【概要】
その前身は、F1でジョイントしていたメルセデス・ベンツとマクラーレンが作り上げたSLRマクラーレン。このSLRマクラーレンを元に、より一般的な構造、製造方法を採用し、更にSLクラスの初代モデルである300SLよりモチーフを得て生まれたのが、SLS AMGだ。
ガルウィングドアを備える、ロングノーズ&ショートデッキのスタイリングは、モチーフとなった300SLより踏襲。しかしフロントに向かうにつれ曲率が大きくなるボンネットや、その上に設けられたベンチレーショングリルのフィンなどは、航空機にヒントを得ておりモダンなデザインに仕上がっている。
2010年から2014年までの間、F1のセイフティ―カーに用いられていたため、トラックを比較的ゆっくりと走るイメージが強い人もいるだろう。しかしAMGが開発したということから容易に想像できるように、エンジンはハイパワー。それでいて、そのパワーを受け止めるシャシーとしては異例なほど軽量で、剛性も高い。
初めて発表されたのは2009年のフランクフルトモーターショー。同年ドイツで発売、翌2010年には他のヨーロッパ各国や日本で発売された。2012年には、かねてより開発が続けられていたEV仕様の市販バージョンも登場している。2013年の東京モーターショーでは、そのモデルライフの最後を飾るSLS AMG GTファイナルエディションを公開。これを以てSLSの生産は終了、後継モデルのAMG GTにその座を譲った。
右ハンドル車も生産されていたが、日本へ正規輸入されたモデルは左ハンドル車のみ。新車販売価格は約2500万円程度からだった。