中古車の購入前に知っておくべきSJ型/SK型スバル フォレスターの特徴とおすすめグレード
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(株)コリズム CORISM代表取締役/編集長
「日本カー・オブ・ザ・イヤー」実行委員
- 略歴
一般社団法人 日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員。
自動車専門誌編集長を経て、2011年に自動車情報専門サイト「CORISM」を立ち上げ。自動車メディア経験は30年以上。年間約50台のクルマに試乗し、評価している。
SJ型/SK型スバル フォレスターについて
SJ型/SK型スバルフォレスターは、ぞれぞれ4代目と5代目に当たります。
スバルフォレスターは、高い走破性と快適性、安全性にも優れたSUVで、長きに渡り、アウトドアやファミリー向けの車として広く支持されてきました。
この記事では、中古車でのフォレスター購入を検討している人向けに、4代目(SJ型)と5代目(SK型)にポイントを絞って紹介していきます。
SJ型スバル フォレスターの特徴

4代目にあたるSJ型フォレスターは、2012~2018年まで販売されました。
外観はSUVらしい力強い存在感を持たせながら、空力性能や機能性を考慮したデザインとなっています。
インテリアは、水平基調のインストルメントパネルを採用し、開放感と上質感が表現されています。
4代目にあたるSJ型フォレスターは、2012~2018年まで販売されました。
外観はSUVらしい力強い存在感を持たせながら、空力性能や機能性を考慮したデザインとなっています。インテリアは、水平基調のインストルメントパネルを採用し、開放感と上質感が表現されています。
ボディやシャシーの要所に剛性向上を施すことで、ハンドリング性能をはじめ、乗り心地、静粛性が大幅に向上しています。
さらに、ターボエンジンモデルは、専用のサスペンションチューニングを施すなど、高速域での走行時の快適性を高めています。
搭載しているエンジンは、新世代のFB20型2L水平対向4気筒DOHCガソリンエンジンとツインスクロール式ターボチャージャーを採用したFA20型2L水平対向4気筒ガソリンターボの2種類です。
組み合わされるトランスミッションは、DOHCガソリンエンジンには新リニアトロニックと呼ばれるCVT。ターボエンジンには高トルク対応のCVTが採用されています。
自然吸気車、ターボ車とにも走行状況に応じて、走行モードを切り替え得られるSI-DRIVEを採用。自然吸気車はインテリジェントとスポーツの2つのモードがあります。ターボ車はスポーツ♯を加えた3つのモードを選択可能です。
また、SJ型フォレスターは、エンジン、トランスミッション、車両姿勢制御のVDCなどを最適に統合制御し、悪路走破性を高めるAWDシステム「X-MODE」を搭載しています。
さらに、急な下り坂でも同じ車速をキープして走行可能なヒルディセントコントロール制御も搭載しています。
安全装備では、運転支援システム「アイサイトver.2」を設定するなど高い安全性能を実現しています。
一部改良の歴史
※1 シャークフィンアンテナ:小型のカーラジオアンテナのこと。 小型で厚みがないため、エアロパーツとしての役割も担う。
※2 アドバンスセイフティパッケージ:安全性能を強化する先進機能をパッケージ化
SJ型スバル フォレスターのグレード解説
デビュー当初SJ型フォレスターのグレード構成は、2つ設定されていました。
自然吸気エンジンを搭載する2.0iとターボエンジンを搭載する2.0XTです。
2.0iは装備内容によって2.0i、i-L、i-Sの3タイプが用意され、i-Sは運転支援機能のアイサイトが標準装備だった。その一方で、2.0i、i-L、はCVTに加えて、6速MTが選択可能でした。
2.0iはアイサイトが未設定だが、2.0i-Lと2.0XTはアイサイトの有無が選べたのです。
2013年12月に特別仕様車「X-ブレイク」を設定。2.0i-Lアイサイトをベースに、撥水加工の施されたシートやカーゴフロアボードを採用しアウトドアテイストを強めたグレードです。
2014年11月の一部改良では、SリミテッドとtS2台の特別仕様車が設定されました。Sリミテッドは、ターボ車の外観を自然吸気車に採用したモデル。tSはSTIが手掛けた、走行性能を全方位で向上させたコンプリートカーです。
2016年にはSリミテッドと2.0XTにブラウンレザーセレクション、2.0i-Lアイサイトをベースとしたスタイルモダン。2017年にはSリミテッドと2.0XTにスマートエディションなど様々な特別仕様車が設定されました。
