Ferrari F430 F1

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    Impression

    フェラーリの歴史は、ただ美しく速く走るために刻まれてきた。
    そう言っても過言ではない。
    このブランド精神を純粋に体現するマシンが現れた。
    漆黒のネロを纏った、フェラーリF430 F1である。

    当時ピニンファリーナに在籍したフランク・ステファンソンの手による
    均整のとれた肉体は、
    360を踏襲しながら360から改善の余地があった
    ダウンフォースを大幅に高めている。

    強力なダウンフォースに相応しく、
    F430scuderia stylecolor painted19''wheelの奥には、
    カーボンセラミックブレーキと
    アルジェント色のカラード・ブレーキ・キャリパーが備えられている。
    いかなる走りにも応えられることだろう。
    カーボンとしたホイールキャップが洒落だ。
    タイヤはピレリーP.ZeroRossoに交換されている。

    このF430は、当時のF1マシンに搭載されていた
    電子制御ディファレンシャル・システムが採用されている。
    舵角及び車輪の回転数などをモニタリングし、
    左右駆動輪に最適のトルクが配分される。
    つまり現在のフェラーリの走り、
    その原型とも言える走りが堪能できる。

    いや言い方を変えれば、
    現在のフェラーリにおける、
    走りの中興の祖ともいえるマシンだ。
    その実力は、フィオラノサーキットで刻まれている。
    テスト走行で360モデナのタイムを3秒も上回ったのだ。
    カーボン仕様としたスクーデリアエンブレムは
    伊達ではない。

    インテリアは、
    カーボンインストゥルメントパネルに
    イエローのレブカウンターを備え、
    パワーシートにはホワイトのステッチが施されている。
    ストイックな選択だ。
    だが走りを堪能するフェラーリには、充分だ。

    何も足さない、
    そして何も引かない。
    モダンフェラーリの走りを、
    ブラックで味わってみては如何だろう。
    このマシンはクラッチ、フライホイール、
    そしてミッションマウントとエンジンマウントまで交換している。
    あとは、あなたが走りを愉しむだけだ。