Porsche 911 Carrera PDK

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    コードネーム991のポルシェ911カレラ。
    7代目現行モデルが現れた。
    このモデルから、911は飛躍的に進化を遂げている。
    最大の進化は、これまでのスチール製ボディを捨て、
    アルミ使用率が約50% という、
    アルミ/スチール製のハイブリッドボディを採用したこと。
    この変化は、乗り味を変えた。

    エンジンに火を入れると、
    スーパースポーツの爆音が響き渡る。
    スポーツエグゾーストシステムによって調音された快音。
    そのサウンドは、ボクスターやケイマンを寄せ付けない、
    911だけの野太さと精密さ。
    エンジン音だけで別物のマシンと判ることだろう。
    そんな純粋スポーツでありながら、
    これまでの911の特長であった堅く質実剛健な挙動を捨て、
    ポルシェ最上のGTカーであるパナメーラのごとく、
    スムーズに、そしてしなやかな乗心地へと進化している。

    このマシンはカレラ。
    脚元には20インチのカレラSホイールを履き、
    キャリパーはS仕様のレッドペイントをセレクトしている。
    911のカスタマイズを心得たチョイスである。

    このモデルではホイールベースを100㎜伸ばし、
    走行安定性、荷重変化、ダイナミック性能を向上させたと言う。
    しかしチーフデザイナーのマイケル・マウアーの手による
    緻密で繊細なデザインによって、
    純血スポーツのスパルタンさを保ちつつ、
    ドイツ車らしい細部のディテールまで美しい
    ポルシェデザインに仕上げている。

    ポルシェエントリー&ドライブシステムを使い、室内へ。
    PDK、右ハンドルという日本での日常使用をベースとした
    コックピットは、レザーインテリア、シートヒーター、
    そしてBOSEサウンドシステムと、
    日々の快適さをもたらしてくれることだろう。
    そのセンターに、
    スポーツデザインステアリングホイールが鎮座する。

    そう、911は純然たるスポーツを愉しむマシンなのだから。
    ステアリングに備えられたSPORTS PLUSに切り替えると、
    このマシン本来のどう猛な猛禽類が姿を現す。
    もし限界走行を試す環境と技量があれば、
    禁断の扉を開いて頂きたい。

    またこのモデルはスポーツクロノパッケージを装備し、
    PASMを備えている。
    車体の軽さ、ボディ剛性、
    その上に大幅にセンサーを増やしたというPASMを備えることで、
    まるでパナメーラのような快適な乗心地をもたらす
    純粋スポーツと仕立てられている。

    2015年内に911はマイナーチェンジを行う予定で、
    一説によれば全タイプがターボ化され、
    ダウンサイジングされると噂されている。
    空冷から水冷へ、ノーマルからターボへ。
    スチールからアルミ/スチールハイブリッドへ。
    そしてダウンサイジングへ。
    この現行モデルは、
    ノーマルで911が味わえる、
    ラストチャンスかも知れない。