BMW X5 Series
そんな観点で選ぶと、BMWのX5は有力候補になるだろう。X5はBMW初のSUVであり、プレミアムSUV市場を牽引してきた一台である。5シリーズをベースに開発されているため、その全長も5シリーズに近く、現在の3代目のベースグレードである35iで4910mmである。
またその開発に当たっては、一時BMWの傘下にあったローバー社のノウハウも活かしているといわれており、その性能の高さには定評がある。ハンドリングが正確であり、直線での走行安定性も高いため、スキー場に向かう山道でも運転しやすいだろう。また、車高が高い車にありがちなロールやピッチも抑えられているため、ワインディングも快適に走り抜けることができる。山道での運転しやすさ、そしてドライブの楽しさを求めるのであれば、X5がいいだろう。
Audi Q5
雨や雪で濡れた斜面での安定性という点では、アウディのQ5も捨てがたい。アウディ自慢のフルタイム4WDシステム「クワトロ」を搭載しているため、地面に吸いつくような安定感を見せてくれる。クワトロの走りによる安心感は文章ではなかなか伝わりにくいので、ぜひ雨の日に試乗してみてほしい。
またQ5は先述のX5や、後述のMクラス（GLEクラス）と比べるとややボディサイズが小さく、運転しやすいのも特徴である。スキー場の駐車場に停めやすいのはもちろんだが、山道でカーブを曲がる時にも振られる感覚が少なくて済む。ボディサイズが小さめとはいえ、その荷室容量は現在の初代Q5で通常時で540リットル、2列目シートをたためば最大1560リットルまで拡大するので、必要な荷物は充分載るサイズである。また価格もX5やMクラスと比べるとリーズナブルなのも魅力の一つである。
Mercedes Benz M Class
メルセデス・ベンツのSUVも捨てがたいだろう。メルセデス・ベンツのMクラス（※2015年以降はGLEクラスと改名）の新車価格はBMWのX5やアウディのQ5よりも高いが、それに見合うだけの性能を備えている。高い質感を備えるインテリアは、さすがはメルセデス・ベンツというべきであろう。
比較的ソフトな印象の強いエクステリアからオンロード重視のSUVだと思われがちであるが、オフロード性能も高め。四輪駆動なのはいうまでもないが、駆動力を最適に分配する4ESP(4エレクトロニック・スタビリティ・プログラム）、悪路での安定性と走破性を向上させるオフロードモード、確実な坂道発進を支えるヒルスタートアシスト、更には下り急勾配で自動で速度を制御するDSR（ダウンヒル・スピード・レギュレーション）を搭載している。その他にも、メルセデス・ベンツ自慢の高い安全性能をふんだんに搭載しており、オフロードでの安全性を重視する人に最適の一台である。
