国産コンパクトカー

安全なクルマ ランキング2021

安全な国産コンパクトカーを選ぶポイント

2020年は人気コンパクトカーであるトヨタ ヤリスが新登場。
さらに、ホンダ フィット、日産ノートが相次いでフルモデルチェンジした。

2021年3月現在、国産コンパクトカーには、より進化した予防安全装備が装着され始めている。
これは歩行者検知式自動ブレーキ装備が義務化されたのが一因だ。

義務化のタイミングは2種類ある。

  • 新型車、フルモデルチェンジ…2021年11月以降
  • 継続生産…2025年12月まで

2021年3月現在は義務化の過渡期なので、歩行者検知式自動ブレーキがしばらくの間標準装備化されていない場合も一部ある。
車種やグレード選びの際は注意が必要だ。

義務化されていないその他の安全装備や運転支援機能は、しっかりと内容を確認する必要がある。
少なくとも、以下の機能が搭載されていることが望ましい。

  • アクセルとブレーキの踏み間違え防止機能
  • 後側方車両接近警報
  • 車線逸脱防止警報
  • 車線維持機能

また、全車速前走車追従式クルーズコントロールなどの運転支援装備もおすすめだ。
ロングツーリング時に疲労が減り、結果的に事故防止につながるだろう。

上記を踏まえ、2021年現在の国産コンパクトカーにおける安全な車を5選、ランキング形式でお届けする。

BEST.1

トヨタヤリスクロス

トヨタ ヤリスクロス

トヨタ ヤリスクロスは、2020年8月に登場した。
コンパクトカーのヤリスをベースとしたBセグメントのSUVである。
トヨタ最新のコンパクトSUVであり、予防安全装備はかなり高水準だ。

ヤリスクロスには、最新の予防安全装備「トヨタセーフティセンス」が用意された。
単眼カメラとミリ波レーダーを組み合わせたもので、多彩な機能を誇る。

重要な歩行者検知式自動ブレーキは、昼間だけでなくハイリスクな夜間にも対応している。歩行者との衝突を避けるには、非常に頼りになる機能である。
昼間の自転車も検知できるのはより安心だ。

以下のような複雑な状況でも、対向車や歩行者の検知ができる。

  • 交差点右折時の対向直進車
  • 右左折時の対向方向から来る横断歩行者

よくある事故のパターンにきっちり対応し、衝突の回避や被害の軽減が可能となった。

また、ブレーキとアクセルの踏み間違い時には、衝突回避もしくは被害軽減をサポートしてくれる。
踏み間違い時にエンジン出力を抑制、または弱いブレーキをかけることで実現している。
踏み間違いサポートは、いままで壁やクルマといった「モノ」に対してのみ有効だったが、ヤリスクロスはさらに人や自転車にも対応した。
衝突リスクを軽減したこの機能は、高齢者にとって大変重宝する機能といえる。

また、このクラスでは珍しいセカンダリーコリジョンブレーキも標準装備されている。
これはエアバッグが展開するような衝突時に、クルマを自動で停止させるものだ。
衝突後の勢いでクルマが動くことで起こる二次被害を軽減してくれる。
さらに、エアバッグが開くような大きな衝突事故が起きた場合、車両が自動で検知しコールセンターに通報してくれる。
ヘルプネットという専門のオペレーターが救急車や警察の手配などを代行する機能もある。
万が一の備えも充実しているので、より安心して運転ができる。

こうしたトヨタセーフティセンスの機能は、コンパクトカーのヤリスとほぼ同等である。
大きく異なるのが、全車速前走車追従式クルーズコントロール(レーダークルーズコントロール)だ。
ヤリスクロスのトヨタセーフティセンスにはこの機能が含まれる。
だがヤリスは全車速には未対応なので、渋滞時での追従走行ができないのだ。
そのためヤリスクロスの方がドライバーの疲労軽減という面では優位性を持つ。
ただ、ヤリスクロスのX Bパッケージにはトヨタセーフティセンスが標準装備されていない。
グレード選びには注意が必要だ。

ヤリスクロスには他にもたくさんの予防安全装備が用意されているが、オプションが多いのも特徴。
たとえば、後側方車両接近警報もオプションのひとつだ。
車線変更時に頼りになる、使用頻度の高い安全装備といえる。

他に、オプションだが搭載必須の装備は以下の通りだ。

  • ブラインドスポットモニター+リヤクロストラフィックオートブレーキ
  • パノラミックビューモニター(車両周囲を映像で確認できる)

