Lamborghini LP550-2 Valentino Balboni

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    Impression

    モダン・ランボルギーニは4WDによって、
    多くの人が安心して踏み込めるマシンに仕立てられてきた。
    そこに、オーナーに度量とスキルを求めるモンスターが現れた。
    ランボルギーニLP550-2バレンティーノ・バルボーニだ。

    4WDスーパースポーツの2WDというと、
    レースを睨んだ軽量硬派をイメージされることだろう。
    しかし、このマシンはそれだけに留まらない。
    アルミボディに直噴V10エンジンという
    モダン・ランボルギーニのテクノロジーを、
    創世記の伝説を打ち立てた後2輪駆動で手なずけることで、
    かつてのミウラやカウンタックが築いた道をリスペクトしたマシンなのだ。

    それ故に、オーナーにはドライビングスキルを求める。
    強烈なチカラで背中を押す猛牛を、
    応答性のよい前輪で進路をコントロールするという、
    ミウラやカウンタックを操るときと同じ緊張感が走る。
    4WDのガヤルドのように、
    一気に踏み抜いても安心という気持ちは、一切捨ててほしい。
    これがランボルギーニの原点だ。

    生産台数僅か250台の特別なマシンとしての意匠。
    それは専用レーシング・ストライプが語る。
    純正19インチアルミ「スコーピウス」をコーディネートすることで、
    走りを昂ぶらせている。

    このマシンには、
    オーナーが目指すべきドライバーがいる。
    車名につけられたバレンティーノ・バルボーニだ。
    彼はテストドライバーで、
    ライン・オフしたばかりのランボルギーニの走りを確かめ続け、
    そしてカウンタック、ディアブロ、
    ムルシエラゴの開発の第一線に携わってきた。
    彼の歩んだ道はランボルギーニの走ってきた
    メインストリームそのものなのだ。
    静かに気高く、その誇りをガラスエンジンフードが覗かせる。

    カーボンファイバーセンターコンソール、
    ライトパッケージ、トラベルパッケージ、
    リアビューカメラを備えているが、
    それがどうだと言うのだ。
    このマシンの凄さは、装備やスペックといったものではない。
    オーナーを選ぶということだ。そんなマシンは、今は少ない。
    だからこそ、選ばれし者としてこのステアリングを握るオーナーに、
    畏敬の念を懐く。