ISOFIX(アイソフィックス)とは?取り付け方や対応車種

ISOFIX(アイソフィックス)とは?取り付け方や対応車種

ISOFIXの概要やメリッㇳ(魅力)、種類、取り付け方や対応車種の調べ方を解説します。

ISOFIX(アイソフィックス)とは?

ISOFIXの説明図

ISOFIX(アイソフィックス)とは、国際標準化機構(ISO)が定めたチャイルドシートの固定方式です。

シートベルトでなく金具を使い、簡単かつ正確にチャイルドシートを固定できる(=ミスユースが少ない)仕組みになっています。従来のシートベルト固定方式に比べて製品価格は高いですが、手軽さと安全性の高さが魅力です。

確実で安全な取り付けを目的に誕生

チャイルドシートの使用ミスの割合図

ISOFIXは、チャイルドシートのミスユースの多さから誕生しました。

従来のシートベルト固定方式は、腰ベルトの締め付け不足や座席ベルトの通し方ミスなど、ミスユースが多いです。チャイルドシートの使い方が間違っていれば、子どもの命は危険に晒されます。そのため、国際標準化機構は簡単で確実、安全な取り付け方法としてISOFIXを定めました。

現在は新基準「i-Size」対応製品もある

近年は「i-Sizeチャイルドシート」と呼ばれるものも販売されています。i-Sizeは欧州で制定された最新の安全基準であり、従来の前面衝突試験に加えて側面衝突試験も課されます。

i-Sizeチャイルドシーㇳであれば高い安全性が期待でき、かつ、すべてISOFIX取付の製品です。該当製品一覧は「チャイルドシート安全比較BOOK」(左記リンクは2025年版)で確認できます。

ISOFIXの種類

ISOFIXの2種類の取り付け図

ISOFIXには、以下のように2種類の取り付け方法が存在します。

  • ①サポートレッグ方式
  • ②トップテザー方式

どちらもチャイルドシートの土台部分はISOFIXコネクターで固定しますが、もう1ヶ所の固定方法が異なります。

①サポートレッグ方式

サポートレッグ方式は、長さ調整のできる支えを足元に設置するタイプです。

トップテザー方式の製品と比べてチャイルドシート自体を回転できる製品が多く、子どもの乗せ降ろしが楽です。一方で、足元に荷物を置きにくく、車種によっては上手く固定できない場合もあります。

②トップテザー方式

トップテザー方式は、チャイルドシートの上部にあるトップテザーを車の固定金具と連結して固定するタイプです。

サポートレッグ方式と比べて足元に荷物を置きやすいですが、乳児~幼児用に多い回転式の製品が少ないというデメリットがあります。

品質が気になる場合は安全性能評価を参考に
国土交通省と自動車事故対策機構は、毎年「チャイルドシート安全比較BOOK」を公表しています。これは、一部のチャイルドシート製品の安全性能評価の結果をまとめた冊子です。
この冊子を見れば、新しい製品の安全性能が確認できますし、過去の製品もこちらから検索することが可能です。

ISOFIXチャイルドシートの取り付け方

ここでは、ISOFIXチャイルドシートの一般的な取り付け方法を解説します。

【前準備】車のISOFIXバーを見つける

車のISOFIXカバーがある場所の説明図

ISOFIXの対応車種には、チャイルドシートを固定するための「ISOFIXバー」が存在します。座面と背もたれの間にバーが隠れている場合もあれば、バーのある部分にマークやフタが付いている場合もありますので、探しましょう。

レッグサポート方式の場合

ISOFIXバーが見つかった後の基本的な取り付け方法は、以下の通りです。

  1. チャイルドシート本体からレッグサポートを広げる
  2. チャイルドシート本体のISOFIXコネクターを後方まで引き出す
  3. カチッと音がするまで、コネクターをISOFIXバーに挿し込む
  4. チャイルドシート本体を背もたれにくっつくまで押し込む
  5. レッグサポートの長さを調整し、固定する

多くの場合、ISOFIXコネクターやレッグサポートには挿し込み具合/長さが適切かを示すインジケーターが付いています。取り付け後は、チャイルドシート本体を引っ張っても揺れないか、固定状況をしっかり確認しましょう。

トップテザー方式の場合

ISOFIXバーが見つかった後の基本的な取り付け方法は、以下の通りです。

  1. チャイルドシート本体のISOFIXコネクターを後方まで引き出す
  2. カチッと音がするまで、コネクターをISOFIXバーに挿し込む
  3. チャイルドシート本体を背もたれにくっつくまで押し込む
  4. トップテザーのベルトを座席後方のアンカー部分に固定する
  5. テザーベルトをしっかり閉める

