中古車の購入前に知っておくべきGK/GP型・GR/GS型ホンダ フィットの特徴・おすすめモデル
目次

(株)コリズム CORISM代表取締役/編集長
「日本カー・オブ・ザ・イヤー」実行委員
- 略歴
一般社団法人 日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員。
自動車専門誌編集長を経て、2011年に自動車情報専門サイト「CORISM」を立ち上げ。自動車メディア経験は30年以上。年間約50台のクルマに試乗し、評価している。
GK/GP型・GR/GS型ホンダ フィットについて
ホンダフィットは2001年に初代モデルが登場してから、長く愛され進化し続けている車です。
この記事では、新しい方から3代目(GK/GP型)と4代目(GR/GS型)に絞って紹介していきます。
GK/GP型ホンダ フィットの特徴

GK/GP型フィットは3代目にあたり、2013~2020年に販売されたモデルです。
プラットフォームには、コンパクトカーに革新をもたらせた「センタータンクレイアウト」がさらに進化したものが採用されています。
コンパクトカーの常識を越える広い室内空間を確保しながら、大幅な軽量化を実現しているのが特徴となっています。
外観は歴代フィットを受け継ぎながらも、ダイナミックさが増したクロスフェードモノフォルムデザインです。インテリアは、上質感と運転しやすさを追求したコクピットが具現化されました。
快適で楽しいドライビングのために、ドライバーの素早い認知と直感操作を突き詰めた先進のインターフェイスが採用されています。
搭載しているエンジンは、新開発のL13B型1.3LアトキンソンサイクルDOHC i-VTECガソリンエンジンと、L15B型1.5LDOHC i-VTECガソリンエンジンを搭載しました。
ハイブリッド車には、LEB型1.5LアトキンソンサイクルDOHC i-VTECガソリンエンジンとモーターを組み合わせたハイブリッドシステムが搭載されています。7速DCTを組み合わせて当時国内最高となる36.4km/Lの燃費性能を実現しました。
駆動方式はガソリン車が2WDと4WD。ハイブリッド車は2WDのみとなっています。また1.3Lガソリン車には5速MT車、1.5LRSには6速MT車が用意されていました。
安全面では、事故の未然防止を目指すアクティブセーフティーは、VSA(車両挙動安定化制御システム)やヒルスタートアシスト機能に加え、急ブレーキ時に後続車へ注意を促すエマージェンシーストップシグナルが全タイプに標準装備されました。
また追突や発進時の事故被害を軽減し、安全運転をサポートするシティブレーキアクティブシステムを新しく開発し、サイドカーテンエアバッグシステムなどをセットにした「あんしんパッケージ」をオプション設定しています。
一部改良とマイナーチェンジの歴史
※自動ブレーキ、誤発進抑制機能などの衝突回避支援機能、「ACC(アダプティブクルーズコントロール)」など、ドライバーの負担を軽減し、快適な運転をサポートする
GK/GP型ホンダ フィットのグレード解説
デビュー当初のGK/GP型フィットのグレード構成は、下記の通りです。
1.3Lエンジン車が13G、1.5Lは15X、RSの3タイプに集約できます。1.3Gには装着している装備によってFパッケージ、Lパッケージ、Sパッケージを設定し、全4グレードとなっています。
また、15Xには快適装備が充実した15X Lパッケージを設定し2グレードとなっています。トランスミッションはCVT車が中心ですが、13G Fパッケージには5速MT、RSには6速MT車が用意されていました。
ハイブリッド車も装備の違いによってFパッケージ、Lパッケージ、Sパッケージを設定し、全4グレードでした。
2014年の一部改良で15Xと15X Lパッケージは15XLに集約された。
2015年には、13Gとハイブリッドをベースに装備を充実させた特別仕様車の「Fパッケージコンフォートエディション」を設定。
2016年には、13G・FパッケージとLパッケージをベースとした特別仕様車の「ファインエディション」を設定。
2017年のマイナーチェンジでは、ハイブリッド、ハイブリッド・F、13G・Fを除く全グレードにホンダセンシングを標準装備。スポーティグレードのRSはMT車のみとなっている。
