Mercedes-AMG SL63

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    Impression

    風になったように、
    ハイウェイをどこまでもクルージングする。
    それは、リビングのソファーに深く座り、
    窓から入る日差しや風を愉しむ午後のひとときのように。
    クルーズド・アメージング。
    このクルマには、長い時間を刻み続けてきたからこそ到達できる、
    大人の豊かな時間が流れている。

    エンジンは、排気量を5.5リッター直噴ツインターボとすることで、
    最高出力395kW(537PS)/5,500rpm、 最大トルク800 N・m (81.6kg-m) /2,200〜4,500rpmという高出力を実現。
    エンジンマネージメントやアイドリングストップ機能を備えることで、
    優れた低燃費を実現しながらCO2排出量も大幅に削減している。
    ダウンサイジングしながら、
    これほどのパワーを環境に配慮して実現したことは驚愕に値する。

    メルセデスの量産モデルとしてはじめてアルミボディ採用し、
    ホワイトボディだけで約100kgもの軽量化に成功していると言う。
    そのフロントノーズに収められた心臓に火を入れる。
    バリトンに似た独自のV8サウンドが、地を這うように静かに響く。

    エグゾーストには、
    エグゾーストフラップ付AMGスポーツエグゾーストシステムが
    装備されている。
    フラップを閉じていれば、早朝の住宅街でも気兼ねなくスタートでき、
    高速に入ればフラップを開け、AMGサウンドを存分に堪能できる。

    センターコンソールなどのトリムを、
    カーボンファイバーでフィニッシュしたインテリア。
    またパノラマルーフが備えられている。
    メーター内の表示、そしてナビゲーションは
    もちろん日本語にアップデートされている。
    IWCのウォッチが、豊かな時間を刻んでいる。

    ハードトップを開けて、ゴルフへ。
    ゴルフクラブが収められるオープンカーは、少ない。
    このマシンは、そんな数少ない
    オープンだ。

    人がオープンカーに乗ろうと思うときは、どんな時だろう。
    このマシンは、長い愛車遍歴の中で、
    さまざまなクルマの良さを味わってきた御仁が、
    至高の遊び心でステアリングを握る時ではないだろうか。
    そこには、パワーやスピードだけでは得られない、
    ドライビングの深さが、あるのだから。
    その心地よい走りを愉しんだ距離は、
    わずか5500kmしかない。