中古車購入ってどう?RU型/RV型ホンダヴェゼルの特徴とおすすめモデル
目次

(株)コリズム CORISM代表取締役/編集長
「日本カー・オブ・ザ・イヤー」実行委員
- 略歴
一般社団法人 日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員。
自動車専門誌編集長を経て、2011年に自動車情報専門サイト「CORISM」を立ち上げ。自動車メディア経験は30年以上。年間約50台のクルマに試乗し、評価している。
RU型/RV型 ホンダヴェゼルについて
ホンダヴェゼルは、2021年のフルモデルチェンジの前後で、初代(RU型)と2代目(RV型)に分けられます。
ここではRU型とRV型、それぞれ詳しく紹介していくので参考にしてみてください。
RU型ホンダ ヴェゼルの特徴

初代モデルのRU型ヴェゼルは、2013〜2021年まで販売されたコンパクトSUVです。
外観デザインは、SUVの力強さとクーペのあでやかさを上品に磨き上げています。
ホンダ独自の「センタータンクレイアウト」を採用したインテリアは、クーペのパーソナル感とミニバンの快適性を高次元で融合しているのが特徴です。
全長約4,300mmというサイズながら、大人5人がくつろげる広さと404Lのラゲッジ容量を確保できます。さらにリアシートは6:4分割可倒機能に加えて、座面が畳めるチップアップ機能も採用し、多彩なシートアレンジが可能になっています。
デビュー当初、RU型ヴェゼルの搭載しているパワートレインは、L15B型1.5L直4ガソリンエンジンとLEB型1.5 Lエンジン+1モーターのハイブリッドシステムの2種類でした。ハイブリッドシステムは2Lエンジン並のハイパワーを発揮しながら、燃費性能はJC08モードで27.0km/Lを実現しました。
1.5Lガソリン車に加えて、ハイブリッド車にも4WDが用意されました。電子制御によって後輪の駆動力を緻密かつ素早くコントロールするリアルタイムAWDを搭載し、優れた走破性と燃費性能を両立しています。
スイッチを軽く引き上げるだけで作動する電子制御パーキングブレーキを全タイプに標準装備。さらに、スイッチを押してシステムを作動させると、信号待ちや渋滞などで停止した際、ブレーキペダルを放しても自動的に停車状態をキープするオートブレーキホールド機能を全タイプに標準装備しています。
改良とマイナーチェンジの歴史
※LKAS(車線維持支援システム):車線の中央に沿った走行をアシストするステアリング制御
※ACC(アダプティブクルーズコントロール):アクセルペダルから足を離しても前走車との車間距離を適切に保つ
※アジャイルハンドリングアシスト:コーナリング時にスムーズに、狙い通りの走行ラインをトレースしやすくする旋回支援システム
RU型ヴェゼルのグレード解説
RU型ヴェゼルのデビュー当時のグレード構成は、下記の通りでした。
エントリーグレードのGとハイブリッドは快適装備が充実しているとは言い難いため、積極的におすすめするには少々物足りなさを感じるグレードです。
2015年にはガソリン車の売れ筋グレードのGに4WD車を追加し、選択肢が拡大しました。またハイブリッドZ 2WD車とハイブリッドX 4WDをベースとした特別仕様車のスタイルエディションが設定されました。
2016年にはガソリン車のGとハイブリッド車のベースグレードを除く全グレードにホンダセンシングを設定。また2WD車にRS、ハイブリッドRSとハイブリッドZに4WD車が追加されています。
2017年にはハイブリッドXホンダセンシングをベースとした特別仕様車の「ブリリアントスタイルエディション」が設定されました。
2019年1月には、1.5Lターボエンジンを搭載するツーリングホンダセンシング。そして11月には、コンプリートカーのツーリングモデューロXとハイブリッドモデューロXが追加されています。
RU型ホンダ ヴェゼル中古車の注意ポイント
中古車で知っておいた方が良いのは、リコール情報とマイナーチェンジなどの改良前後の変化です。
RU型ヴェゼルでは、2014年に動力伝達装置(エンジン制御ユニット)の不具合があり、それ以外にもリコール情報が複数回あります。
ハイブリッド車の7速DCTでは、速ギアがかみ合わないために、発進不良(発進までに時間がかかる、発進しない等)、坂道でのずり下がり、加速不良(エンジンの吹け上がり)が発生したり、急に1速がかみ合うために、意図しない急発進等をする場合があるとのこと。中古車の購入時には、欲しい車がリコール対象車だったかどうか、対象だった場合に修理済なのかどうかの確認は必須です。
2018年の内外装を変更したマイナーチェンジも要チェックですが、同じくらい重要なのが、2016年の一部改良です。
新グレードのRSを追加したのに加えて、運転支援システム「ホンダセンシング」を採用。ガソリン車のGとハイブリッドのスタンダードグレード以外には標準装備されています。
