スタッドレスタイヤとチェーンはどっちがいい?併用の効果も解説

スタッドレスタイヤとチェーンはどっちがオススメ?併用の効果は?

【事前知識】雪道・凍結路のノーマルタイヤ走行は違法

雪の日の走行

冬が近づくと、タイヤをスタッドレスに履き替えるかどうかで悩む人は多いです。特に降雪量の少ない地域では、タイヤを履き替えずに過ごす人も多くいます。

しかし積雪や路面凍結の可能性がある限り、タイヤの履き替えかチェーンの用意は必要です。雪が積もった道や凍結路をノーマルタイヤだけで走行することは違法(沖縄県を除く)にあたり、罰金も科されます(※出典:道路交通法)。

スタッドレスとチェーンは併用が望ましい

スタッドレスタイヤとチェーンを比較した場合、対策として「どちらの方が良い」とは一概に言えません。両者はそれぞれ、得意とする道が異なるからです。そのため冬の対策ではスタッドレスタイヤとチェーンの併用が望ましいです。

ただし以下のような地域では、例外としてスタッドレスタイヤ或いはチェーンの一方でも冬を乗り切れる可能性があります。

例外①雪がほとんど降らない地域

雪がほとんど降らない地域であれば、積雪や凍結の心配が少ないです。万が一の保険として対策するなら、安価で保管場所も必要ないチェーンがおすすめです。

例外②雪が軽く積もる程度で温度も高い地域

「雪が降っても積もりにくい」「路面凍結が起こりにくい」といった地域なら、スタッドレスタイヤのみで春まで乗り切れる可能性があります。 ただし最低気温が5度以下になる環境ではアイスバーンが発生しやすく、スタッドレスタイヤでも滑りやすいので注意が必要です。

スタッドレスとチェーンの違い

  スタッドレスタイヤ タイヤチェーン
価格
×
着脱の手間
×
アイスバーン走行
新雪走行
圧雪走行
雪の坂道走行
乾燥路走行
×
装着時の走行速度
×
乗り心地
×

スタッドレスタイヤの特徴

スタッドレスタイヤはノーマルタイヤに比べてゴムが柔らかく、溝も深いです。この特性から路面の状態に応じて変形しやすく、強い摩擦力を発揮することで雪道などでも滑りにくくなります。特に踏み固められた雪道の走行を得意とします。

【メリット】

  • 雪道・乾燥路関係なく走行できる
  • 雪のある坂道など、チェーンより多くの状況に適応できる

【懸念点】

  • チェーンに比べて価格が高い(約5万円~)
  • タイヤの保管場所が必要
  • チェーン規制の区間を走行できないことがある

チェーンの特徴

チェーンはタイヤの外側から装着する滑り止めです。金属製・非金属製・布製(カバー)があります。スタッドレスタイヤに比べると新雪が降り積もったような道や、凍り切ったアイスバーンの走行に強いです。

【メリット】

  • スタッドレスタイヤより安価(約5,000円~)
  • 保管がしやすい

【懸念点】

  • 着脱に手間がかかる
  • 装着時は乗り心地が悪く、音もする
  • 装着時は時速50km程度しか出せない
  • 装着したまま乾燥路を走行できない

雪道や凍結路の走行で気をつけるべきポイント

急発進・急停止・急ハンドルを避ける

スリップしやすい環境で急発進すると、タイヤが空転して焦りに繋がる可能性があります。また雪道や凍結路での急停止・急ハンドルは操作が間に合わず、事故に繋がる恐れがあります。雪道や凍結路では走行速度を落とし、余裕を持った運転を心がけましょう。

車間距離を充分にあける

一般に、車間距離の目安は走行距離に応じて以下のように求められます。

【時速60kmまで】 速度-15m

 例)時速50kmの場合は50-15=35m

【時速61㎞以上】 速度と同じメートル

 例)時速80㎞の場合は80m

ただし、これは乾燥路での車間距離の目安です。雪道や凍結路はスリップしやすく、ブレーキを踏み始めてから停止するまでに時間がかかるので、上記の目安より2倍以上の距離をとるようにしましょう。

