- チャイルドシートの使用義務
- チャイルドシートの使用義務が免除されるケース
- 注意すべきチャイルドシート使用の義務があるケース
- チャイルドシートがないときの対処法
- チャイルドシートの使用義務を違反した場合の罰則は?
- チャイルドシートの種類と選び方
- 子育て世代におすすめの車5選
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チャイルドシートの使用義務
チャイルドシートは、2000年より道路交通法で使用の義務が定められています。ここでは、使用義務がある対象年齢と、使用が推奨されている条件を解説します。
使用義務は6歳未満(=5歳)まで
チャイルドシートの使用義務があるのは、6歳未満(=5歳まで)の乳幼児を車に乗せる場合です。使用義務に違反した場合には、違反点数が科されます。
なお、警察庁の調査によると、チャイルドシート不使用の状態では適切に使用している場合と比べて事故時の致死率が約4.7倍も高いです。必ず使用しましょう。
※参考:道路交通法(第71条の3第3項)、警察庁「子どもを守るチャイルドシート」
身長150cm未満までは「使用推奨」
法律的にチャイルドシートの装着が必須なのは、6歳未満の乳幼児です。しかし、6歳以上でも身長150cm未満の子どもについてはチャイルドシートの使用が推奨されています。
これは、車のシートベルトが大人の利用を想定して造られているからです。身長が足りないと衝突時にシートベルトで首や腹部を圧迫するリスクがあり、実際にこうした死亡事故も起こっています。
チャイルドシートの使用義務が免除されるケース
以下でご紹介する6つのケースでは、例外的にチャイルドシートの使用義務が免除されます。
※参考:道路交通法施行令(第26条の3の2第3項)
①構造上の問題で取り付けられない
チャイルドシートを取り付けられない構造の車両では、使用義務が免除されます。
たとえば、幼稚園・保育園の送迎バスはチャイルドシートを設置できない構造であり、使用の義務がありません。ただし、こうした送迎バスは座席自体が幼児用に造られています。
②装着すると全員乗車が困難になる
チャイルドシートを装着すると車に乗りたい人全員(定員以内)の乗車が困難になる場合も、使用が免除されます。
たとえば、5人乗りの車に大人2人とチャイルドシートを必要とする子ども3人が乗る際、3つ装着すると全員が乗りきれなくなる状況ではチャイルドシート1つの使用が免除されます。
ただし、免除されるのは全員乗車の弊害となる最低限の数のみです。
③健康・身体的事情で使用が難しい
以下のように、子ども自身に健康・身体的な事情がある場合も使用が免除されます。
- 使用が難しい病気やケガ
- 体型的な問題
上記の例としては、アトピー性皮膚炎や股関節の脱臼、著しい肥満などが挙げられます。
④授乳やおむつ交換の間
子どもの授乳やおむつ交換など、日常的なお世話をする上で必要な場合は、お世話の間のみチャイルドシートの使用が免除されます。
ただし、お世話をする人は必ずドライバー以外の乗員でなければいけません。また、必要なお世話をするとき以外はチャイルドシートを使用する必要があります。
⑤路線バスやタクシー等に乗るとき
以下のように、公共交通機関やそれに準ずる車両(道路運送法第78条2-3項に該当する運送用車両)を使用する場合はチャイルドシートの使用が免除されます。
- 路線バスやタクシー
- 自治体が管理する乗り合いバスや送迎車両
- 日本版ライドシェアの登録車両など
⑥病院や官公署に救急搬送するとき
急病の子どもを病院に連れて行くときや、迷子で保護した子どもを警察署に連れて行くときなど、急を要する状況でチャイルドシートを使えない場合は使用が免除されます。
注意すべきチャイルドシート使用の義務があるケース
以下のケースは「チャイルドシートの使用義務が免除される」と勘違いされがちですが、実際は免除されません。
- 新生児の退院時(自家用車の場合)
- 親戚や友人の車に乗るとき
- レンタカーやカーシェアの車両に乗るとき
新生児であっても6歳未満の乳幼児には変わりないため、自家用車に乗る場合はチャイルドシートが必要です。また、親戚や友人の車、或いはレンタカーに一時的に乗る場合も免除されません。
「抱っこして後部座席」もNG
親戚や友人の車に少し乗せてもらう場合、「抱っこして後部座席に座れば大丈夫」と思われがちですが、実際はそうではありません。抱っこでの乗車は違反になり、この場合ペナルティを受けるのは子どもの親でなく運転手です。
万が一の事故のリスクも考え、絶対にやめましょう。
チャイルドシートがないときの対処法
「ないものは仕方ない」とチャイルドシート無しで子どもを自家用車に乗せれば、違反となります。チャイルドシートがない場合は、以下のように対処しましょう。
- チャイルドシート自体をレンタルする
- チャイルドシートの貸出があるレンタカーを手配する
- タクシーなど公共交通機関やそれに準ずる車両で移動する
- チャイルドシートを備えた自家用車を使う
チャイルドシートの使用義務を違反した場合の罰則は?