SJ型スバル フォレスター中古車の注意ポイント
中古車を購入するのに気を付けたいポイントに、リコール情報や改良、安全装備などがあります。
SJ型フォレスターにもリコールの届出があります。リアコイルスプリングをはじめ、エンジンのブローバイガス還元装置、排気管、舵取り装置のステアリングギアボックスなど様々報告されているので、対応済みかどうか確認したいところです。
SJ型フォレスターは、2015年に大幅改良を行い、内外装の変更に加えて、運転支援システムのアイサイトver.2からver.3へと進化させています。さらに、高度な運転支援機能をパッケージ化したアドバンスドセイフティパッケージが設定されています。
国産メーカーの運転支援システムの中で、トップレベルの性能を誇っているが、できるだけ新しいシステムのほうが機能性、信頼性もアップしています。したがってSJ型フォレスターの中古車を購入する場合は、2015年の大幅改良後のモデルを積極的に狙うのがオススメです。
特別仕様車として、アウトドアテイストを強調したXブレイク、ワークスブランドが手掛けたtSをはじめ、自然吸気エンジン搭載車の外観をターボ車ルックに仕上げたSリミテッド。2.0i-L アイサイトをベースに装備を充実させたプラウドエディション、スタイルモダンなどが設定されています。
SJ型スバル フォレスターの年式とグレードと中古車相場
SJ型フォレスター中古車のおすすめグレードは、2015年の大幅改良後のXTアイサイトです。機能が大幅に進化したアイサイトver.3を搭載しています。
最高出力280psを発生するパワフルなターボエンジンで、どんな路面状況でも国産ミドルSUVの中で屈指の高いパフォーマンスを発揮します。
装備面でもヒーター機能付運転席&助手席パワーシートをはじめ、運転支援機能のアドバンスドセイフティパッケージ、アクティブトルクベクタリング機能を標準装備しています。
新車時価格は312万8760円でしたが、中古車相場のボリュームゾーンは、約130~170万円と新車時の半額以下でも手に入るようになっています。中古車の多くが純正ナビを標準装備しているので、バリューはさらに高まります。
オプション装備だった、ハーマンカードン製の高級オーディオや本革シート、サンルーフを装着している車は即購入することを決めても良いほどの稀少車です。走行距離は4~10万kmほどと幅広い。ターボエンジン搭載車なので、メンテナンスの頻度を重視して選ぶと良いでしょう。
SJ型スバル フォレスターの安さ重視のお勧め年式とグレードと中古車相場
中古車のSJ型フォレスター全体でのオススメモデルでは予算が200万円程となってしまいますが、ここでは予算100万円以下、200万円以下の場合のおすすめモデルについて紹介します。
予算100万円以下のおすすめモデル
※中古車相場は2024年3月調べ
予算100万円以下でSJ型フォレスターの中古車を探す場合、オススメするのは2015年のマイナーチェンジ前の、アイサイトver.2を搭載した前期モデルです。
最新モデルと比べると装備や性能に物足りない部分もありますが、基本性能はしっかりしているので安心度は高いと言えます。
おすすめのグレードはアウトドアテイストを強めたX-ブレイクです。
2.0i-Lアイサイトをベースに、撥水ファブリックシートや撥水カーゴフロアボードを採用することで、アウトドアでの使い勝手を一段と高めているグレードになります。
さらに専用の17インチアルミホイールやルーフレールを装備することで、逞しさが強調されています。
2014年式の2.0X-ブレイクの中古車相場のボリュームゾーンは、約80~110万円。新車時価格は約260万円だったので、3分の1程度で手に入れられるようになっている。流通している車の多くに純正ナビが装着されているため利便性も高い。
走行距離は、5万~9万kmと幅広く、ワインレッドやブルーグレーといたボディカラーが割安になっている。
予算150万円以下のおすすめモデル
※中古車相場は2024年3月調べ
予算150万円以下から選択するなら、アイサイトver.3を搭載した2015年の大幅改良後モデルで、おすすめのグレードはSリミテッドです。
これは自然吸気エンジンを搭載していますが、外観はターボ車のXTのパーツを装着し、スポーティ感を向上させたモデル。
18インチアルミホイールをはじめ、キーレスアクセス&プッシュスタートシステム、ファブリック&合成皮革のコンビシート、運転席&助手席パワーシートを標準装備するなど装備も充実しています。
新車時価格は282万9600円だったのですが、中古車相場のボリュームゾーンは、約120~150万円と半額程度で手に入れられるようになっています。