このホンダセンシングの有無は車の価値に大きく影響するだけではありません。過信は禁物ですが、事故発生の芽を未然に防いでくれることもあり、ドライバーの負担軽減にも一役買っています。
RU型ヴェゼルの中古車を購入する際には、運転支援システムのホンダセンシング装着車を狙いたいところです。車名にホンダセンシングと書かれているのが装着グレードなので分かりやすいと思います。
グレード構成は価格順にガソリン車はG、X、RS。ハイブリッド車はハイブリッド、ハイブリッドX、ハイブリッドRS、ハイブリッドZとなっています。
駆動方式はスポーティグレードのRSは2WD(FF)のみで、それ以外は2WDと4WDを用意しています。モデル末期には、1.5Lターボエンジンを搭載したツーリングを設定。このツーリングも駆動方式は2WDのみです。
特別仕様車はハイブリッド車にのみ、スタイルエディションとブリリアントスタイルエディションが設定されています。
RU型ホンダ ヴェゼルの年式とグレードと中古車相場
RU型ヴェゼルの中古車を購入する際、ホンダセンシングは外すことのできない条件です。初期モデルの非搭載車の中古車相場は搭載車より安くなっているのですが、購入後の満足度が低い傾向があります。
2016年以降の、ホンダセンシングを搭載した車を選ぶのが良いでしょう。RU型ヴェゼルの中古車でおすすめのグレードは、ハイブリッドZです。このグレードの2WD車には、ブラック&ブラウンの専用インテリアとコンビシートをはじめ、ラゲッジルームの目隠しとなるラゲッジルームハードボード、17インチアルミホイール、運転席&助手席シートヒーター。そして走行性能を向上させるパフォーマンスダンパーが標準装備されています。
中古車相場のボリュームゾーンは、約120〜160万円です。新車時価格が267万円なので、約50%ほどの価格で手に入れることができます。流通台数も豊富で、走行距離も2万km台の車も存在しており、最上級グレードらしく、ほとんどの車に純正ナビが装着されている点もポイントです。ボディカラーも多彩なカラーが流通していて自分の好みに合わせて選ぶことができます。
RU型ホンダ ヴェゼルの予算別のお勧め年式とグレード・中古車相場
ホンダセンシングの搭載を重視しながら、予算別(150万以下、250万以下)でのおすすめをご紹介します。
予算150万円以下のおすすめモデル
※中古車相場は2024年3月調べ
予算150万円でRU型ヴェゼルの中古車を探す場合でも、運転支援機能のホンダセンシングの有無は大事なポイントなので、2016年以降の年式で探すと良いでしょう。
比較すると、1.5Lガソリン車とハイブリッド車に価格差があまりないことが分かります。
そこで積極的に選びたいのはハイブリッド車で、できれば売れ筋グレードのハイブリッドXを狙うのがオススメです。中古車相場のボリュームゾーンは約120〜140万円と幅はあるものの、2016〜2017年式では150万円以下の車が非常に多くなります。
オートエアコンをはじめ、16インチアルミホイール、本革巻きステアリングなど快適装備も充実している年式です。
予算250万円以下のおすすめモデル
※中古車相場は2024年3月調べ
予算250万円でRU型ヴェゼルの中古車を探す場合でオススメなのが、2019年に追加されたツーリングホンダセンシングです。
ツーリングホンダセンシングは、L15B型1.5Lガソリンターボエンジンを搭載する稀少なグレードです。パワフルなターボエンジンに合わせて、ボディも専用のパフォーマンスダンパーやアジャイルハンドリングアシストを採用するなど走りに磨きがかかっています。
インテリアはダークグレー&ブラウンのコンビシートや専用のブラウンインテリアを採用するなど、他のモデルと差別化が図られています。
ツーリングホンダセンシングの新車時価格は290万3040円で、中古車相場のボリュームゾーンも、200〜230万円と高値をキープしています。モデル末期に登場したモデルで元々販売台数が少ないこともあり、値落ちしにくいのが特徴です。
\ ガリバーが理想の車選びをサポート! /
RV型ホンダ ヴェゼルの特徴

2代目のRV型ヴェゼルは、2021年から2024年3月現在まで販売されているモデルです。
RU型ヴェゼルでの「センタータンクレイアウト」を踏襲し、コンパクトサイズながら、多彩なシートアレンジはそのままに、より力強く美しいエクステリアとなっています。
外観は、クーペのようなスタイリッシュさを際立たせながらも、全席で爽快な視界を提供するための「スリーク&ロングキャビン」を採用。インテリアは、身体の触れる部位には、柔らかな触感のパッドをあしらうことで、強さと優しさを兼ね備えた空間が作られました。
RV型ヴェゼルに搭載されているパワートレインは、新開発のL15Z型1.5L直4ガソリンエンジンとe:HEV(イーエイチイーブイ)と呼ばれるハイブリッドシステムの2種類です。e:HEVは、KEC型1.5Lエンジンと駆動・発電を行う2つのモーターを組み合わせたものです。
