【試乗フィール】
ル・マンで優勝したR8と同じ名を持つ、アウディにとっても特別なスポーツカーであるR8。レースで鍛え上げられた技術を取り入れたこの車の一つの特徴が、市販車では珍しいドライサンプ方式を採用したエンジンを搭載していることであろう。
ベーシックなモデルが搭載している4.2リッターV8エンジンのパワーは430ps/43.8kgm。更に強い5.2リッターV10エンジンなら525ps/54.0kgmという圧倒的パフォーマンスで、3.9秒で時速100kmに達するという。
このドライサンプ方式を採用したために、エンジンの搭載位置が下がり、エクステリアはいっそうワイド&ローが強調されたスポーティーな雰囲気に。大型フロントスポイラーとリヤウィングも、レーシングスポーツカーの特徴を受け継いでいる。
インテリアも、高級感はあるが華美ではなく、むしろシンプルさを極めた機能美という言葉がふさわしい。最高のドライビング環境を提供するためにデザインされた運転席は、コックピットと呼びたくなる。シートも、高いホールド性と快適さをうまく両立している。
跳ねるような加速で高速域に達すると、そこからの走りは非常に安定していた。19インチタイヤが、高速での鋭いコーナリングを可能にしている。6速マニュアルミッションなら「スポーツカーを思うがままに操っている」という操作感を味わうこともできる。
フルタイム4WDシステムのクワトロや、独自のトランスミッション技術であるSトロニックを備えているのは「当たり前」。他にも格納式のリトラクタブルリヤスポイラー、「ノーマル」と「スポーツ」のモードを選んで使うことができるアウディ・マグネティック・ライドなど、最新の設備を数多く備えている。