テザーベルトは、ヘッドレスト側から座席背面に向けて垂らしていきます。テザーアンカーの位置も事前にチェックしておくと設置が楽でしょう。取り付け後は、チャイルドシート本体を引っ張っても揺れないか、固定状況をしっかり確認しましょう。

Q. チャイルドシートの設置位置は?

安全性の観点から、ISOFIXバーは後席に設置されているのが一般的です。そのため、ISOFIX対応のチャイルドシートを設置できるのも基本的には後席です。

助手席にチャイルドシートを設置すること自体は違反でないものの、助手席では事故時のリスクが高まります。シートベルト固定方式の場合も、できるだけ後席に設置しましょう。

ISOFIXの対応車種

愛車がISOFIX対応かどうかは、その車の生産時期である程度判断できます。ただし、製品によっても適合するか否かは異なります。

2012年7月以降販売の新車は全車対応

2012年7月以降に販売された乗用車(定員10人未満)には、ISOFIXの取り付け器具の装備が義務化されています。そのため、このタイミング以降に購入した新車、また中古車でも2012年7月以降の登録車であれば、メーカーや車種に関係なくISOFIX対応です。

2012年6月以前販売の車種での確認方法

2012年6月以前に登録された車でISOFIX対応か知りたい場合は、以下のいずれかの方法で確認しましょう。

  • ①車の取扱説明書で確認する
  • ②後席にISOFIXバーがあるか確認する
  • ③自動車メーカーHPで確認する
  • ④チャイルドシートメーカーHPで確認する

ただし個々の製品ごとに確認は必要

2012年7月以降に販売された車種であっても、製品によっては搭載できない場合があります。そのため、気になるチャイルドシートが愛車に適合するかどうかは、必ずチャイルドシートメーカーが公表している車種適合表を確認しましょう。

【各社の適合車種確認ページ】

Q. ISOFIXは後付けできる?

愛車がISOFIX対応車種でない場合、残念ながらISOFIXバーの後付けはできません。ECサイトなどでは後付けの金具が販売されていますが、製品強度が十分であるか分からず、万が一の際に安全を確保できない可能性もあります。

ISOFIX対応のチャイルドシートを設置したい場合は、きちんと対応車種と適合する製品を購入しましょう。

チャイルドシートの選び方も確認を

チャイルドシートは子どもの命を守る大切な装置です。選び方や具体的な製品選びに迷った場合は、以下の記事も参考にしてください。

チャイルドシートの使用義務と免除のケースを解説!違反時の罰則は?

チャイルドシートの着用義務とペナルティ(違反点数・罰金)

チャイルドシートの使用義務

チャイルドシートの使用義務の早見表

チャイルドシートは、2000年より道路交通法で使用の義務が定められています。ここでは、使用義務がある対象年齢と、使用が推奨されている条件を解説します。

使用義務は6歳未満(=5歳)まで

チャイルドシートの使用義務があるのは、6歳未満(=5歳まで)の乳幼児を車に乗せる場合です。使用義務に違反した場合には、違反点数が科されます。

なお、警察庁の調査によると、チャイルドシート不使用の状態では適切に使用している場合と比べて事故時の致死率が約4.7倍も高いです。必ず使用しましょう。

※参考:道路交通法(第71条の3第3項)警察庁「子どもを守るチャイルドシート」

身長150cm未満までは「使用推奨」

法律的にチャイルドシートの装着が必須なのは、6歳未満の乳幼児です。しかし、6歳以上でも身長150cm未満の子どもについてはチャイルドシートの使用が推奨されています。

これは、車のシートベルトが大人の利用を想定して造られているからです。身長が足りないと衝突時にシートベルトで首や腹部を圧迫するリスクがあり、実際にこうした死亡事故も起こっています。

チャイルドシートの使用義務が免除されるケース

チャイルドシートをしている画像

以下でご紹介する6つのケースでは、例外的にチャイルドシートの使用義務が免除されます。
※参考:道路交通法施行令(第26条の3の2第3項)

①構造上の問題で取り付けられない

チャイルドシートを取り付けられない構造の車両では、使用義務が免除されます。

たとえば、幼稚園・保育園の送迎バスはチャイルドシートを設置できない構造であり、使用の義務がありません。ただし、こうした送迎バスは座席自体が幼児用に造られています。

