Ferrari 360 Spider

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    Impression

    コンストラクターがニューモデルを開発する。
    その際、多くの開発者はシリーズ歴代の名車を改めて体感し
    次のマシンで実現すべき到達点を見極める
    フェラーリ360シリーズのスパイダー。
    このマシンは
    リトルフェラーリと呼ばれるV8シリーズの開発において
    時代の分岐点に位置する名車だ。

    エンジン以外すべて新設計した360モデナシリーズ
    フェラーリのGTスポーツは
    このモデナシリーズから新時代が始まり
    F430、458イタリア、488GTB、
    そしてロードデビューが待たれる最新F8トリブートへと続いている。
    マラネッロの天才職人たちも、SF90ストラダーレを開発するために現代のリトルフェラーリを形作った
    この360シリーズを紐解いたに違いない。

    最大の特長は、この360モデナから
    現在に続くアルコア製アルミ・スペースフレームを採用し
    大幅な軽量化を実現しながら高い剛性を確保したこと。
    そのためボディをより大型化させることができ
    スペースと重量のゆとりを使って
    エンジンやトランスミッショを高度化させる自由を得た。
    またこのマシンには、
    七宝焼スクーデリアエンブレム、チャレンジアルミ、チャレンジグリルがアクセントとして備えられている。

    スケルトンのフードから覗くエンジンは
    F355からストロークを伸ばし、3,586ccに拡大し
    最高出力400hp/8,500rpmを発生するV8。
    ミッドシップレイアウト特有のハンドリングと
    一気に高回転へと吹き上がるレスポンス
    コーナーを抜け出しストレートへと立ち上がる快楽は
    誰にも止めることはできないだろう。

    このマシンは入庫後、フェラーリマイスター氏と
    十分なヒアリングを行い　新車に近づけるべく重整備とリメイクを実施
    更に今後はクラシケ取得を目的にメンテナンスを施すのもセオリーだ。

    ヘッドレスト後方のロールバー奥にはウインドウが開き
    トップが自動で畳まれフェアリング内のカバーに収まる
    今回マイスター氏により
    幌のラバーバンド強化によるアップグレードを行ったオートソフトトップ
    このTOPはスイッチオンすればわずか、約20秒で全開だ。

    360スパイダー
    このマシンからフェラーリ遍歴を重ねるという
    フェラリスタが多いが、
    原点である360シリーズをガレージに置かれては如何だろうか、
    きっとあなただけが知るフェラーリの歴史というものが
    得られるに違いない。