Mclaren MP4-12C Spider

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    Impression

    マクラーレンMP4-12Cスパイダーには、
    白が似合う。
    それはフランク・ステファソンが追求した
    機能美という理由だけではない。
    F1マシンを作り続けてきたマクラーレンが
    公道を走る一般車両を自らのレーシングテクノロジーで作るという
    いわば「走る実験室」のような存在だからかも知れない。
    性能が形として見えるマシンは、少ない。
    このマシンの他には。

    このマシンは
    ボディカラーをパールホワイト(エリートペイント)としながら、
    ブラックのカーボンファイバーで各所を引き締め、
    いわゆるメリハリを効かせた上質な大人のスポーツを作っている。
    リアビューには、
    ステルスパックと名付けられた
    エアブレーキ・マフラーエンド・ブラックが仕込まれている。

    このマシンには
    通常のスパイダー専用に調律されたスポーツエキゾーストとは異なる
    スポーツエキゾースト(マフラー)が装着されている。
    そのあまりにも稀少な咆吼は、
    見た目の大人らしさとは少々かけ離れているかも知れない。
    制止しているときは静かに、走り出せば獰猛に。
    それがマクラーレンの白い流儀だ。

    フロントマスクは、
    ボディ同色のスプリッターと
    ワイルドなインテークを備えたバンパーが印象的だ。
    装飾的なデザインを一切廃しているのに、精悍だ。

    また脚元は
    オプションで設定されている
    フロント19インチ/リア20インチの
    純正スーパーライトウエイトホイールが装着されている。

    タイヤハウスには、
    カーボンファイバー・ホイールアーチが備えられている。
    こんなところまでカーボンファイバーにしているマシンなんて、
    スーパーカーと呼ばれるクルマたちでも珍しい。
    レースで勝つための車体を作り続けてきた
    マクラーレンらしいデザインだ。

    このマシンの魅力はシートにある。
    フルレザーインテリアの中央に鎮座するシートは、
    シートヒータ&メモリ付電動シートで、
    ホワイトとブラックのツートンデザインとなっている。
    インテリアを見せるスパイダーとして、
    上質で華のあるコーディネートだ。

    コックピットは
    カーボンファイバーステアリングアッパー&ロア
    (ブラックレザーディンプルグリップ)を中心に、
    カーボンファイバーインテリアアップグレードで仕上げられている。
    この空間には、
    英国を代表するハイエンドオーディオの
    メリディアンサウンドシステムが響く。
    つまり心地よい音響もハンドメイドで作られている。

    白いモンスターは、
    まだ2,720kmしか走っていない。
    このマシンは、
    秘められた性能を本気で引き出すオーナーを待っているに違いない。