ヤリスクロスの予防安全装備は、オプションをフル装備することでコンパクトカーの中でもトップクラスになる。

BEST.2

トヨタヤリス

トヨタ ヤリス

トヨタ ヤリスの予防安全装備はトップレベルの実力を持つ。
コンパクトSUVのヤリスクロスとほぼ同等のレベルの安全性を誇る。

重要な歩行者検知式自動ブレーキは、昼夜の歩行者検知式だ。
昼間の自転車も検知が可能なので、安心して運転できる。

ヤリスの自動ブレーキは、以下を検知することができる。

  • 交差点右折時の対向直進車
  • 右左折時の対向方向から来る横断歩行者

よくある事故パターンの衝突回避・被害軽減が可能なので、リスクはかなり軽減される。
一部の高級車に達するレベルの安全機能を有しているコンパクトカーは、ヤリス以外ほとんどない。

ただし、エントリーグレードのX Bパッケージにはトヨタセーフティセンスが装備されていない。
これはヤリスクロスと同様だ。
すでに自動ブレーキの義務化が決まっていることも鑑みると、早急な標準装備化が望まれる。

また、ほとんどのグレードでオプションだが、装備したい機能は以下の通りだ。

  • 後側方車両接近警報(ブラインドスポットモニター)
  • 後退時車両接近警報&自動ブレーキ(リヤクロストラフィックオートブレーキ)
  • 車両を俯瞰で見た映像にして死角を無くす(パノラミックビューモニター)

こうした装備は、日々の運転で使う頻度が高いだけに標準装備化してほしい。

さらに、エアバッグが開くような大きな衝突事故が起きた場合、ヘルプネットが作動する。
これは車両が自動で検知しコールセンターに通報、専門のオペレーターが救急車や警察の手配などを代行してくれる機能だ。

惜しいのは、ヤリスに全車速前走車追従式クルーズコントロールが装備されていない点だ。
この機能はドライバーの監視下において、渋滞時のノロノロ運転でもほぼ自動でストップ&ゴーを繰り返してくれる。
そのためドライバーの疲労軽減に対して重宝する機能といえる。
ヤリスには装備されていないのが、少し残念である。

BEST.3

日産ノート

日産 ノート

ベスト3以下は、僅差となっている。

日産ノートは、2020年11月のフルモデルチェンジを経て3代目となった。
予防安全装備もかなり進化したといえる。

日産が採用している360°セーフティアシストは、様々な機能で360°の安全を確保する。
ただし、基本的な機能以外ほとんどオプションなのが惜しいところだ。

肝心な歩行者検知式自動ブレーキは、昼夜の歩行者、昼間の自転車を検知する。
これはミリ波と単眼カメラの組み合わせによるものだ。
インテリジェント FCW(前方衝突予測警報)は、2台前を走る車両を検知し注意を喚起することができる。
玉突き衝突事故を回避する機能を備えている。

その他、標準装備化されている機能は以下の通りだ。

  • 踏み間違い衝突防止アシスト
  • インテリジェント LI (車線逸脱防止支援システム)

一定レベル以上の予防安全装備は、標準装備化されている。

対するオプション機能のうち、特に日々頼りになる機能はこちら。

  • 車線変更時に役立つインテリジェント BSI(後側方衝突防止支援システム)+BSW(後側方車両検知警報)
  • RCTA(後退時車両検知警報)
  • 車両を俯瞰から見た映像にして死角を無くすインテリジェント アラウンドビューモニター(移動物 検知機能付)

こうした機能は、安全性向上のために積極的に選びたいオプションである。

また、コネクティッドサービス機能のひとつにSOSコールがある。
エアバッグ展開と連動し自動通報し、専門のオペレーターが警察や消防への連携をサポートしてくれるものだ。
もしもの時に頼りになる装備だが、これもオプションである。

そして、プロパイロット(ナビリンク機能付)は、最上級グレードにのみ装備可能なオプションだ。
これは車線を維持しながら全車速で前走車に追従するクルーズコントロールである。

プロパイロットはナビリンク機能が秀逸だ。
ナビ情報や表示機検知機能によって、カーブやジャンクションの大きさを把握する。
スムースに曲がれるよう、車速をコントロールしてくれるのだ。
カーブで速度を落とすなどの操作から解放され、より自動運転的な高速クルージングが可能となった。
運転の疲労を軽減したい人や、高速道路をよく使う人には導入するのがおすすめだ。

BEST.4

ホンダフィット

ホンダ フィット

ホンダの予防安全装備は、「ホンダセンシング」という多くの機能がパッケージ化されている。
従来の単眼カメラ+ミリ波の組み合わせから、広角カメラ+ソナーの組み合わせに変更された。

「ホンダセンシング」は、全11個もの充実した機能をもつ。
歩行者検知式自動ブレーキは、夜間の歩行者と昼間の自転車を検知することが可能だ。

その他の多彩な機能を、一部紹介する。

  • 誤発進抑制機能
  • 歩行者事故低減ステアリング(歩行者との衝突回避を支援する)
  • 車線維持支援
  • 路外逸脱抑
  • 誤発進抑制
  • 運転支援の全車速前走車追従式クルーズコントロール(渋滞追従機能付きアダプティブクルーズコントロール)