②装着すると全員乗車が困難になる

チャイルドシートを装着すると車に乗りたい人全員(定員以内)の乗車が困難になる場合も、使用が免除されます。

たとえば、5人乗りの車に大人2人とチャイルドシートを必要とする子ども3人が乗る際、3つ装着すると全員が乗りきれなくなる状況ではチャイルドシート1つの使用が免除されます。
ただし、免除されるのは全員乗車の弊害となる最低限の数のみです。

③健康・身体的事情で使用が難しい

以下のように、子ども自身に健康・身体的な事情がある場合も使用が免除されます。

  • 使用が難しい病気やケガ
  • 体型的な問題

上記の例としては、アトピー性皮膚炎や股関節の脱臼、著しい肥満などが挙げられます。

④授乳やおむつ交換の間

子どもの授乳やおむつ交換など、日常的なお世話をする上で必要な場合は、お世話の間のみチャイルドシートの使用が免除されます。

ただし、お世話をする人は必ずドライバー以外の乗員でなければいけません。また、必要なお世話をするとき以外はチャイルドシートを使用する必要があります。

⑤路線バスやタクシー等に乗るとき

以下のように、公共交通機関やそれに準ずる車両(道路運送法第78条2-3項に該当する運送用車両)を使用する場合はチャイルドシートの使用が免除されます。

  • 路線バスやタクシー
  • 自治体が管理する乗り合いバスや送迎車両
  • 日本版ライドシェアの登録車両など

⑥病院や官公署に救急搬送するとき

急病の子どもを病院に連れて行くときや、迷子で保護した子どもを警察署に連れて行くときなど、急を要する状況でチャイルドシートを使えない場合は使用が免除されます。

注意すべきチャイルドシート使用の義務があるケース

以下のケースは「チャイルドシートの使用義務が免除される」と勘違いされがちですが、実際は免除されません。

  • 新生児の退院時(自家用車の場合)
  • 親戚や友人の車に乗るとき
  • レンタカーやカーシェアの車両に乗るとき

新生児であっても6歳未満の乳幼児には変わりないため、自家用車に乗る場合はチャイルドシートが必要です。また、親戚や友人の車、或いはレンタカーに一時的に乗る場合も免除されません。

「抱っこして後部座席」もNG

親戚や友人の車に少し乗せてもらう場合、「抱っこして後部座席に座れば大丈夫」と思われがちですが、実際はそうではありません。抱っこでの乗車は違反になり、この場合ペナルティを受けるのは子どもの親でなく運転手です。

万が一の事故のリスクも考え、絶対にやめましょう。

チャイルドシートがないときの対処法

チャイルドシートをしている子供の画像

「ないものは仕方ない」とチャイルドシート無しで子どもを自家用車に乗せれば、違反となります。チャイルドシートがない場合は、以下のように対処しましょう。

  • チャイルドシート自体をレンタルする
  • チャイルドシートの貸出があるレンタカーを手配する
  • タクシーなど公共交通機関やそれに準ずる車両で移動する
  • チャイルドシートを備えた自家用車を使う

チャイルドシートの使用義務を違反した場合の罰則は?

チャイルドシートの使用義務に反した場合は道路交通法違反となり、違反点数1点が科されます。一方、罰金や懲役刑といった刑罰、反則金は科されません。

なお、違反点数が科されると、ゴールド免許の人は次回免許更新時に青色の免許に変わります。また、過去3年間の違反点数が累積6点以上になると、免停となります。

チャイルドシートの種類と選び方

チャイルドシートは、体の大きさによって選ぶべき種類が異なります。また、個々の製品によって適合車種や取り付け方も異なります。

チャイルドシートの種類

チャイルドシートの種類の説明図

チャイルドシートには、主に乳児用のベビーシート、体が比較的小さい幼児を対象としたチャイルドシート、小学生以降も使えるジュニアシートの3種類があります。

年齢目安などもありますが、基本的には年齢より「体格に合うもの」を選ぶことが重要です。個別の製品ごとに適性体重・身長があるため、よく確認しましょう。

選ぶ際のポイント

チャイルドシートを選ぶ際は、以下のようなポイントを意識しましょう。

  • 子どもの体格と合うものを選ぶ
  • 愛車に載せられるものを選ぶ
  • 取り付け方を見て選ぶ
  • Eマーク(国土交通省認定マーク)があるものを選ぶ
  • 手入れのしやすさや快適性を見て選ぶ

各製品にはそれぞれ適合車種があり、素材や特徴、取り付け方も異なります。ポイントの詳細は、以下の記事を参考にしてください。

【関連記事】ジュニアシートはいつからいつまで?選び方とおすすめ製品

固定ミスや不適切な着座に注意

警察庁の調査によると、チャイルドシートを適切に取り付けできている割合は69.8%、適切に着座できている割合はわずか55.7%です。固定と着座では、以下の点を押さえましょう。