Xモードと採用し、高い悪路走破性を確保し、スポーティな外観のSリミテッドは自然吸気エンジン搭載車の最上級モデルです。そのため、純正ナビや電動リアゲートとったオプションの装着率も高く、中古での購入はお買い得と言えます。
走行距離は5万~10万kmと幅広いので、メンテナンス頻度と消耗品の交換の履歴はしっかり確認したい。
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SK型スバル フォレスターの特徴

5代目にあたるSK型フォレスターは、2018年から2024年5月現在販売されているモデルです。
スバルグローバルプラットフォーム(SGP)と呼ばれる新世代プラットフォームを採用することにより、クラストップレベルの衝突安全性能・危険回避性能を備えています。
加えて、ドライバーの意志に忠実なハンドリングと快適な乗り心地を実現しているのが特徴です。
スバル車共通のデザインフィロソフィー“DYNAMIC x SOLID”に基づき、SUVらしい存在感、力強さ、機能性を表現しています。
外観は、SUVらしいたくましさや躍動感、豊かな荷室空間や機能性の高さを、モダンキュービックフォルムが特徴。インテリアは、インストルメントパネルとコンソールを連続させることで、SUVらしい力強さに加えゆとりと開放感があります。
デビュー当初、SK型フォレスターに。搭載されているパワートレインは、FB25型2.5L水平対向4気筒DOHCガソリンエンジン+CVTです。ツーリング、Xブレーク、プレミアムに搭載されています。
2018年9月に追加されたアドバンスにはFB20型2L水平対向4気筒DOHCガソリンエンジンにモーターを組み合わせたマイルドハイブリッドシステム“e-BOXER”を搭載しています。
駆動方式は、AWDのメリットを最大限に引き出すことができるアクティブトルクスプリットAWDを全車標準装備。リアルタイム制御により4つのタイヤに最適なトルクが配分されており、優れた悪路走破性を発揮します。
さらに、エンジン、トランスミッション、ブレーキ等をコントロールするX-MODEにより、悪路走破性を向上。また路面状況に合わせて2つのモードを簡単に切り替えられるスイッチが設定されています。
運転支援機能は、アイサイトver.3に加えてアイサイト・ツーリングアシストが全車標準装備されました。全車速追従機能付クルーズコントロールに加え、車線中央維持機能と先行車追従操舵機能をフォレスターとして初採用し、全車速域でハンドル、アクセル、ブレーキを自動制御して運転支援を行います。
マルチファンクションディスプレイのバイザー部に設置した専用カメラがドライバーをモニタリングし、安全な走行をサポートするドライバーモニタリングシステムを採用。ドライバーの居眠りやわき見を推定した場合は、メーターやマルチファンクションディスプレイへの警告表示と警報音で、注意喚起を促します。
一部・大幅改良の歴史
※1 E-BOXER:2Lマイルドハイブリッドシステム
※2 e-アクティブシフトコントロール:スポーティーな走りをサポートするモーターアシストの新制御
※3 新世代アイサイト:ステレオカメラの広角化やソフトウェアを改良
※4 後退時ブレーキアシスト:後退時にソナーセンサーが障害物を検知、衝突回避または被害を軽減する機能
※5 障害物を検知した際の警報の鳴るタイミングが早められた
SK型スバル フォレスターのグレード解説
SK型フォレスターのグレード構成は、デビュー当初、2.5Lエンジンを搭載したツーリング、X-ブレイク、プレミアム。
そして2Lマイルドハイブリッドを搭載したアドバンスの4グレードでした。
2020年にはプレミアムをベースにした特別仕様車のXエディションが設定されました。ダークメッキ加工のフロントグリルやガンメタリック塗装のアルミホイールを採用し、タフギア感を強調しています。
2020年の一部改良で、1.8Lターボエンジンを搭載したスポーツが登場。プレミアムが廃止となり、ツーリング、Xブレイクは2Lマイルドハイブリッドに変更されました。
2022年にSTI Sportが追加。このグレードは、STIがチューニングしたダンパーに加えて、フロントバンパーに、周波数応答型ダンパーを採用し、タイヤの接地性を向上させ走行性能に磨きを掛けています。
2022年12月には、スポーツをベースとした特別仕様車のXTエディションが設定されました。2023年には、ツーリングをベースとしたXエディションを設定しています。
SK型スバル フォレスター中古車の注意ポイント
中古車を購入する際に注目して欲しいポイントは、リコール情報やモデル別の性能差などです。
SK型フォレスターにもリコール情報があります。フロントドライブシャフトの不良や、排気ガス再循環装置、ウォーターポンプなどが報告されています。いずれも走行に影響を及ぼす部位なので、対策済かどうかはしっかりと確認したいところです。