2018年にはハイブリッド・F、13G・Fをベースとした特別仕様車の「コンフォートエディション」を設定。そして 同じ年にフィットハイブリッド・Lホンダセンシングと13G・Lホンダセンシングをベースとしたコンプリートカーの「モデューロスタイル」を追加した。
GK/GP型ホンダ フィット中古車の注意ポイント
中古車の購入するのに、リコール情報や改良の内容、安全装備については知っておいて欲しいポイントです。
GK/GP型フィットにもリコール情報があり、2023年にブレーキオペレーティングシミュレーターという制動装置の交換があります。これは、使用過程で当該センサ内の抵抗部が腐食して出力値が異常となり、警告灯の点灯とフェールセーフが働くことで、ブレーキペダルの操作力が増大するおそれがあるものでした。
また、デビュー直後の2013~2014年には、動力伝達装置の自動変速制御コンピューターの不具合などが数回届出されています。リコールが多発したことで、GK/GP型フィットの人気が低迷してしまうきっかけとなりました。
GK/GP型フィットは、2017年に内外装の変更するマイナーチェンジを行っています。同じタイミングで、安全運転支援システム「ホンダセンシング」を搭載し、安全性が向上しています。
中古車の運転支援機能を最新モデルと比べると、年式によっては少々機能面での物足りなさがあります。しかしホンダセンシングは最新モデルと古めの年式でもその差が少なめなので、積極的にホンダセンシング装着車を選ぶのがオススメです。
GK/GP型ホンダ フィットの年式とグレードと中古車相場
ホンダセンシングの装着に加えて、シャシーも強化した2017年以降のハイブリッドLホンダセンシング
GK/GP型フィットの中古車を購入する場合、2017年のマイナーチェンジ以降のモデルに絞るのが良いでしょう。
運転支援機能のホンダセンシングが必ず付いているためです。
おすすめのグレードは、燃費性能の優れたハイブリッドLホンダセンシングです。このグレードは、プラズマクラスタ技術フルオートエアコンをはじめ、LEDヘッドライト、コンビシート&専用インテリアそしてホンダセンシングが標準装備されています。
2WD車の新車時価格は211万7500円でしたが、中古車相場のボリュームゾーンは、約90~120万円と最大で約50%ダウンの価格で購入できます。2017年から2019年までだと年式による価格差が小さくなっています。
また、オプション装備の純正ナビを装着している車が多く、走行距離は1万km台からあるので、現在購入しても長く所有することができるでしょう。
GK/GP型ホンダ フィットの安さ重視のお勧め年式とグレードと中古車相場
GK/GP型フィットの中古車は、ホンダセンシングレスの初期モデルならば、50万円以下の車も流通しています。ここでは、予算100万円以下、150万円以下の場合のおすすめモデルについて紹介します。
予算100万円以下のおすすめモデル
※中古車相場は2024年3月調べ
GK/GP型フィットの中古車を購入する際に、最も重要なのはホンダセンシングの有無です。
そのためGK/GP型フィットの中古車を検討する時は、2017年のマイナーチェンジ後のモデルに絞るのが良いでしょう。
予算100万円以下で探すなら、おすすめは1.3Lエンジン車で装備が充実した『1.3G Lホンダセンシング』です。
1.3LガソリンエンジンはJC08モード燃費で、24.6km/Lと充分な数値を実現。装備面でも、プラズマクラスタ技術フルオートエアコンをはじめ、ホンダスマートキーシステム、LEDライト+LEDフォグランプ。前席用i-サイドエアバッグ+サイドカーテンエアバッグシステムそしてホンダセンシングを標準装備しています。
現在中古車相場のボリュームゾーンは、約60~100万円と新車時の50%くらいかそれ以上下がっています。
ハイブリッド車を選択する場合は+10万ほど追加でかかるため、価格差は縮まっているとはいえ、予算にこだわるのであれば1.3Lホンダセンシングがおすすめです。流通台数も豊富でボディカラーも好みに合わせて選ぶことができます。
予算150万円以下のおすすめモデル
※中古車相場は2024年3月調べ