チャイルドシートの使用義務に反した場合は道路交通法違反となり、違反点数1点が科されます。一方、罰金や懲役刑といった刑罰、反則金は科されません。
なお、違反点数が科されると、ゴールド免許の人は次回免許更新時に青色の免許に変わります。また、過去3年間の違反点数が累積6点以上になると、免停となります。
チャイルドシートの種類と選び方
チャイルドシートは、体の大きさによって選ぶべき種類が異なります。また、個々の製品によって適合車種や取り付け方も異なります。
チャイルドシートの種類
チャイルドシートには、主に乳児用のベビーシート、体が比較的小さい幼児を対象としたチャイルドシート、小学生以降も使えるジュニアシートの3種類があります。
年齢目安などもありますが、基本的には年齢より「体格に合うもの」を選ぶことが重要です。個別の製品ごとに適性体重・身長があるため、よく確認しましょう。
選ぶ際のポイント
チャイルドシートを選ぶ際は、以下のようなポイントを意識しましょう。
- 子どもの体格と合うものを選ぶ
- 愛車に載せられるものを選ぶ
- 取り付け方を見て選ぶ
- Eマーク(国土交通省認定マーク)があるものを選ぶ
- 手入れのしやすさや快適性を見て選ぶ
各製品にはそれぞれ適合車種があり、素材や特徴、取り付け方も異なります。ポイントの詳細は、以下の記事を参考にしてください。
固定ミスや不適切な着座に注意
警察庁の調査によると、チャイルドシートを適切に取り付けできている割合は69.8%、適切に着座できている割合はわずか55.7%です。固定と着座では、以下の点を押さえましょう。
- なるべく後部座席に装着する
- 体重をかけてチャイルドシートを固定する
- お尻からしっかり座らせる
- シートのベルトは肩の高さで固定する
子育て世代におすすめの車5選
ここでは、チャイルドシートの着脱や子どもの乗せ降ろしが楽な車5選をご紹介します。
①ホンダ N-BOX(軽自動車)
N-BOXは、デザイン性に実用性、安全性と総合力の高い一台です。
2023年秋にフルモデルチェンジして3代目となっていますが、2代目からオプションでハンズフリースライドドアを装備できるようになっています。また、2代目の完成度が非常に高かったため、3代目と2代目の実力差は決して大きくありません。コストを抑えて購入したい場合は、中古も検討しましょう。
②スズキ スペーシア(軽自動車)
スペーシアも2023年秋にフルモデルチェンジしていますが、こちらは型落ちモデルでなく現行モデルの購入がおすすめです。
現行モデルは軽自動車でトップクラスの安全性能を有し、燃費も非常に優れています。また、後部座席の快適性も優れ、子ども1人と大人1人が座るときなどに便利です。ただし、スライドドアにハンズフリー機能はありません。
③スズキ ソリオ(コンパクトカー)
「軽自動車では少し狭い」「5人乗りがいい」という場合におすすめなのが、ソリオです。プチバンと呼ばれる分類で、コンパクトながら全高が高く、スライドドアも備えています。
ライバル車種と比べてハイブリッドモデルを提供しているのもポイントです。
④トヨタ シエンタ(ミニバン)
シエンタは、ソリオなどのコンパクトカーより一回り大きいコンパクトミニバンです。ミニバンでも小さめなので運転が苦手な人も扱いやすく、且つ5人乗りと7人乗りを選べます。
ハイブリッド車の燃費性能が非常に優秀で、さらに天井のサーキュレーターやハンズフリースライドドアを装備できます。
⑤スバル フォレスター(SUV)
見た目の格好良さやアウトドアでの実用性も求めるなら、フォレスターがおすすめです。
スライドドアは備えていませんが、ドア自体がしっかり開くので子どもの乗せ降ろしが楽です。また、適度な車幅があるのでチャイルドシートを乗せてもあまり狭さを感じません。車両価格は高価ながら安全性が高く、中古でも一定数の流通があります。
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