これらがパッケージ化されている上、全車標準装備されている。
そのため、フィットはどのグレードを買っても安心だ。

また、Honda CONNECT for Gathers + ナビ装着用スペシャルパッケージ装着車はコネクティッドサービスを搭載している。
エアバッグ展開時に、オペレーターが救急車などを手配してくれる。(一部オプション)
自動通報されるので、万が一のときに早急な対応が可能になる。

「ホンダセンシング」の安全装置は一定水準以上だ。
だがヤリス系やノートなどと比べると、少し物足りない機能もある。

たとえば後側方・後退時車両接近警報などの設定がない点だ。
こうした機能は、高齢者や運転が苦手な人にとって重宝する。
視野が狭く暗いところで視認性が悪くなる人にはとても頼りになる機能なだけに、惜しい箇所といえる。

BEST.5

マツダマツダ2

マツダ マツダ2

マツダ2は、先進予防安全装備などで、少し遅れを取っている。
これは相次いでフルモデルチェンジしたヤリスやノート、フィットと比べると設計が古いためだ。

同じクルマであれば、どのグレードでも同じレベルの安全性能とすることが事故防止につながる。
そうした点では、マツダ2は比較的多くの安全装備を標準装備化している。
マツダ2ならどのグレードでも安心して購入できる。(一部の運転支援システムなどはオプション)

マツダ2は「アドバンスト・スマート・シティ・ブレーキ・サポート」という歩行者検知式自動ブレーキを有している。
全車に標準装備されているのは高評価だ。
昼夜の歩行者検知が可能だが、自転車が未対応なのは惜しい点だ。

その他、マツダ2に標準装備化されている機能は以下の通りである。

  • 後側方車両接近警報(ブラインド・スポット・モニタリング)
  • 駐車場からの後退時に接近する車両を検知、警報を発する(リア・クロス・トラフィック・アラート)

多くのライバル車でオプションとなっている機能が、マツダ2では標準装備化されているのは評価が高い。
視野が狭く暗い場所が見えにくい高齢者や、運転に慣れていないドライバーの味方だ。
うっかりミスを減らしてくれる機能は、安全性においてとても重要な項目である。

ベーシックな予防安全装備は充実しているものの、マツダ・レーダー・クルーズ・コントロール(MRCC)は、ほとんどのグレードでオプションになっている。
これは全車速前走車追従式クルーズコントロールという運転支援機能だ。

惜しいのは、停車保持機能が無いため渋滞時には対応できない点だ。
クルマが一旦停止した場合、再度クルーズコントロールの設定が必要になり、少々手間がかかる。

まとめ

自動ブレーキの性能面で見れば、ヤリスクロスとヤリスが圧倒。
もはや、高級車レベルの領域に入っている。
唯一残念なのが、これほど高性能の自動ブレーキを用意しながら、非装着車グレードがあることだ。

また、ヤリスクロスには以下のオプションも用意されている。

  • 後側方車両接近警報(ブラインドスポットモニター)
  • 後退時車両接近警報&自動ブレーキ(リヤクロストラフィックオートブレーキ)
  • 車両を俯瞰で見た映像にして死角を無くす(パノラミックビューモニター)

こうしたオプションを選択することで、高級車並みの予防安全装備となる。

それ以外の車種に関しては、僅差状態だ。
昼夜の歩行者検知ができる自動ブレーキや車線逸脱抑制機能などは、どのモデルも標準装備化されている。
どのクルマも一定水準以上の安全性はあるといえる。

ポイントは、日々の運転で頼りになる機能だ。

  • 後側方車両接近警報
  • 後退時車両接近警報
  • カメラ映像を組み合わせ、車両を俯瞰で見た映像にして死角を無くす機能

これらのオプションは積極的に選択したい。

また、コネクティッドサービスも、もしもの時に役立つのでおすすめだ。
エアバッグが開くような衝突事故などの場合、自動で専用オペレーターに接続し救急車などの手配をしてくれる。

安全装備比較表

  • …全車標準装備
  • …一部標準装備または一部オプション
  • ×…標準装備なし
トヨタヤリスクロス トヨタヤリス 日産ノート ホンダフィット マツダマツダ2
対車両自動ブレーキ

一部非装着
グレードあり

歩行者検知式自動ブレーキ

一部非装着
グレードあり

ブレーキ踏み間違い衝突防止アシスト

一部非装着
グレードあり

サイドエアバック

×

カーテンエアバッグ

一部グレード
装着不可

車線逸脱警報

車線維持支援

一部グレード
装着不可

後側方車両検知警報

一部グレード
装着不可

一部グレード
装着不可

×

×

後退時後方車両接近警報

一部グレード
装着不可

一部グレード
装着不可

×

×

オートマチックハイビーム

一部グレード
装着不可

※安全装備の詳細は各車メーカー公式サイトをご確認ください。

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