スタッドレスタイヤとチェーンに関するよくある質問

Q. スタッドレスタイヤの寿命はどれくらい?

A.一般に、スタッドレスタイヤは3-4年が寿命といわれています。プラットホームと呼ばれる目印がタイヤ表面に露出した時、またタイヤにひび割れなどが起こった時が交換の目安です。

タイヤのプラットホーム

Q. 金属チェーンと非金属チェーンの違いは?

A.金属チェーンは安いのがメリットですが、脱着に手間がかかる他、乾燥路を走行できない、走行音が大きいといったデメリットがあります。一方、非金属チェーンは比較的脱着がしやすく、金属チェーンよりは乾燥路にも強いです。ただし経年劣化しやすいというデメリットがあります。

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【車の暑さ対策まとめ】駐車中/乗る前/運転中の対策とおすすめグッズ

【車の暑さ対策まとめ】駐車中/乗る前/運転中の対策とおすすめグッズ

暑さ対策の3つのポイント

外気温35℃の日中に車を2時間ほど放置した場合、車内温度は50~60℃まで上昇します。日に晒されたクルマは、熱中症を引き起こしやすい危険な環境です。

夏のクルマの暑さ対策では、以下の3つのポイントを押さえましょう。

  • 日光を遮断する
  • 車そのものや、車内を冷やす
  • 空気を外と循環させる

まず、できるだけクルマを日に当てないようにします前述のJAFの調査では、駐車時に何も対策をしなかった場合、車内温度はわずか30分で40℃以上になりました。一方、サンシェードを付けたクルマは温度上昇を数℃軽減することができました。

また、乗車時にはクルマのボディから熱を取り除き、車内も冷やすこと、そして車内にこもった熱を外に出すことで効率的に涼しくすることができます。

子どもやペットがいるなら特に注意を!

暑い車内も、大人であれば多少の時間は耐えることができます。しかし小さな子どもやペットがいる場合は、熱中症に充分注意しなければいけません。

小さな子どもやペットは体温調節機能が未発達で、自分の状態を適切に伝えることも難しいです。対策をしっかりするとともに、熱中症のサインに気づけるように心がけましょう。

車を駐車する時の対策

車を駐車する時は、駐車場所に日影がない限り炎天下に停めるしかありません。しかしここでクルマに一工夫をすれば、温度上昇を一定程度抑えることができます。

1. 少し窓を開けておく

駐車する時に窓を全て閉めてしまうと、車内は完全な密室となって熱がこもります。駐車時は大人の手が入らない3㎝程度の隙間を作り、熱が逃げるルートを作りましょう。

前述のJAFの実験によれば、夏の日中でも窓を数cm開けるだけで車内温度の上昇は最高45℃程度まで抑えることができます。

2. サンシェードやウィンドウネットを使う

外から熱を入れないために、サンシェードやウィンドーネットを使うことも有効です。特にフロントガラスは面積が大きく日光が入りやすいので、サンシェードの使用をおすすめします。前述のJAFの調査によれば、日中3時間駐車した場合、サンシェードの有無で車内の最高温度は約7℃違うと分かっています。

サンシェードにも、より効果が高い外付けのものと、簡単に脱着ができる中付けのものがあります。また素材も商品によって様々ですが、アルミコート素材だと遮光性が高いです。

クルマに乗る前の対策

夏の炎天下に晒されたクルマはとても暑くなっています。このタイミングではクルマを冷やすとともに車内にこもった熱を外に出すことで暑さを取り除きます。

1. クルマのボディに水をかける

クルマのボディには鉄が多く使われています。鉄は熱しやすく、冷めやすい物質なので、水をかけると車体がわずかに冷えます。水がある環境であればクルマに水をかけると良いでしょう。

2. ドアと窓で換気する

これは、車内にこもった熱を外に出すための方法です。

助手席側の後部座席の窓を全開にし、運転席側のドアを軽く5~6回開け閉めします。これによって車内にこもった熱気を外に出し、空気の入れ替えができます。窓とドアを開ける場所を対角線上になるようにすること、またドアで風を起こすことがポイントです。