駆動方式は一部グレードを除いて2WD、4WDを選択できます。
ホンダ独自のリアルタイムAWDは、雪上走行や悪天候においても安定したドライビングが可能です。特にハイブリッド車との組み合わせは、モータードライブの特長である大トルクを、素早く最適な駆動力配分とすることで、さまざまな路面環境でより安定感を発揮します。
安全運転支援システムは、RU型ヴェゼルに比べて機能が大幅に向上した「ホンダセンシング」が搭載され、運転支援機能が充実しています。
ホンダセンシングに採用された機能・システム
さらに、安心・快適なカーライフを楽しめる、便利なサービスや機能が提供されています。
なお、RV型ヴェゼルは2024年3月にマイナーチェンジを行うことが発表されました。
RV型ホンダ ヴェゼルのグレード解説
ガソリン車はGのみのモノグレード。ハイブリッド車と比べると選択肢が少なくなっています。
一方のハイブリッド車は、e:HEV X、e:HEV Z、e:HEV プレイの3タイプが用意されています。そのうち、e:HEV X、e:HEV Zは4WDも選べます。
ガソリン車のGとハイブリッド車のe:HEV Xはほぼ同じ装備内容で、違いは車両接近通報装置がe:HEV Xに装着されているくらいです。
e:HEV Zは、オートレベリング機構付きLEDヘッドランプをはじめ、LEDアクティブコーナリングライト、左右独立温度コントロール式フルオートエアコン、ハンズフリーアクセスパワーテールゲート、コンビシートなどが標準装備となっています。
発売直後から受注停止となったe:HEV プレイは、ブラインドスポットインフォメーションをはじめ、後退出庫サポート、ホンダコネクトディスプレイ+ETC2.0、パノラマルーフが標準装備となっているのが特徴です。
RV型ホンダ ヴェゼル中古車の注意ポイント
中古車の購入でできるだけ高い満足感を得るには、リコール情報や車の性能・装備などをしっかり調べることがポイントです。
RV型ヴェゼルにもリコール情報があります。ブレーキオペレーティングシミュレーターという制動装置の不具合です。使用していると、センサ内の抵抗部が漏れた油の浸入により腐食し、ブレーキペダルの操作力が増大することがあります。欲しいRV型ヴェゼルきちんと対策されているかの確認は必須となります。
2024年3月にマイナーチェンジを行うことが発表されましたが、2021年の販売開始から、価格の上昇やボディカラーの変更以外、一部改良などは行われていません。
グレードはガソリン車がGのモノグレード。ハイブリッド車はX、Z、プレイの3種類です。ハイブリッドプレイを除く全グレードで4WDを設定しています。
先代のRU型と比べるとRV型ヴェゼルは、ガソリン車、ハイブリッド車ともにグレード展開が少なくなっています。ハイブリッド車の最上級グレードのプレイは、パーツの供給不足により新車の納期遅延が続いていて、中古車で購入するときは割高になるので注意したいところです。
RV型ホンダ ヴェゼルの年式とグレードと中古車相場
RV型ヴェゼルの中古車は圧倒的にハイブリッド車が多いです。しかも、ガソリン車のGとおすすめグレードのハイブリッド車のe:HEV Zの価格差は新車時の約60万円から中古車では約40万円ほどと縮まる傾向にあります。
燃費性能や中古車相場を考えても、狙い目はハイブリッド車のe:HEV Zです。
2WD車の燃費性能はWLTCモードで24.8km/Lを実現。装備もプライムスムース×ファブリックのコンビシートをはじめ、ハンズフリーアクセスパワーテールゲート、運転席&助手席シートヒーター、左右独立温度コントロール付きフルオートエアコン、18インチアルミホイールといったように快適装備が充実しています。
デビュー当初の新車時価格は289万8500円でしたが、e:HEV Zの中古車相場のボリュームゾーンは、約260〜290万円となっています。一見すると新車時価格と変わらないように見えるのですが、純正ナビなど人気のオプション装備を装着した車が多く、数字以上にお得感の高い車なのです。
RV型ホンダ ヴェゼルの価格重視のお勧め年式とグレードと中古車相場
RV型ホンダ ヴェゼルでのオススメは、価格重視で考えても、ハイブリット車のエントリーグレードとなる『e:HEV X』一択です。
ヴェゼル唯一のガソリン車である1.5Gの中古車相場のボリュームゾーンが約220〜250万円ほどですが、e:HEV Xのボリュームゾーンも約240万〜約260万円とクロスオーバーしています。
e:HEV と呼ばれるハイブリッドシステムは、1.5Lガソリンエンジンと駆動・発電を行う2つのモーターを組み合わせたモーター駆動を積極的に行うシステムです。
燃費性能だけでなく、電動車特有のスムーズな加速性能の高さが特徴となっています。
\ ガリバーが理想の車選びをサポート! /