予算150万円であればハイブリッド車も充分に選択肢に入れられますが、ここでは、あえてオススメとして1.5Lエンジンを搭載した15XLホンダセンシングをピックアップしました。
搭載している1.5Lガソリンエンジンは、JC08モード燃費で22.2km/Lを実現。
装備面でもブラックコンビシート&専用インテリアをはじめ、運転席&助手席シートヒーター、本革巻きステアリング、リアセンターアーム、そしてホンダセンシングと上質さを追求したモデルとなっています。
中古車相場のボリュームゾーンは約90~130万円で、小さな高級車として需要があるとも言えます。
中古車の流通台数が少ないので、見つけたら即買いを選択してもよいグレードです。
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GR/GS型ホンダ フィットの特徴

4代目GR/GS型フィットは2020年から2024年5月現在まで販売されているモデルで、下記の4つの心地良さを新たな提供価値としています。
搭載しているパワートレインは、L13B型1.3L直4ガソリンエンジン+CVT。そしてe:HEVと呼ばれるLEB型1.5L直4ガソリンエンジンと駆動・発電を行う2つのモーターを組み合わせたハイブリッドシステムの2種類です。
先代のGK/GP型フィットでは、ハイブイッド車では2WDしか選べませんでした。それがGR/GS型フィットは、ハイブリッド車でも4WDが選べるようになりました。
安全装備は、安全運転システムのホンダセンシングが全グレードに標準装備。さらに、車両前後に装着された計8つのソナーセンサーと合わせて、前方を広角に検知するフロントワイドビューカメラ搭載し、10の機能がパッケージ化されています。
カーライフをより安心、快適にするコネクテッドサービス「ホンダトータルケアプレミアム」も車載通信モジュール、ホンダコネクトの搭載により利用可能となっています。
一部改良とマイナーチェンジの歴史
※1 自動地図更新サービス:通信機能を使いナビゲーションシステムの地図を最新の内容に自動更新
※2 Honda アプリセンター:車内で役立つサービス多彩なアプリを配信するサービス
※3 ホンダセンシング:安全運転支援システム
※4 ブラインドスポットインフォメーション:車線変更時に、斜め後ろ存在する車を検知し知らせる機能
GR/GS型ホンダ フィットのグレード解説
デビュー時のGR/GS型フィットのグレード構成は、5つでした。
シンプルで自分らしさが光る基本モデルの『ベーシック』。
生活になじむデザインと快適性を備えた『ホーム』。
毎日をアクティブに過ごしたい人の『ネス』。
週末に出かけたくなるアクティブライフに応える『クロスター』。
洗練と上質を兼ね備えたスタイリッシュな『リュクス』の5グレードです。
2022年のマイナーチェンジでネスが廃止となり、デザイン、走りの質にさらにこだわったRSが追加されています。
また、2021年には20周年を記念し、e:HEVホームをベースとした特別仕様車、「カーサ」と「メゾン」が登場。そして、ホンダの純正アクセサリーを扱うホンダアクセスが手掛けたコンプリートカーの「モデューロX」が設定されています。
GR/GS型ホンダ フィット中古車の注意ポイント
中古車を購入する際に確認して欲しいポイントに、リコール情報やモデル別の特徴・安全装備などがあります。
GR/GS型フィットにもリコールの届出があり、2022年にフロントワイドカメラの不具合があります。ホンダセンシングにおいて、フロントワイドビューカメラの起動処理プログラムが不適切で、車両起動時に当該カメラが起動しないことがあるとのことです。購入したい中古のGR/GS型フィットのプログラムの書き換えが行われているか、確認するようにしましょう。
GR/GS型フィットは、2022年にマイナーチェンジが行われました。内外装の変更に加えて、ガソリンエンジンの排気量が1.5Lへ変更されています。さらに運転支援システムのホンダセンシングに機能が追加されました。またグレード構成は、ネスが廃止となり、専用の外観パーツやサスペンションを採用したスポーティグレードのRSが登場しました。
さらに特別仕様車は、e:HEVホームをベースとした特別仕様車、「カーサ」と「メゾン」が設定されました。そして、ホンダの純正アクセサリーを扱うホンダアクセスが手掛けたコンプリートカーの「モデューロX」も。