2021年にSK型フォレスターは大幅改良が実施されました。内外装の変更に加えて、運転支援システムのアイサイトは、広角化したステレオカメラとソフトウェア性能を向上させた新世代アイサイトに変更されています。
この大幅改良を行った2021年と、1.8Lターボエンジンを追加した2020年、スポーティモデルのSTIスポーツの追加した2022年はSK型フォレスターにとってポイントとなる年です。
新世代アイサイトを搭載した後期型フォレスターの登場により、大幅改良前のモデルが割安となっているので、SK型フォレスターの中古車の狙い目は前期型となります。
一般的には運転支援システムは、年式が新しいほうが良いのですが、スバルの運転支援システム、アイサイトは前期型でも信頼性が高いので充分満足できるはずです。
前期モデルの搭載しているパワートレインは、2.5Lガソリンエンジンとe-BOXERと呼ばれる2Lマイルドハイブリッドシステムの2種類ですが、燃費性能や税金面を考えるとe-BOXERを選ぶのがおすすめです。
SK型スバル フォレスターの年式とグレードと中古車相場
SK型スバル フォレスターの中古でおすすめするなら、満足できる運転支援機能を搭載する前期型の『アドバンス』です。
安全装備は、運転支援システムのアイサイトver.3に加えてアイサイト・ツーリングアシストを全車標準装備しています。
さらにおすすめグレードのアドバンスは、乗員認識技術のドライバーモニタリングシステムが採用されました。
このシステムは、最大5人まで登録可能なドライバーの顔を認識し、シートポジションや空調設定、ドアミラーなどを設定。さらに眠気や前方不注意を検知して警告し、ドライバーに休憩を促すというものです。
アドバンスは2Lエンジンのマイルドハイブリッドシステムe-BOXERを搭載し、スムーズな走りと部分的にモーターのみの走行が可能となっています。
大幅改良前のSK型フォレスターの中古車は、多くがこのアドバンスとなっており、非常に探しやすい状態です。中古車のボリュームゾーンは、約210万~250万円ですが、200万円以下の中古車も出回っており、バリュー感が高くなっています。
SK型スバル フォレスターの安さ重視のお勧め年式とグレードと中古車相場
ここでは、SK型フォレスター中古車の予算200万円以下、250万円以下の場合のおすすめモデルについて紹介します。
予算200万円以下のおすすめモデル
※中古車相場は2024年3月調べ
2021年に大幅改良を行ったことでSK型フォレスター前期型の中古車価格は順調に下がっています。その結果、グレードによっては100万円台で購入できるようになっています。
予算200万円以下でSK型フォレスターの中古車を購入する際におすすめのグレードは、2.5Lエンジンを搭載した2.5X-ブレイクです。
新車時価格約300万円の2.5X-ブレイクですが、2018年式の中古車価格のボリュームゾーンは、約160~190万円と200万円を切っています。今後200万円を切る車も増えてくると思うので、このX-ブレイクを中心に探すと良いと思います。
X-ブレイクはシートやラゲッジルームに撥水加工を施したアウトドアを強調したモデルです。ペットと一緒に出掛けるユーザーにもおすすめです。
走行距離は5万~10万kmとかなり幅があるので、メンテンナンスの頻度も重視したい。電動リアゲートを標準装備し、純正ナビなどの装着率が高いので、バリュー感は相当高く感じられると思います。
予算250万円以下のおすすめモデル
※中古車相場は2024年3月調べ
予算250万円以下ならば、2.5 Lエンジン車だけでなく、マイルドハイブリッドを搭載したアドバンスも圏内となります。
そこでおすすめしたいのは、2.5プレミアムです。プレミアムは、前席パワーシートや18インチアルミホイールなどを標準装備したグレードです。
新車時時価格は302万4000円だったが、現在の中古車相場のボリュームゾーンは、約200~240万円と60%程度で手に入るようになっています。
オプションの純正ナビや電動リアゲートなどを装着している車が多くバリュー感は高くなります。走行距離は2万~8万kmと幅が広く、5万kmを超える車はメンテナンスの頻度をしっかりと確認したいところです。
スバル独自のシンメトリカルAWDとX-MODEによって国内販売されているスバル車の中で高い走行安定性を誇るSK型フォレスター。急な雨など滑りやすい路面でも安心して走行可能で心強いパートナーとなってくれます。
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