Porsche 911 turbo S Cabriolet

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    Impression

    スーパースポーツの正統派、911。
    走りの性能と日常性を両立したパッケージングからか、
    街には良識ある911が溢れている。
    そんなことどこ吹く風か、
    911ターボSのカブリオレをショーモデルのごとく、
    人を虜にする劇薬マシンに仕立て上げた極上マシンが現れた。
    無垢のブラック・スワンである。

    なぜ、無垢のブラック・スワンなのか。
    それは公道車で最強の911であるターボSでありながら、
    わずか3,000kmしか火を入れていないのだ。
    そのためすべてのパフォーマンスは、
    最良のコンディションを保っている。
    そう、このブラック・スワンは、
    妖しく黒光りしながら、まだ眠っているのだ。

    脚元には
    20インチ911ターボSホイール(センターロック式)を履かせ、
    そのうえで
    PCCB(ポルシェカーボンコンポジットブレーキシステム)をセレクトしている。
    カーボンブレーキは、
    オーバースペックとなるマシンが多いが、
    この911ターボSなら頷ける。
    またカーボンとホイールデザインのマッチングが流石ポルシェだ。
    イエローキャリパーのアクセントがいいスパイスとなっている。

    このマシンにはLEDヘッドライト(PDLS)が装着されている。
    その下にあるコーナーライトとのレイアウトが
    ワイルドだ。
    このフロントマスクをバックミラーで見た者は、
    迷わず道を空けることだろう。

    電動可倒ドアミラーの付いたドアを開け、
    コックピットへ。
    オーナーを迎えるのは、
    アダプティブスポーツシートプラス(18wayパワーシート)だ。
    ブラック&ボルドーレッドのレザーインテリアパッケージが、
    走りの気分を駆り立てる。
    もちろんリアもレザーパッケージをセレクトし、
    インテリアに手抜かりはない。

    手元にはアルカンタラ・スポーツデザインステアリングホイール、
    そしてアルカンタラ・PDKセレクトレバーが備えられている。
    お決まりのスポーツクロノパツケージは当然の装備として、
    PAA(ポルシェアクティブエアロダイナミクス)、
    PTM/PTVプラス、
    そしてオン・オフ操作ができるPDCCと、
    PASMが備えられている。
    先進の走りは、万全だ。

    この劇薬を、試してみないか。
    もし腕に覚えがあるのなら、
    カーボンを付けた911ターボSの限界性能を、サーキットで。
    これほどのものかと思える走りが待っている。