Ferrari F430 F1

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    成熟したラストイヤーモデル、
    しかも低走行距離のフェラーリが現れた。
    2008年モデルのF430 F1である。
    このモデルは、
    V8 シリーズで大ヒットとなった
    360モデナをキープコンセプトし、
    より技術進化させている。
    その文脈は、458イタリアへと続く。

    現行の前モデル、と侮るなかれ。
    F430 F1には当時のF1マシン直系のレーシングテクノロジーが
    投入されている。
    E-DIEFと呼ばれる電子制御ディフェンシャル・システムで、
    舵角や各車輪の回転数によってフリクション・ディスクを制御する。
    さらにCST、電子ダンパーを統合して制御している。

    それらの技術は、ステアリング右下に置かれた
    小さな赤いつまみ、マネッティーノをひねることで
    体感できる。
    アイス、ローグリップ、スポーツ、レース、CSTオフと、
    走行モードをセレクトすれば、
    フィオラノで360モデナより3秒速いラップをたたき出した、
    コーナー・アプローチ時や脱出時の
    高いロードホールディングが得られる。

    そんな赤い小さなスイッチの誘惑を想ってか、
    このモデルは、エクステリアとインテリアをレースカラーの赤、
    ロッソコルサでコーディネートしている。
    スペシャルカラード・ステッチで仕上げられた
    デイトナスタイルのシートは、
    シート・ヒーター内蔵のパワーシートで、
    さらに赤いカーペットとレザー・ルーフライニングを組合せ、
    カーボンファイバー・ダッシュボード・インサートで
    仕上げられている。

    脚元は、
    チャレンジ・ストラダーレ・スタイルの19インチアルミホイールを履き、
    カーボン・セラミック・ブレーキシステムと
    カラード・ブレーキキャリパーをセレクトしている。

    360はモデナ、458はイタリア、
    そしてこのモデルはF430。
    フェラーリの文法から言えば、
    GTマシンよりレーシングマシンに近いV8と、
    言うことだろう。

    抜き去られた多くのクルマたちが、
    記憶にとどめていることだろう、後ろ姿。
    そのステアリングを握る、
    赤い誘惑を堪能するエピキュリアンに挑む者は、
    少ないだろう。