GR/GS型フィットは従来のグレード構成とは異なります。モデルによって装備などにも違いがあり、ユーザーのライフスタイルに合わせて選択可能なところが特徴です。グレードごとの装備の違いをしっかりと理解して選びたいところです。
GR/GS型ホンダ フィットの注目年式とグレード・中古車相場
GR/GS型フィットは、運転支援システムのホンダセンシングが、全グレードで標準装備となっています。
そんな中でのおすすめグレードは、2022年のマイナーチェンジで廃止された『ネス』です。
2022年に実施されたマイナーチェンジでは、ガソリンエンジンの排気量アップやグレード構成の変更がメインで、『ネス』含めた前期モデルは価格面でバリューが高くなっているため、狙いどころです。
ネスは、シートとソフトパッドに撥水ファブリックが採用されています。さらにプラズマクラスタ技術フルオートエアコンやLEDフォグランプも標準装備。また、ピラー部分をカラーコーディネイトできるのも特徴です。
小さなお子さんがいる家庭やペットと車で出かける人にとって、シート表皮が撥水加工なところは心強いのではないでしょうか。ちょっとした水分や汚れなら、サッと拭けば大丈夫。安心感が違います。
しかもプラズマクラスタ技術を採用したフルオートエアコンを搭載しているのはネスだけです。
ネス2WD車の新車時価格は242万5500円です。現在、中古車相場のボリュームゾーンは、約130~160万円で、最大で約40%の値落ちを記録しています。
ツートーンカラーのボディが特徴で、オプションの純正ナビを装着していることも多いネスは魅力的です。また流通している中古車の走行距離は1~3万kmほどが中心です。
ネスはマイナーチェンジで廃止されたグレードということで、流通台数が少なく出会える可能性が低い中古車です。
気になった場合は細かく中古車販売店をチェックするのが良いでしょう。
GR/GS型ホンダ フィットの安さ重視のお勧め年式とグレードと中古車相場
GR/GS型フィットの中古車は、まだ100万円を切る車が出回り始めたばかりです。そこで、ここでは、予算150万円以下、200万円以下の場合のおすすめモデルについて紹介します。
予算150万円以下のおすすめモデル
※中古車相場は2024年3月調べ
予算150万円で探す場合、1.3Lエンジン車かハイブリッド車、どちらかを選ぶことになります。
『ホーム』は最も流通台数が豊富なグレードなのですが、中古車相場のボリュームゾーンを見てみると、1.3L車は約120~140万円、ハイブリッド車は約130~170万円と重なっている部分があります。
新車時価格から考えると、ガソリン車よりハイブリット車の値落ち幅が大きくなっています。
これなら、燃費&走行性能の高いハイブリッド車を狙うのがベターですし、グレードも流通台数が豊富な『ホーム』がオススメになります。
ホームは、生活になじむデザインと快適性を備えたモデルで、プライムスムースを使用したコンビシートとソフトパッドをはじめ、フルLEDヘッドライト、本革ステアリング、そしてホンダセンシングを標準装備しています。
流通している中古車はオプション装備の純正ナビの装着車も多く、走行距離1万km以下という車も多くあります。マイナーチェンジによる外観の変更も小さいので、前期モデルでも特に古くささなども感じないでしょう。
予算200万円以下のおすすめモデル
※中古車相場は2024年3月調べ
予算が200万円ならば、2021年に追加されたコンプリートカー、e:HEV モデューロX以外なら手が届きます。
そんな中でおすすめしたいグレードは、ハイブリッド車のe:HEVリュクスです。
リュクスは、本革シートをはじめ、ステアリングヒーター機能、LEDフォグランプ、プラチナ超クロームメッキドアミラー、アームレスト付センターコンソールボックス+ワイヤレス充電器を標準装備したラグジュアリモデルとなっています。
2WD車のGR/GS型フィットシリーズでの最上級モデルです。
現在、中古車の相場は値落ち幅が大きめです。ただ、流通台数が豊富とは言えないので、欲しい条件を満たした車を見つけたら即行動が必要になるでしょう。
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