はじめての中古車購入ガイド点検や整備って必要なの?
目次
点検・整備の基礎知識
クルマの点検・整備は「定期点検整備(以下、定期点検)」と「日常点検」の大きく2つにわけられます。定期点検は、クルマの故障を未然に防ぐこと、またクルマの性能維持を図ることを目的にしたもので、例えていえば「人間ドック」のようなものです。しかし、人間ドックとは違い、定期点検の実施は法的に定められています。
一般的に、「12ヶ月点検」「24ヶ月点検」のことを「法定点検」と呼ぶため、この2つの点検が法律で決められたものと認識されていますが、実は日常点検もれっきとした「法定点検」なのです。
道路運送車両法第47条「使用者の点検及び整備の義務」と、第47条の2「日常点検整備」において、「自動車の使用者は、自動車を点検し、必要に応じて整備することによって、車を保安基準に適合するように維持すること」と、「適切な時期に、日常的に自動車を点検すること」が定められています。つまり、ユーザーには「クルマを常に安全で適正な状態に維持する責任」と「そのための日常点検と定期点検」が義務づけられているのです。
簡単にできる「乗車前1分間点検」
クルマの安全と快適のために定期点検、日常点検はかかせませんが、なかなか頻繁にはできないもの。そこで、乗車前に簡単にできる点検をご紹介します。「まったく何もしない」でクルマを走らせるのとは格段に差が出てきますので、日々愛車に意識を向けるという意味でも、ぜひ乗車前のチェックを実施しましょう。
乗る前の1分でここをチェック!
タイヤのへこみ具合のチェック
タイヤの空気不足はパンクのもと。走行に影響がでるほどの空気不足なら、目で見ただけでもわかります。
ランプ系統のチェック
ウインカーやブレーキランプの故障は、事故につながる大きな不備です。スイッチを入れて、ウインカーは左右きちんと点滅するか、ライトはきちんと点灯するかを確認しましょう。
エンジンのかかり具合のチェック
エンジンをかけるときには、エンジンのかかり具合にも注意を向けましょう。エンジンがかかるまでの時間や音など、毎回気にしていれば、何か異常があった場合に気づくことができます。
余裕があればここもチェック!
ベルトの張り具合のチェック
乗車前に余裕があるなら、ボンネットを開けてベルトの張り具合をチェックしてみましょう。
エンジンオイルのチェック
教習所で必ず実践する乗車前点検のひとつですが、不思議と日常ではやらなくなりがちです。車の心臓部であるエンジンにとって重要なオイルですから、ときどきはオイルレベルゲージを使って量や色などを確認しましょう。
季節に応じたチェックも忘れずに!
<夏場>バッテリーのチェック
冬場だけでなく、夏場もバッテリーには気をつかいましょう。クーラーの多用に加え、エンジンルームが高温になることでもバッテリーの消耗は早まるからです。
<冬場>ネコの存在確認
寒い冬場、クルマの下には暖を求めてやってきたネコがいることがあります。意外に思えるかもしれませんが、ネコが下にいるのを知らずにエンジンをかけ、ネコを巻き込んでしまってエンジンが故障した、というケースは少なくありません。
クルマの安全性を保つ、自分でできる「日常点検」
日常点検は、クルマの走行距離や走行状態から、ユーザー自身の判断で行う点検です。点検というと難しそうに聞こえますが、コツとポイントさえつかめば誰にでもできるような内容です。簡単にできるチェックなので、クルマの安全を保つために欠かさず行いましょう。
エンジンルームの点検
- バッテリー液の点検
- ブレーキオイルの点検
- エンジンオイルの点検
- 冷却水の点検
- ウインドウ・ウォッシャー液の点検
運転席に座っての点検
- ブレーキペダルの「遊び」と「踏みしろ」の点検
- パーキングブレーキとパーキングレバーの点検
- ウインドウ・ウォッシャーの噴射状態の点検
- ワイパーの稼働状態の点検
- エンジンのかかり具合と異音の点検
- 低速および加速の状態の点検
車まわり(外見)の点検
- タイヤの空気圧の点検
- タイヤの亀裂や損傷の点検
- タイヤの溝の深さ、異常な摩耗の点検
- ランプ類、ウインカーなどの点検
走行時などその他全般の点検
- 運行において異常が認められた箇所の点検
消耗品の確認
- エンジンオイルの確認と交換
- ワイパーブレードの確認と交換
- スモーク濃度の確認
プロの目でしっかりチェックしてもらう「定期点検」
定期点検はクルマの「健康診断」です。日常点検をしっかりしているつもりでも、やはり最低でも一年に一度はプロの目できちんとした点検を受けたいもの。多くのディーラーや整備工場では部品の交換なども含めた、お得な点検パックなどを用意しているので、不具合や故障が起きてから整備を頼むよりも、結果的にはリーズナブルに済みます。