッション。積極的に使えば、ATとはひと味違うキビキビとした走りが楽しめる。

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軽量ボディが効く! 軽快感ある走り

搭載エンジンは直列4気筒1200ccのSOHC。パワー&トルクは44kw/102N・mだから、日本の軽自動車とそう変わらない実力だ。動力性能的には大したことがないともいえるが、パンダのボディは1000kgを切るような軽いもの。十分にボディに見合った性能といえるだろう。組み合わされるトランスミッションはデュアロジックと呼ぶATモード付き5速シーケンシャルMTで、ヨーロッパの小型車に多く採用されているもの。ATモードでの変速時にトルクが抜ける感じになるのがやや難点ともいえるが、オーナーになって慣れればけっこうスムーズに走らせることができる。ただ、パンダの場合にはATモードは渋滞時用と割り切り、通常は積極的にマニュアル操作して走りたい。それがパンダらしい走りになる。
足回りはやや柔らかめの印象で乗り心地は悪くない。アイポイントが高い分だけロール感は出るものの、コーナーでの安定性にも不満はない。パワーステアリングは電動式でデュアルモードタイプ。通常は十分な手応えがあり、シティボタンを押せば、車庫入れのときに便利な軽い操舵力となる。
パンダの価格は157万3950円で、パンダ・プラスが169万9950円。どちらかといえばパンダ・プラスのほうが買い得な印象だが、タワーパーキングを使う機会の多い人には選びにくい。またパンダの価格は国産の小型車とは比較にならない水準だが、ヨーロッパのライバル車に比べたら十分な競争力がある。国産車にはない独特の個性を持つイタリア車を買う価格として納得モノといえる。

代表グレード
パンダ-plus
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高)
3535×1590×1570
車両重量[kg]
960
総排気量[cc]
1240
最高出力[ps(kw)/rpm]
60(44)/5,000
最大トルク[kg-m(N・m)/rpm]
10.4(102)/2,500
ミッション
ATモード付シーケンシャルトランスミッション
定員[人]
4
税込価格[万円]
169.995
発売日
2004年7月31日
レポート
松下 宏
写真
菊池一仁
取材協力
フィアットオートジャパン
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