  • なるべく後部座席に装着する
  • 体重をかけてチャイルドシートを固定する
  • お尻からしっかり座らせる
  • シートのベルトは肩の高さで固定する

子育て世代におすすめの車5選

ここでは、チャイルドシートの着脱や子どもの乗せ降ろしが楽な車5選をご紹介します。

①ホンダ N-BOX(軽自動車)

チャイルドシートを使う子育て世代におすすめの車の例:N-BOXの車両の画像

N-BOXは、デザイン性に実用性、安全性と総合力の高い一台です。

2023年秋にフルモデルチェンジして3代目となっていますが、2代目からオプションでハンズフリースライドドアを装備できるようになっています。また、2代目の完成度が非常に高かったため、3代目と2代目の実力差は決して大きくありません。コストを抑えて購入したい場合は、中古も検討しましょう。

②スズキ スペーシア(軽自動車)

チャイルドシートを使う子育て世代におすすめの車の例:スペーシアの車両の画像

スペーシアも2023年秋にフルモデルチェンジしていますが、こちらは型落ちモデルでなく現行モデルの購入がおすすめです。

現行モデルは軽自動車でトップクラスの安全性能を有し、燃費も非常に優れています。また、後部座席の快適性も優れ、子ども1人と大人1人が座るときなどに便利です。ただし、スライドドアにハンズフリー機能はありません。

③スズキ ソリオ(コンパクトカー)

チャイルドシートを使う子育て世代におすすめの車の例:ソリオの車両の画像

「軽自動車では少し狭い」「5人乗りがいい」という場合におすすめなのが、ソリオです。プチバンと呼ばれる分類で、コンパクトながら全高が高く、スライドドアも備えています。

ライバル車種と比べてハイブリッドモデルを提供しているのもポイントです。

④トヨタ シエンタ(ミニバン)

チャイルドシートを使う子育て世代におすすめの車の例:シエンタの車両の画像

シエンタは、ソリオなどのコンパクトカーより一回り大きいコンパクトミニバンです。ミニバンでも小さめなので運転が苦手な人も扱いやすく、且つ5人乗りと7人乗りを選べます。

ハイブリッド車の燃費性能が非常に優秀で、さらに天井のサーキュレーターやハンズフリースライドドアを装備できます。

⑤スバル フォレスター(SUV)

チャイルドシートを使う子育て世代におすすめの車の例:フォレスターの車両の画像

見た目の格好良さやアウトドアでの実用性も求めるなら、フォレスターがおすすめです。

スライドドアは備えていませんが、ドア自体がしっかり開くので子どもの乗せ降ろしが楽です。また、適度な車幅があるのでチャイルドシートを乗せてもあまり狭さを感じません。車両価格は高価ながら安全性が高く、中古でも一定数の流通があります。

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助手席にチャイルドシートは違反?危険の理由と取り付け方のポイント

助手席にチャイルドシートは違反?危険の理由と取り付け方のポイント

助手席のエアバッグは子どもにとって非常に危険です。ここでは助手席にチャイルドシートを設置する危険性と助手席につけている人がいる理由、取り付け方のポイントを解説します。

助手席にチャイルドシートは違反?

助手席での後ろ向きのチャイルドシート利用に関する注意喚起

助手席にチャイルドシートを設置するのは法律違反にあたらず、警察に捕まることもありません。しかし事故などで助手席のエアバッグが発動すると、大けがにつながる可能性があります。

安全上の理由から、国土交通省や自動車メーカーは、チャイルドシートの後部座席への設置を推奨しています。また、チャイルドシートの取扱説明書を見ると、助手席への設置を不可としている製品も多いです。

助手席のチャイルドシートが危険な理由

助手席のチャイルドシートが危険なのは、万が一エアバッグが発動した際、子どもがエアバッグとチャイルドシートの間に挟まれたり、エアバッグの勢いで跳ね飛ばされたりする危険があるからです。

エアバッグが開く速度は、時速100~300キロ。大人でも骨折することがあるほどの衝撃です。過去には、エアバッグが原因で幼児が死亡する事故も起こっています。

後ろ向きでは絶対に設置しない

乳児用で使われる後ろ向きのチャイルドシートは、絶対に助手席で使ってはいけません。

エアバッグが発動すると、後ろ向きのチャイルドシートがエアバッグに押され、子どもと座席の間の空間がなくなり圧迫の原因になります。また、子ども用ベルトの設置が甘ければ、チャイルドシートが押された勢いで子どもが投げ出されるリスクもあります。