3. エアコンと窓で換気する

今度はエアコンを使って空気を入れ替える方法です。

運転前にエアコンを付ける場合は、クルマの窓を全て全開にしてからスイッチを付けましょう。こうすることで中の熱気を効率よく外に出すことができます。

この時に気をつけたいのがエアコンの設定。エアコンは「外気導入」にしておきましょう。内気循環にしてしまうと、こもった熱を車内で循環させるだけなので効果を得にくくなってしまいます。

運転する時の対策(効率的なエアコンの使い方)

夏場の車エアコンの使い方

車内を冷やす最も効率的な方法は、やはりエアコンを使うことです。運転をはじめたら、次のようなステップでエアコンを使いましょう。

  1. 暑いうちは窓を全開にして、エアコンを「外気導入」で付ける
  2. エアコンの風が涼しくなってきたら「内気循環」に切り替える
  3. 窓を閉めてエアコンの「内気循環」で涼しい環境をつくる

車内にこもった熱を外に出すため、はじめは「外気導入」にします。その後、車内が冷えてきたら「内気循環」にすると効率的です。

暑さ対策のおすすめグッズ

ここからは、持っておくと便利なクルマの暑さ対策グッズを紹介します。

カーフィルム

カーフィルムは紫外線と赤外線を大幅にカットするグッズで、透明度が高いものでも遮熱効果は抜群です。車内温度の上昇を抑え、エアコンが効率良く使えるようになります。また日焼けを防止する効果もあります。

フロントガラスや運転席・助手席のサイドガラスに貼る場合は、「可視光線透過率」に注意しましょう。透過率が70%を下回ると、保安基準を満たさず道路交通法違反となるため、事前に透過率の数値を確認して購入してください。

夏用カーシート

夏用カーシートは、長時間座っている時の座席の蒸れを防いでくれます。竹などの自然素材を使ったものから、水槽を内蔵したものや送風機能が付いたものもあります。

冷却スプレー

冷却スプレーは、吹きかけるだけで周囲の温度を下げることができます。除菌や消臭効果を併せ持つ商品もあり、エアコンが臭う時にも使用できるという特徴があります。特にチャイルドシートは普通のシートよりも分厚く熱がこもりやすいので、赤ちゃん専用のスプレーを使うと良いでしょう。

ただし、車内に置いたままだと破裂の危険性があります。炎天下の駐車時はスプレーを持って歩きましょう。

車内用扇風機

後部座席にエアコンの風が届きにくい場合や、車内の冷気を循環させる時には、車内用扇風機が便利です。特に後部座席に人を乗せる機会が多い場合におすすめです。

リモコンエンジンスターター

離れた場所からエンジンをかけられるだけでなく、エアコンも稼働できるリモコンエンジンスターター。ドアロックできるもの、温度確認ができるもの、スマホ操作できるもの、低価格のものなど、種類が豊富にあります。商品が愛車の車種に対応しているかどうかをチェックして選びましょう。

夏本番の前に併せて読みたい記事

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居眠り運転を防止するには?違反をしたときや対策、罰則を解説

居眠り運転の事故件数

運転中に襲ってくる睡魔。ある調査では「運転中の眠気が原因でヒヤリとした経験がある」と回答したドライバーが半数もいたそうです。

また居眠り運転は、事故に繋がるリスクも高いです。「居眠り運転」単体での集計はないものの、居眠り運転もふくまれる過労運転や漫然運転では多くの事故が発生しています。

  • 過労運転(正常に運転できないおそれがある状態での運転)…年間約400件
  • 漫然運転(注意力や集中力に欠けた状態での運転)…年間約19,000件

特に漫然運転は長年にわたり事故原因第4位と、非常に多くの事故が起こっています。

居眠り運転での違反点数と罰則

居眠り運転は、状況により以下のいずれかの違反とされます。

  • 安全運転義務の違反(道路交通法第70条)
  • 過労運転(道路交通法第66条)

【安全運転の義務】第七十条 
車両等の運転者は、当該車両等のハンドル、ブレーキその他の装置を確実に操作し、かつ、道路、交通及び当該車両等の状況に応じ、他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転しなければならない。

