Mclaren Mercedes SLR Roadster

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    Impression

    あまりにも偉大なため、
    そのステアリングには誰も手を出せなかったのだろうか。
    そんな思いがこみあげた奇跡の一台が、降臨した。
    マクラーレンSLRロードスター、
    走行距離1,402kmというコレクションモデルである。

    このロードスターは、あえてソフトトップを採用している。
    スーパーカーならリトラクタブル式ハードトップと思われるかも知れない。
    そこには、
    「スポーツカーのオープンルーフは、
    構造がカンタンで軽いソフトトップに限る」という
    コンストラクターの強い意志があるのだろう。
    ラテンとは違うゲルマンらしい合理的な選択だ。

    このソフトトップは、クロスが暖かい光を放つアンスラサイトで、
    オーバー300km/hと言うハイスピードで、
    空力抵抗数(Cd値)はルーフクローズ時0.38、ルーフオープン時0.41という
    驚異的な数値をマークしている。
    メルセデスベンツとマクラーレンという両雄なら、
    「当然だ、F1マシンにルーフはない」と言い切るだろう。

    リベラーラを訪れる御仁たちは
    いくつかのSLRをチェックされてきたことだろう。
    このマシンだけの装備は数々あるが、
    特に脚元をご確認いただきたい。
    ブレーキキャリパーは純正塗装でゴールドとなっている。
    アラバスターホワイトにゴールドという遊びが心憎い。

    スイングウイングドアを開け、
    セーフティロールゲージとAピラー内のスチールパイプで保護された、
    コックピットに入る。
    操作系の配置はこのマシンもメルセデスベンツの人間工学に基づいているため
    いつものSクラスと同じ場所にある。
    そんな親近感と安心感に包まれて、
    当時のF1技術を取り入れたスーパースポーツを操る。

    インテリアはホワイトボディを引き締めるブラックで。
    ブラック・アンスラサイト色のシルバーアローレザーで仕上げられている。
    そのうえオプションのカーボンインテリアトリムを装着しているから、
    いやがうえにもスポーツマインドが高揚する。
    シートは新車時にオーナーの体型にあわせてオーダーメイドで
    ハンドメイドされていたが、このマシンはラージを装着している。
    これはコレクションモデルに慣れたオーナーの配慮だ。
    ヘッドレストに打刻されたSLRロゴが、威厳を放つ。

    日本に輸入された正規ディーラー車は
    わずか17台というロードスター。
    コーディネーターにプライスを尋ねて驚いた。
    新車時に7,000万だったと記憶するこのコレクションモデル。
    当然プレミアムがつくマシンと、思っていたからだ。
    コレクター諸氏には悩ましいマシンが現れたものだ。