チャイルドシートの推奨基準が変更へ
チャイルドシートの使用義務は6歳未満の子どもを乗せる場合に限られています。一方、6歳以上でも140cm未満では使用が推奨されていました。
しかしながら、2024年8月、シートベルトによる圧迫が原因で7歳と5歳の子どもが死亡する事故が発生。JAFは「チャイルドシートの使用推奨基準の引き上げを検討する」と発表し、推奨基準が140cm未満から150cm未満へと現在は引き上げられています。

助手席にチャイルドシートをつけている人もいる

後部座席への設置が推奨されているチャイルドシート。しかし、なかには助手席に設置している人もいます。

助手席に設置している理由とは

助手席にチャイルドシートを設置している人は、以下のような理由で設置しているケースが多いです。

  • 子どもがどうにも泣き止まない
  • 自分ひとりで乗せていて様子が心配

子どもによっては、不安から車中で泣き続けるケースがあります。こうなると運転者のストレスも大きく「運転が荒くなってしまう」という人も。運転に支障が出るなら、設置場所を検討するのも一つの選択でしょう。
ただし助手席は、子どもに目が届くからこそ脇見運転のリスクも高いです。この点は十分に注意しましょう。

Q. クルマ移動でできる工夫は?
子どもにとってクルマでの移動は辛いもの。また、子どもが泣き出したり酔って嘔吐したりすれば、大人もしんどく感じてしまいます。移動の際は子どもが寝る時間を狙ったり、空腹や満腹を避けたり、おもちゃを用意したりと工夫しましょう。
【関連記事】子どもとクルマで帰省する時の5つのポイント!事前準備やグッズで安心

助手席に設置する場合のポイント

助手席にチャイルドシートを設置する際の図

助手席にチャイルドシートを設置する場合は、以下のポイントを押さえましょう。

  • 前向きのチャイルドシートを使う
  • 助手席をできるだけ後ろに下げる

前述の通り、後ろ向きのチャイルドシートは絶対に助手席で使ってはいけません。また、助手席の位置をできる限り後ろにずらせばエアバッグ発動時の影響を受けにくくなります。

輸入車はエアバッグ機能をOFFにできることも
現在は、ほぼすべての車両において助手席にエアバッグが装備されています。しかし輸入車では、エアバッグの機能を解除できるスイッチを備えた車両もあります。この場合は、エアバッグを解除した状態でチャイルドシートを使用しましょう。

半数近くが不適切!正しい装着法は?

チャイルドシートをしている子供の写真

チャイルドシートは、正しく取り付けなければ、十分な効果を得ることはできません。

警察庁の最新の調査では、チャイルドシートを設置している人のうち、適切に取り付け出来ていたのは約6割。つまり残りの4割は、不適切な装着でした。ここで、チャイルドシートの取り付け方のポイントを見直しましょう。

※参考:警察庁「子供を守るチャイルドシート」

ポイント①体格に合わせた製品選びを

チャイルドシートには、大きく分けて乳児用・幼児用・学童用の3種類が存在します。種類は年齢で選ばず、子どもの体格に合わせて買い替えるようにしましょう。製品の中には、幅広い体格に対応するものもあります。

【関連記事】チャイルドシートはいつまで必要?年齢・身長の基準と使うべき種類

ポイント②1歳ごろまでは後ろ向きの製品で

乳児の間は後ろ向きのシートを選ぶのが基本です。乳児は頭が非常に重く、骨も軟らかい状態。前向きで事故に遭うと頭から前面に飛び出したり、ベルトで腹部に大きな衝撃を受けたりする可能性があります。

ポイント③シートベルトを通す位置の確認を

多くのチャイルドシートは、クルマに搭載されているシートベルトを使って固定します。シートベルトを通す位置は製品本体に記載されていることも多いですが、取扱説明書を読んで正しく通しましょう。

ポイント④体重をかけシートをしっかり固定

シートベルトを正しい位置に通していても、通し方が緩いと衝突の衝撃で子どもが前に放り出されたり、シートから滑り落ちたりする可能性があります。

チャイルドシートを適切な場所に設置したら、シート本体に大人自身が体重をかけ、シートベルトをきつく締めましょう。手でシート揺らしたときに、シート本体の揺れが30mm以内に留まるよう心掛けてください。

ポイント⑤子ども用ベルトもしっかり装着

チャイルドシートを正しく取り付けたら子どもを乗せ、子ども用ベルトをしっかり締めましょう。「締め付けるとかわいそう」と緩くすると、事故の際に危険です。また、ベルトが首やお腹にかかっていないかも気にしてください。

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