Porsche 911 GT3

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    Impression

    2014年モデルのポルシェ911・GT3が現れた。
    現行モデルであるこのマシンは、
    すでに伝説のマシンとして歩み始めている。
    ひとつは直噴エンジンを搭載した初めてのダックテール、
    GT3ということ。

    そしてもうひとつは、マニュアルを無くしたGT3であるということ。
    プレス発表でポルシェは次のように語っている。
    「我々はマニュアルシフトをとても大切に思っている。
    だが、それよりも変速の速さを愛している」と。
    ポルシェはこのモデルで7速PDKを導入するために、
    エンジン重量を20kgも軽減させた。

    GT3のPDKは他の911とギアレシオが違う。
    顕著なセッティングが7速だ。
    他の911ではオーバードライブ、
    すなわち燃費ギアとして使われているが、
    GT3ではメーカーアナウンスで最高速315kmと謳われている
    スピードのために使われている。

    アルカンターラを使用したスポーツバケットシート、
    レザーインテリア、ドアパネルレザーパッケージと、
    上質なスポーツマインドで仕上げられたこのマシンのインテリア。
    そしてもちろんスポーツクロノパッケージと
    PTV Plus、リアアクスルステアなどの先進技術。

    走りをすべて先進技術に頼るだけでは物足りない。
    そんなオーナーのために、
    ESC OFF、ESC+TC OFFももちろん備えている。
    またフロントリフトシステムを備えているので、
    フロンドアンダースポイラーに神経質になることは少ない。

    欧州でトラブルのあったエンジンは、もちろん交換済みで
    しかも走行距離は少ない。
    レブカウンターを5,000rpmから9,000rpmへとダンスさせる。
    自然吸気で440Nmを発生する
    ポルシェ・ボクサーエンジンが爆音を放ち、
    このマシンがGT3であることをサウンドで示してくれる。
    しかもこのサウンドは稀少だ。
    2014年モデルの日本での登録はわずか44台だ。

    本来はレースのカテゴリーネームだったGT3。
    今年のジュネーブ・モーターショー2015でデビューした
    ヴァンテージGT3は、ポルシェからのクレームの末、
    ヴァンテージGT12と改名した。
    アストンマーティンでさえ道を空けた、GT3という名。
    その名は、すでにポルシェだけのものかも知れない。