【過労運転等の禁止】第六十六条 
何人も、前条第一項に規定する場合のほか、過労、病気、薬物の影響その他の理由により、正常な運転ができないおそれがある状態で車両等を運転してはならない。

多くの場合、居眠り運転は「安全運転義務の違反」と判断されます。しかし居眠りの原因が超過勤務や疾病、薬の服用などである場合には「過労運転」として判断される可能性があります。

「安全運転義務」違反と「過労運転」での違い

「安全運転義務違反」と「過労運転」による違反点数や罰則は以下の通りです。

  安全運転義務違反 過労運転
違反点数 2点 25点
行政処分 反則金9,000円 免許取り消し
罰則 (3か月以下の懲役又は5万円以下の罰金) 3年以下の懲役又は50万円以下の罰金

Q&A なぜ「過労運転」は処罰が厳しいの?

過労運転とは「何らかの原因で正常な運転ができないおそれがある状態で運転すること」です。

そのため「正常な運転ができないおそれがあると知っていながら運転した」ことにより、安全運転義務違反より重い処罰が科されると考えられています。

居眠り運転の原因

居眠り運転の主な原因は、以下の通りです。

  • 睡眠不足
  • 疾病(睡眠時無呼吸症候群など)
  • 風邪薬などの抗ヒスタミン剤
  • 生体リズムによる眠気(午前/午後2-4時)
  • 一過性/慢性疲労
  • 天気(曇天時は眠くなりやすい)
  • 直線道路などでの単調な運転

居眠り運転の原因として特に多いのは睡眠不足。アメリカの研究では、2時間の睡眠不足で交通事故のリスクが2倍に上昇するというデータもあります。また風邪薬や花粉症の薬に含まれる抗ヒスタミン剤も眠気を引き起こします。

身体的に健康であっても、生体リズムの影響で眠くなることもあります。午前/午後2-4時は、体を休ませようとする副交感神経の働きが活発化します。昼食後などは特に眠くなりやすいです。

居眠り運転の対策

居眠り運転の対策で大切なのは、以下の3つです。

  • 充分な休息をとる
  • 身体に刺激を与える
  • 危険な時に警告をしてもらう

この3点を踏まえると、以下のような対策ができます。

  主な方法 備考
充分な休息 充分な睡眠 理想の睡眠時間は7時間以上
2時間に一度の休憩 集中力には限界があるため、こまめに休憩する
30分以内の仮眠 長時間寝ると、眠りが深くなるため理想は20分程度
身体への刺激 カフェインの摂取 疲労軽減や覚醒効果あり。ただし効果が表れるまでに15分程度かかる
ガムや昆布を噛む 血行促進や覚醒の手助けをしてくれる
窓を開ける 窓を開けて気温を下げることで身体に刺激を与える
危険時の警告 居眠り運転防止グッズの活用 例)姿勢の変化を検知して警告音を発する装置など
安全装備の導入 例)衝突被害軽減ブレーキ、車間距離制御装置など

自分なりに対策をしているつもりでも、忙しくて疲れている時など「ふとした瞬間」に怒ってしまうのが居眠り運転。

そのため自分なりの対策に加えて、グッズや安全装備を取り入れることをお勧めします。

居眠り運転対策にもなる安全装備

先進安全装備には色々な機能がありますが、居眠り運転やそれによる事故への対策という意味では、以下のような装備が有効です。

  内容
衝突被害軽減ブレーキ 衝突の危険が高まると、警告音を発する。回避行動がとられない場合は自動ブレーキが発動する
車間距離制御装置 システムがアクセル操作とブレーキ操作を行う
車線逸脱警報装置 車線をはみ出しそうになると警告音を発する

後悔する前に対策をしよう

居眠りの兆候を放置して事故を起こせば後悔が残ります。この記事を読んだ今からぜひ対策をしていきましょう。

ガリバーでは安全な車をメーカー横断でランキング化してご紹介しています。こちらの記事もぜひ参考にしてください。

併せて確認!交通ルールや安全運転のポイント

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